TRY家コラム

TRY家コラム(トライエコラム)

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「an.D」は、ダイワハウスとこれから家づくりをはじめる方をつなぐ情報誌です。

間取りと暮らし方

ケンゾー エステイト ワイナリー

赤い滴に情熱を

芳醇な香りと麗しい深みのある赤。
口に含めば至福を感じる一滴はまるで宝石のよう。
日米の愛好家から絶賛されるワインを生み出したのは、ある日本人でした。
ワインづくりに込めた情熱のストーリーを今回はご紹介します。

ある日本人が創り出した世界を魅了するワイン

都会の真ん中に、喧噪(けんそう)から逃れて一息つける大人たちの隠れ家があります。ケンゾー エステイト ワイナリー 銀座店に足を踏み入れると、そこに現れるのは気軽にテイスティングできるカウンター。正面の壁には、飾られたワインボトルが照明に照らされて優美に輝き、上質な店内を演出しています。

赤、白、ロゼ、スパークリング―個性あふれるワインを全8種類取りそろえるケンゾー エステイト。海外でもあまたの賞に輝き高い評価を得るこの逸品たちを生み出したのは、辻本憲三という一人の日本人でした。

アメリカ西海岸、カリフォルニア州のナパ・ヴァレー。高級ワインの産地として知られるこの地に、470万坪という広大な敷地をケンゾー エステイトは有しています。ブドウ畑のために用いる土地はそのうち5%のみ。敷地の大半を豊かな自然が覆い、苗木にきれいな空気と水をもたらしています。

ケンゾー エステイトが優れたワインをつくれる所以は、その環境にあります。海抜が高く日照量も多いこの土地は、昼夜の寒暖差が激しくブドウ栽培には最適な場所。さらに畑を取り囲む大自然が澱みのない純粋な果実を育むため、ワインに芳醇な香りと果実味が生まれます。まさにワインづくりにうってつけの土地なのです。

この土地をもともと所有していたのは日本のゲーム会社カプコン。辻本氏が一代で築き上げたグローバル企業です。ここで予定していた事業が中止になり、当時社長を務めていた辻本氏が個人で買い取ることになりました。するとどうでしょう。周辺のワイナリーから「土地を貸してほしい」と次々と依頼が舞い込み、ワインづくりに適した土地だと気づきます。「日本の人々に、ナパの最高峰のワインを届けよう」。彼のモノづくりへの意欲に火が点きました。

ゲームとワイン。一見何の関連もなさそうな分野ですが、辻本氏にとっては「人を喜ばせる」という点で共通していました。エンターテインメントもワインも、生活必需品ではないからこそ、最高のものを。当時すでに50代を迎えていた彼は、青年のように満ち溢れた情熱に従ってワインづくりに突き進みます。

最高峰を目指すためにゼロから畑をやり直す

ブドウの木が整然と並ぶ畑の姿は、まるで天が授けたじゅうたんのよう。夜明けとともに漆黒の闇が薄らいでくると、緑色のじゅうたんの上を白い朝霧が覆います。それは果実にとって恵みとなる朝露をもたらし、大地を潤していくのです。これほど神秘的で美しいブドウ畑が、20年前には荒野だったと誰が想像できるでしょうか。

辻本氏は入念な調査を経て、広大な敷地からブドウ栽培に適した丘陵地を選定。1998年に大規模な掘削工事を始めました。1年以上を費やして地盤を整備し、苗木を植えられる状態にして、開墾から3年後の2001年、初めてブドウを収穫。しかし、残念ながらこのブドウがワインとなって世間の人々の喉を潤すことはありませんでした。なぜならこの年、辻本氏に大きな転換期が訪れるからです。誉れ高きカルトワイン(希少性の高い高級ワイン)を多数手がける栽培家、デイヴィッド・アブリュー氏との出会いによって。

彼の才能に惚れ込んだ辻本氏はチームへの加入を依頼。するとアブリュー氏は、すでに畑に植わっていた14万本のブドウの樹を引き抜き、ゼロから耕し直すことを条件に挙げたのです。それは3年間にわたる悪戦苦闘の成果を無にすることを意味しました。しかし、世界最高峰のワインづくりを目指し、辻本氏は一から耕し直す決断をするのです。

2002年にアブリュー氏の指揮で新たな畑作りが始まりました。苗木の成長を妨げる石を徹底的に除去。精密な計算の下、畑を細かく区分し、日当たりや水はけなどを考慮して最適な品種を植えました。こうして、ブドウ畑は一段と美しく生まれ変わったのです。

固い絆で結ばれた辻本氏(左)とアブリュー氏(右)

白い霧と緑の畑が織りなす幻想的な風景がナパ・ヴァレーでは見られます

情熱こそが最大のテロワール

2003年にはワインの女神と呼ばれる醸造家ハイディ・バレット氏がチームに参加。かつて辻本氏が魅了されたカルトワイン『マヤ』を手がけた人物です。彼女が加わった理由は敷地の魅力もさることながら、辻本氏のワインづくりへの情熱に感銘を受けたから。世界トップレベルの面々がケンゾー エステイトで初めて手を組んだのです。

