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「食べるオイル」で美味しく健康に!

「オメガ3」「オメガ9」などが健康志向の方々の間で話題を集める一方、依然として「太りそう」「カラダに悪そう」というイメージもある油(オイル)。カラダに良いオイルを正しく美味しく摂るにはどうすればよいかを、専門家に伺いました。

まずは、油の正しい知識を知ろう

●「油の不足」は、美容にも健康にも危険!
単なる「カロリー」として考えられがちな油。しかし、食べた油や脂肪分から作られる「脂質」は、カラダの中で驚くほどさまざまな働きをしています。
[脂質のおもな働き]
・血管や細胞膜を作る
・ウイルスや細菌の侵入を防ぎ、免疫力を保つ
・ホルモン(性ホルモン、副腎皮質ホルモンなど)の材料になる
・体を動かすエネルギー源になる
・脳や神経の働きを維持する
・肌や髪を潤す

油を摂らない食生活を送っていると、肌のしわや髪のパサつきといった美容トラブルだけでなく、更年期障害や免疫力の低下、認知症など、健康面でも危険なリスクが…。
摂り過ぎは良くありませんが、ある程度の量を摂り続けていくことはとても大切なのです。

●摂るべき油の種類と性質
油は、脂肪酸(脂質を構成する成分)の構造によって、2つの種類に分けられます。
◎飽和脂肪酸…おもに固形の油
◎不飽和脂肪酸…おもに液体の油
・一価不飽和脂肪酸 ―――オメガ9系(オレイン酸)
・多価不飽和脂肪酸 ―――オメガ6系(リノール酸)、オメガ3系(αリノレン酸、DHA、EPA)

1)飽和脂肪酸
油脂(ラード)、バター、ココナッツオイル、パームオイル など
肉や乳製品など動物性の脂肪。摂り過ぎると、ドロドロ血や動脈硬化の原因になります。
ココナッツオイルは消化吸収やエネルギー代謝が速いので、リスクは低めです。

2)オメガ9系(オレイン酸)
オリーブオイル、アボカドオイル、アーモンドオイル、米油・キャノーラ油(菜種油)など
抗酸化作用が強く、適量を摂ればLDL(悪玉)コレステロールを下げる効果があります。熱に強いので、加熱調理をしたい時にはこの油がお薦めです。

3)オメガ6系(リノール酸)
ごま油、コーン油、大豆油、グレープシードオイル、綿実油、パンプキンシードオイル など
体内で作ることができない「必須脂肪酸」が含まれています。適量を摂れば動脈硬化の予防につながりますが、菓子類やドレッシング、揚げ物など多くの市販品に使用されており、過剰摂取になりがちです。

4)オメガ3系(αリノレン酸、DHA、EPA)
亜麻仁油、エゴマ油、インカインチオイル、まぐろ・さばなどの魚介類 など
こちらも「必須脂肪酸」が含まれており、中性脂肪やLDLコレステロールを低下させてくれます。意識して摂らないと不足しがち。魚介類以外の油は熱に弱いので、加熱せずに食べましょう。

オメガ6系とオメガ3系はともに「必須脂肪酸」を含みますが、現代の食生活ではオメガ6系の油が多く使われるため、どうしても過剰摂取になりがちです。飽和脂肪酸とオメガ6系を控えめにし、オメガ9系とオメガ3系を使うようにすれば、バランスのよい摂取ができます。

●注意したい「トランス脂肪酸」
最近よく話題になる「トランス脂肪酸」は、不飽和脂肪酸の一種。
・マーガリン、ショートニング、コーヒーミルク ・冷凍唐揚げなどの揚げ物
・クッキーなどの菓子類 など、食用油脂に水素を添加して作られる製品や高温処理で作られる食用油、またはそれらを使った食品に多く含まれています。
欧米では、トランス脂肪酸に関する研究が進んでおり、摂り過ぎると
心臓病/がん/高血圧/糖尿病/肥満/認知症/うつ病 などの病気にかかるリスクが上がるといわれています。
アメリカでは2018年にトランス脂肪酸の食品添加が禁止。また、デンマーク、韓国、スイス、オーストラリア、カナダ、シンガポール、フランスなど諸外国でも規制や表示の義務が進んでいますが、日本は対策が遅れているのが現状。食品表示を確かめ、なるべく摂らないよう気を配りましょう。

自分に足りないオイルを、正しく美味しく取り入れるには?

