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京都議定書の目標達成には、1990年比30.0%増(2006年)とCO2排出量が大幅に増加している家庭部門の対策が喫緊の課題です。それには個別の住宅やマンションでの高気密・高断熱など「点」における省エネ対策はもちろん、一定エリアにおける「面」としての対策を拡げていくことが不可欠です。また、ハードとしての対策にとどまらず、ソフト面も含めて住まい手のライフスタイルの転換をサポートしていくことも重要となります。
大和ハウス工業では、そのエリアの風や日照等の自然を最大限に活かした「自然と調和した街づくり」を通してCO2削減に取り組むとともに、住まい手とともに低炭素社会のモデルとなる街・暮らしの普及に取り組んでいます。

※1:(財)IBEC:建築環境・省エネルギー機構による認定制度
当社では、自然環境との共創共生を図る「自然と調和した街」づくりを進め、「環境共生住宅認定実績」をその到達度を測る指標と位置づけています。2007年度、戸建住宅では全国の分譲地において積極的に認定取得を行ない、昨年の1.5倍以上にあたる1,458棟の認定を取得しました。また、本制度の【個別供給型】において、大規模な複合用途の建物としては日本発の認定となる分譲マンション「D’グラフォート千里中央」(大阪府)556戸の認定を取得しました。その結果、2007年度における当社の環境共生住宅認定戸数は、合計2,014戸となり、建設実績総合1位となりました。なお、2003年度からの累積認定戸数は4,889戸となります。
※1:(財)IBEC:建築環境・省エネルギー機構による認定制度










2008年3月に街開きをした越谷レイクタウン(埼玉県)では、戸建住宅(132戸)と分譲マンション(500戸)の一体開発を行い、地域の自然を最大限活かし街区全体でCO2を20%以上削減することを目指しています。
この両街区における取り組みが評価され、環境省から「街区まるごとCO2 20%削減事業」に採択されました。

計画地は、その中心に豊かな水をたたえた調整池(レイク)を有します。この水辺の気候条件を快適な住環境づくりに活かすため、水辺(キャナル)をはさんで向かいあわせに戸建街区・マンション街区を配し、キャナルからの涼風を街全体に積極的に取り込む工夫を施しました。また、日照条件の良さに注目、日本最大級の太陽熱利用システムを導入し、マンション街区全体で給湯・暖房に利用しています。その結果、CO2排出量を街全体で27.4%削減できる見込みです。

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マンション街区では、日照条件の良さを活かし、給湯・暖房用に日本最大規模の太陽熱利用システムを導入しました。マンション屋上に設置した太陽熱集熱器(太陽熱パネル)の総面積は約1,000m2に及び、マンション街区全体への太陽熱利用システムの面的な導入は日本で初めての事例です。この太陽熱利用システムは、街区内の集中熱源プラントから各住戸に太陽熱で暖めた温水を循環供給する方式(住棟セントラルヒーティング方式)です。各戸に熱源機器を設置した場合に比べ、設備規模を抑えることができ、大幅にCO2排出量を低減できます。




四季の移ろいに育まれた日本の民家には、自然と共に暮らすさまざまな工夫が施されています。例えば、冬の風が強い越谷では、古い街並みの中に今でも北風を遮る高垣などが見られます。自然環境をうまくコントロールしながら暮らす先人の知恵を現代の住宅に応用できないか、検討を重ねた結果、冬の強い北風や街区東側のキャナルという地域条件に着目、「風」に焦点を当てた設計コンセプトにたどり着きました。
本計画では、気まぐれな自然を最新のシミュレーション技術を用いて解析、できる限り定量的なデータに基づく設計に注力しました。まず、街区計画においては、東京大学生産技術研究所・大岡研究室の協力を得て、戸建街区周辺の季節の風を調査分析、本計画地に想定される建物・植栽を配置し、街区内の風況・温熱環境シミュレーションを行いました。同じ夏の一日でも午前は東北東の風が、午後には南南東の風が吹き、街区へ流れる風の方向も速度も変化しているのが分かります。


風況・温熱シミュレーションの結果をもとに、春から秋はキャナルからの涼風を街区内に取り込む街路計画とし、冬は冷たい風を街区内に侵入させないように北と西側に高垣をはりめぐらせました。季節ごとに変化する「風」を取り入れたり、遮ったりとコントロールしながら、街全体の風環境を整えました。



建物内に風の流れをつくるパッシブデザインを用いて住戸プランを計画。風環境の良い場所にリビングダイニングを配置したほか、ウィンドキャッチャーの縦すべり出し窓で外壁に沿って流れる風を住戸内に取りこみ、吹き抜けやリビング階段を通して1階からトップライトに排熱させるなど、住戸内の風の流れをデザインしました。


計画した住戸プランで、計画通りに風が取り込めるか、そのときの温熱計画は快適か、これらを確認するため、1棟毎に風況・温熱シミュレーションを行ないました。より良い内部の風環境を作り出すため、シミュレーションとプランニングを何度も繰り返し、断面計画の調整や窓位置・樹木配置の調整を行ないました。
例えば、街区の風況シミュレーションにて南南東の風が多いとの結果を得た夏の午後の場合、LDKにはリビング南側の掃出窓横の中木(ウィンドキャッチツリー)により取込まれた風が建物北側へと抜ける様子が確認できました。
自然の風を活かして最上階の熱気を排出する技術「涼なび」を開発しました。「家の作りようは夏を旨とすべし」と言われた日本古来の民家の知恵を、現代の高断熱高気密住宅で実現。自然の力(パッシブ排熱)と機械の力(アクティブ排熱)を併用して最上階に溜まる熱気を排出する技術です。冷房が必要な時間が約半減し、できるだけエアコンに頼らない、「人・住まい・地球に優しい暮らし」をサポートします。

夏と冬で上手に日差しを調節し、住宅の省エネ性をさらに高める省エネ技術「遮熱スクリーン」を開発しました。夏を快適に過ごすためには窓からの日差しを防ぐことが重要。日差しを遮ることで、室温を約2℃程度低くすることができます。逆に冬には窓から日差しが差し込めば部屋を暖めてくれます。太陽の熱、自然を上手に調節することで、快適でエコな暮らしが可能になります。

遮熱スクリーン
(窓の外側に設置)

スクリーンなしの場合は、窓からの日差しの影響をうけて、窓まわりの室温が上がっているが、スクリーンありの場合、その影響はほとんどない。
当社では豊かな生態系に配慮した街づくりを通して、快適な環境の創生に取り組んでいます。2008年3月に街開きを迎えた「レイクタウン美環(みわ)の杜」(越谷市)では“生態系の環”をコンセプトの1つに、地域適合種の採用や小動物との共生に配慮しました。
街の随所を飾るコンセプトツリーには在来種であるソヨゴ(冬青)を選定するなど、植栽の選定にあたっては、できるだけ地域の風土を考慮した樹種を用いました。
野鳥・昆虫・蝶などの小動物が集まる樹木をバランスよく配したり、小鳥たちの水浴び用にバードバスを設置するなど、地域の生態系に配慮しました。



当社では、良好な周辺環境の育成には地域コミュニティの形成が不可欠と考え、分譲地には「緑のたまり」となる自然豊かなコミュニティスペース(公園など)を積極的に配置しています。「緑のたまり」は、各家庭の庭づくりの拠点となり、「人と人」・「人と自然」を結びます。緑を育む街づくりを通じて、コミュニティ形成のきっかけとし、住まい手とともに、継続的な街づくりを行っています。