「情熱こそが最大のテロワール」。これはアブリュー氏の言葉です。テロワールとはフランス語でブドウが育つ自然環境のこと。ワインの重要な要素を決めるブドウの良し悪しを左右するのは自然条件です。しかし、それ以上にワインづくりに欠かせないのは、モノづくりに対する真摯な姿勢なのです。

ワイナリーの深部に並ぶオーク樽。樽の中でワインは香りや味わいを深めます

ケンゾー エステイトとして初収穫の日を迎えたのは2005年。地道な農作業を中心に努力を続けた結果、複雑で深みのある味わいと、豊かな香りを併せ持つブドウができました。その後醸造され、オーク樽で20か月の樽熟成と約1年にわたる瓶熟成を経て、2008年にファーストビンテージが誕生しました。

「紫鈴(りんどう)」など3つの赤ワインは深みのある香りと純度の高い果実の濃密な味わいが高く評価されました。翌年にリリースされたソーヴィニヨン・ブラン種主体の白ワイン「あさつゆ」は、シトラスやピーチが重なった甘い香りと、酸が際立つ爽やかなテイストで数々の賞を受賞しました。辻本氏の諦めない努力が文字通り実ったのです。。

アブリュー氏によって美しく整えられたブドウ畑

シンプルながら品格が漂う「紫鈴」のラベルのデザイン

朝露という天の恵みを受けて輝くブドウの果実

手の届く高級であり続けるために

ケンゾー エステイトのワインは少し背伸びをすれば手が届く価格を維持しています。「できるだけ多くの人に最高のワインを愉しんでもらいたい」という辻本氏の理念に基づいているのです。

ワインの価格が上がる原因の一つに希少性が挙げられます。カルトワインは年間1万本も生産されないものが多く、単価も上がりますが、ケンゾー エステイトでは30万本まで生産を上げ、価格を安定させています。二つ目は流通面です。ケンゾーエステイトは原則的に自社のオンラインショップや直営店などで直販することを重視し、転売などによる価格の高騰を抑えています。

さらに、より気軽に手に取れるようハーフボトルを用意したり、直営店ではグラス1杯から提供したりするなど、幅広く人々に味わってもらえるように工夫を重ねています。

2009年に醸造所とセラーを完成させたケンゾー エステイトは、ブドウの栽培からワインの出荷まで全工程を自社の敷地で行えるようになりました。米国政府の審査を通り、100%自社製造の優良ワインに認可される「エステイトボトル」の称号を獲得。さらなる品質向上に磨きをかけています。

広大なブドウ畑を眺めながらワインを味わえるナパ・ヴァレー現地のテイスティングルーム

共に創る人への思いやりを絶やさずに

ケンゾー エステイトが大切にするのは消費者だけではありません。例えばナパ・ヴァレーの地域住民に対して、チャリティイベントや地元の病院への寄付を行うなど積極的に支援活動を行っています。また、ワイナリーオーナーである辻本氏は、ブドウ畑の管理を担う労働者とも分け隔てなく交流。ファミリー意識の強い辻本氏だけに社員からも父親のように慕われており、思いやりの意識が事業の成功につながっています。

2010年にワイナリーにテイスティング棟が完成すると、続いて日本でもそれを再現した直営店がオープン。人気を博し、東京だけでなく大阪や京都にも展開しています。レストランでは各店のシェフが独自のメニューで腕を振るいます。ワインを引き立てる料理をシーズンごとに開発。個性豊かな味わいを楽しむことができます。

荒野を耕すところから始まった辻本氏の挑戦は2018年に20年目を迎えました。困難があっても諦めない心と、繊細なモノづくり。辻本氏の情熱の下で、ケンゾー エステイトはこれからも人々を虜にするワインを届け続けます。

ケンゾー エステイトのフラッグシップとなるボルドーブレンドの赤ワイン「紫鈴」(右)と、数々の受賞歴を誇るソーヴィニヨン・ブランを用いた白ワインの名品「あさつゆ」(左)

直営店のレストランで提供される料理たち。それぞれの料理には、各ワインとの至極のマリアージュが考え抜かれています(写真は銀座店のメニューです)

PROFILE 辻本 憲三さん(つじもと けんぞう)

ケンゾー エステイト ワイナリー オーナー
1940年奈良県生まれ。83年に株式会社カプコンを創業。『ストリートファイター』などのゲームソフトをヒットさせる。現在に至るまでエンターテインメント産業をけん引する一方で、世界最高峰のワインづくりを目指し「ケンゾー エステイト」で指揮する。

ケンゾーエステイトワイナリー銀座店

http://www.kenzoestate.jp/

住所
東京都中央区銀座5-9-16 GINZA A-5 1F・B1
TEL
03-3572-1215

取材撮影協力 / ケンゾーエステイトワイナリー銀座店

2019年2月現在の情報となります。

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