世界の環境共生住宅

第10回 岩窟(がんくつ)の家〜トルコ中央部

カッパドキア地方

 カッパドキア(ラテン語)とは、トルコの首都アランカ南東にあるアナトリア高原の火山によってできた台地のことをいいます。この台地には尖塔のような形の岩やキノコのような形の岩など奇妙な形の岩が無数にそそり立っています。
 これは約6000万年前のエルジェス山などの大噴火によって火山灰や溶岩が何層にも積み重なった台地が長年の風雨によって浸食されたものです。キノコ型の奇妙な形の岩は、キノコの傘にあたる部分が玄武岩など硬い岩で、その下が柔らかい凝灰岩でできています。軟らかい部分だけが削られ、キノコ型や円錐形の奇山ができたのです。


トルコ カッパドキア




トルコ カッパドキア

岩窟(がんくつ)での生活

 石器時代から青銅器時代にかけて、この地方の人々は柔らかな凝灰岩を掘って、その中に住んでいました。また、3世紀になりローマ帝国のキリスト教への迫害が激しくなると、その迫害を逃れるために多数のキリスト教徒もこの地に住むようになりました。
 彼らは地元の住民と同じように、そそり立った岩を掘り、そこに住居や聖堂を作りました。カッパドキアのギョレメ渓谷には360以上もの岩窟聖堂や岩窟修道院が今も保存状態よく残っています。



地下都市の始まり

 11世紀頃からこの地方のイスラム化が進み、この地方のキリスト教徒は、イスラム教徒の迫害から逃れるために、地下に潜って生活することを始めました。地下に作られた隠れ家は次第に拡大し、巨大な地下都市になっていきました。
 地下都市は深いうえに通路が入り組んでおり、都市と都市とを結ぶ通路も作られていました。通路には大きな円盤状の扉が発見されており、敵が侵入して来た場合に、扉を転がして通路をふさぐ仕組みになっていました。カッパドキアには有名なカイマクルをはじめ、36もの地下都市が発見されています。


写真は当社総合技術研究所の
展示模型




写真は当社総合技術研究所の
展示模型

アリの巣のような快適地下住居

 現存する地下都市の中で最大規模のものは、「カイマクル地下都市」といい、地下8階(約70〜80メートルの深さ)まであります。
アリの巣のように掘られた地下都市は、一年を通じて室温が15℃前後に保たれているため、食料を保存しやすく快適に過ごすことができます。また、内部には台所や食堂、ワイン貯蔵庫、学校、教会などがあり、それぞれが狭いトンネルでつながっています。
 これらの地下都市では内部に外気を取り入れるため、都市の中心を地上から最下層まで、まっすぐ通気孔が掘られています。そして最下層の地下水とつながり、井戸としても利用されていました。


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