
大和ハウス > いきいきTOP > 第2次審査結果発表「建築設計の部」


【高齢者と家族の部】(第1次審査のみ)の入賞者は第1次審査結果発表ページをご覧ください


受賞作品 1m+1mの[歩育空間]
受賞者 竹内 正明
この提案は高齢化がすすむ郊外住宅における、家と家の隙間を利用し、安心して歩くことのできる道づくり(歩育空間)の提案です。建築協定が生み出した壁面後退に着眼し、境界線から建物を1m後退することによって生まれた余白の空地、1m+1mの幅から繰り広げられる路地空間は歩く道としてデザインされています。子どもや老人が散歩することで近所の人と出会い、心のふれあいを育んでいく。今ある空間を少し変えることで作り出される環境。そこからいきいき居住が生み出される提案が高く評価されました。
(竹原 義二)
![1m+1mの[歩育空間]](images/kenchiku_06.jpg)

子どもと散歩していると、多くのお年寄りの方が笑顔で声をかけてくれます。歩くことで生まれる、この何気ないコミュニケーションがいきいきとした暮らしには必要と感じていました。そこで、このようなコミュニケーションが必然的に起こり得るスケールとして、「1m+1m」という空間を提案しました。日々の小さな出来事は、何でもない日常として通り過ぎてしまいがちですが、小さなことの積み重ねに目を向けることが生活を豊かにするのだと思っています。今回、公開審査に参加させていただいたことで、多くの方々から貴重なご意見を伺うことができました。特に審査員の先生方のご意見は本当に参考になりました。また、他の入賞案からも多くの刺激を受けました。最後に、作品制作にあたってご協力いただいた方々に感謝します。みなさん、ありがとうございました。

受賞作品 おばあちゃんの散歩道
受賞者 礒部 絵理 / 田中 未香
とても素敵なおしゃれな絵です。散歩道のそこここには腰掛があったり、ギャラリーがあったりおばあちゃんの散歩道ライフはいろいろの仕掛けがあって退屈しません。イメージはまるでヨーロッパの人物のようですね。ゆったりとすごす環境のなかに、もう少し緑や花や、犬や猫など、生命感のあるものがあったり、すこし、お仕事をするおばあちゃんがいると、もっと、よかったとおもいます。
(有村 佳子)


高齢化が進む中、これからのまちに必要なものは、人と人との接点を生む場所だと考えます。まちのなかに、ちょっと腰掛ける場所や、突然の雨がしのげる場所といった「人のとどまる場所」を取り入れていくことで人と人との接点が生まれます。そんな場所を建築で生み出すことはできないかと考え『壁』をキーワードにこのテーマに取り組みました。そしてこれからは、二次審査でご指摘頂いたように、頭の中で留めることなくよりリアリティを追及し、実社会の中でも生かしていけるものにしたいと思いました。
受賞作品 シアワセに縮小する
受賞者 奥田 真里子 / 門野 太一
本作品は高度経済成長期に建設されたニュータウンに対する問題提起です。減築することで新たなスペースを確保し、ここに低層のシニアのための住宅を作り、要介護者を含めた高齢者のリロケーションを進め、他方住民のパブリックセクターを設けることで、ケアを含めた交流を深めていくといった構想です。これは高齢化しているニュータウンでのコミュニティの再生を目指すものであり、高齢者がいきいき暮らすことができるハード面だけでなくソフト面を含めた提案であることが高く評価できます。
(白澤 政和)


高齢化を考える際、欠かすことのできないテーマが、ケアの問題ではないかと思います。具体的な解決策を求めて、千里ニュータウンという最も高齢化と居住が問題になっている場所を選びました。そこは核家族を想定して作られているために、独居老人や高齢者夫婦のように、外部の人の助けが必要な世帯や、アクティブシニアという以前にはいなかった高齢者の層についての配慮が欠けています。そこで、私たちは都市からケアワーカーなどの外部の人たちを引き込み、アクティブシニアには、趣味や仕事ができる部屋を用意しました。アクティブシニアから介護が必要な高齢者まで、その老いていく過程で、それぞれ幸せに暮らすことができる環境を用意することで、将来に明るいイメージを描けることが、いきいき居住なのではないかという考えを表現しました。公開審査の場では、気づいていなかったさまざまな現実的な問題をご指摘頂き、大変勉強になりました。この度は、優秀賞という評価を頂き、ありがとうございました。

受賞作品 みちハウス
受賞者 北沢 諒
高齢社会において郊外の戸建て住宅地は重要課題のひとつで、そこに住む高齢者や近隣の人々をもう一度つなぎ合わせるためのアイデアが求められています。ここでは、塀のある家と家との間に「みちハウス」を提案しています。単に、みちでもなく、いえ(ハウス)でもない。そこに新しさがあります。自宅のリビングのとなりに共用のリビングがある。今までにはないコミュニティ居住が出現しそうなイメージにまとまっています。
(森 一彦)

受賞作品 「融合」から生まれる新たな「いきいき」
受賞者 根路銘 剛次
高齢者がいきいきとする時は、人のふれあいによって生まれてくる。そんな当たり前なことを、高齢者のデイサービスセンターと子供の幼稚園を融合でさせることで実現するという提案です。ただハードとしての施設を併設させるのではなく、建物そのものを遊具化し子供達の遊び場としたり、建物の周囲に菜園を設けたりすることで、高齢者と子供達が活動の中でふれあえる場をソフトとしても提案しているところが評価されました。
(濱 隆)

受賞作品 ヤネバタケ(屋根畑)
受賞者 仁田 宏明
とにかく提案のイメージ図が目を引きます。住宅地に並んだ家の屋上に畑がある・・・何やら温かく、緑豊かで素敵な光景です。従来の新興住宅地にありがちな地域社会のコミュニティが育ちにくい環境を土いじりの趣味を通じて変えていく、それを屋根の畑に凝縮した点は面白いといえます。太陽光を効率的に取り込む家の配置やコミュニケーションを促す仕掛けなどにもうひと工夫欲しいところですが、これからの高齢者のいきいき居住のひとつの形として有効な提案です。こんな家で隣人たちといっしょに好きな野菜や果実を育てて余生を送りたい、そう考える人も多いのではないでしょうか。
(岡田 明)


受賞作品 田舎の種をまきましょう
受賞者 狩野 輝彦 / 北川 裕一郎 / 熊谷 浩太
超高齢社会の到来と共に、日本においては人口減少が進み、一方ではここ数年は世帯数の増加も見込まれています。また、住宅ストックが世帯数を700万世帯以上も上回っている今日、これらの数字から見ても、世帯人員減少、空き家の増加は特に成熟した住宅地において進んでいるといえます。その対応策ともいえる本作品「田舎の種をまきましょう」は、「田舎」というのどかな雰囲気の街並みを、未利用地を利用して再現しようという提案です。未利用地を放置し、「街」の活力をそぐのではなく、それを目的的に利用し、街並みの活力を現し、高齢者も若い世代の人たちも生き生きと生活できる場の提供がその骨子です。そのためには、土地の所有者や自治会、さらに自治体などが協働する必要がありますが、実現可能性が比較的高く、また新たな街並み形成の効果も高い点を評価いたしました。
(総合技術研究所 副所長 有吉 善則)