2)どんなオイルを食べればいいの?という方は、普段自分が食べているものを見直しましょう。

◎オメガ9系がお薦めなのは…
スナックやクッキーなど、菓子類を多く食べる方
スナック菓子には、オメガ6系や動物性の油が多く使用されています。お料理の時は、加熱もできるオメガ9系のオリーブオイルなどを揚げ物や焼き物、炒め物に使いましょう。

レトルト食品を良く食べる方、外食が多い方
動物性の油やオメガ6系の油の摂取が多くなりがち。外食の際はオリーブオイルを使うイタリアンの店や、魚が食べられる定食屋へ。レトルトでも魚を使った食事を摂るようにしましょう。

◎オメガ3系がお薦めなのは…
パンにバターやマーガリンをぬってよく食べる方
バターやマーガリンの多用はLDLコレステロールを増やし、動脈硬化などのリスクを高めます。他にオイルを使う時は、LDLコレステロールを減らしてくれるオメガ3系を。

パスタなど、イタリアン系の食事をよく食べる方
イタリアンは、オリーブオイルなどオメガ9系を摂りやすいメニュー。他の食事の時にオメガ3系を摂るようにすると、バランスよく不足分を補うことができます。

◎オメガ9系と3系、両方お薦めなのは…
サラダをよく食べる方
ドレッシングに使用される油は、オメガ6系を使用している場合がほとんど。オメガ9系や3系を使ったドレッシングを手作りすることで、美容と健康効果がUPします。

もちろん、オイルの摂り過ぎは肥満の元。今までのオイルの代わりにオメガ9系、3系のオイルを使うなど、分量を増やしすぎず上手に取り入れていきましょう。

●オイルを使う時の注意点
開封から酸化が進むオイル。なるべく劣化させない、劣化したものを食べないことが大切です。
◎オメガ3系は熱、光、空気に弱いので、遮光瓶に入ったものを選び、しっかり蓋をして冷蔵庫で保存を。加熱調理には使わず、開封後1~2か月で使い切りましょう。
◎オメガ9系のオイルも光に弱く、遮光瓶のものが安心です。開封後は冷暗所で保管を。
◎オメガ9系もオメガ6系も、開封後2~3か月で使い切れる大きさのものを選びましょう。

●オイルを使ったレシピ2選
オイルを美味しく摂れる、かんたんレシピを2点ご紹介します。

★苺とチーズの前菜
[材料/2人分]
クラッカー…4枚
苺…2個(お好みのフルーツでも)
ミント…1本
A [クリームチーズ…60g、はちみつ…小さじ2、アーモンドオイル…小さじ1]
[作り方]
①Aをよく混ぜ合わせる。
②苺はへたを取り、半分に切る。
③クラッカーに①をスプーンでのせ、苺を添えミントを飾る。

★ロミロミサラダ
[材料/2人分]
玉ねぎ…¼個
レモン汁…大さじ2
A[サーモン(刺身用)…40g、トマト…½個、きゅうり…½本、パプリカ…¼個]
B[アボカドオイル…小さじ2、レモン汁…小さじ¼、塩・胡椒…少々]
[作り方]
①玉ねぎを粗みじん切りにし、レモン汁に10分つけておく。
②Aをそれぞれ1.5㎝角に切る。
③ジッパー付きの袋に①②を入れ、Bを加えて揉みこむ。
1時間冷蔵庫に入れて味をなじませ、器に盛り付ける。

将来の健康と美容のために、フレッシュな状態のオイルを摂るよう心がけてくださいね。

金子 あきこ

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