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インテリアトレンドから見る、新たな明かりの取り入れ方

楽しくくつろげる空間を彩るために欠かせないのが、明かりによる演出。明かりを取り入れる上で知っておきたい昨今のトレンドと、具体的な演出方法を専門家に伺いました。

トレンドから読み取る、いまの「明かり」とは?

●印象的な空間をつくる「一室多灯」
インテリアとしての明かりを考える上で、今やベースとなっているのが「一室多灯」。
天井に直付けする「シーリングライト」や、天井に埋め込み下方を照らす「ダウンライト」、天井から吊り下げる「ペンダントライト」、別置きする「フロアライト」「テーブルライト」など、一つの部屋に複数の明かりを配置し、陰影によって印象的に演出する考え方です。
マンションでも、シーリングライトとダウンライトが併設していたり、室内下部に間接照明が設置してあるなど、多灯を意識した物件がかなり多く誕生しています。 一室多灯のよい点は、ともす明かりを変えることで、シーンに合わせた部屋の使い分けができること。

例えばリビングなら、お子さんがテレビを見たり宿題をする夕方には昼白色のシーリングライト、ゆっくり過ごしたい夜には電球色のペンダントライトやフロアライトをつければ、目的に合った雰囲気を演出することができます。また、色や明るさを変えられる「調色・調光」機能のあるLEDの明かりも数多く登場しています。スイッチやリモコンで昼白色/電球色に切り替えたり、明るさの変化や消灯時間をタイマーで設定できるなど、さまざまな機能がありますので、そちらを合わせて取りいれると、一つの明かりでより多彩な演出ができるようになります。
(2章では、具体的な組み合わせ方法をご紹介します)

●人気の「インダストリアルデザイン」
インテリアのトレンドといえば、工場(インダストリー)をイメージさせる、機能的で男前なフォルムの「インダストリアルデザイン」。話題のカフェやショップでも、ざらつき感のあるダークブラウンの木目に黒いアイアンやメタリックな素材を組み合わせた空間によく出会います。明かりでも、すこし錆びたような風合いや、黒・シルバーなどの金属質、硬質なライトが人気。ニューヨークのブルックリンや、西海岸風のインテリアがお好みの方にはおすすめです。また、ここ最近の海外トレンドでは「スケールアウト」といって、あえて大きめなサイズのフロアライトを飾り、そこにフォーカルポイント(視線が集まる場所)をつくる提案も増えているとか。お部屋のアクセントに、大きめのものを加えてみてはいかがでしょうか。
お部屋の雰囲気を変える素敵な明かりを探すなら、次の2ブランドがおすすめです。
◎louis poulsen(ルイス ポールセン)北欧・デンマークの照明ブランド。王道の美しいフォルムで、世界の照明デザインに多大な影響を与えています。
◎Tom Dixon(トム ディクソン)イギリスのインテリアブランド。人と違うもの、エッジの効いたものがほしいという方におすすめしています。

●災害に備える明かり
地震などの災害が多発する昨今、インテリア全体でも防災を考慮した動きが増えてきました。
照明においても
・フロアライトは倒れにくいものを選び、避難導線を妨げない場所に置く
・揺れるライトは震災時にぶつかり合わない間隔で配置する
・夜中にすぐつけられる手元の明かりを用意する
など、さまざまな対策が必要となっています。また、足元灯や壁に取りつけるブラケットライトを設置するご家庭も増えてきていますし、懐中電灯代わりになる充電式の足元灯や、紙や布など軽い素材を使ったライトなど、安全を考慮した商品にも注目が集まっています。デザイン性のある商品も多く揃っていますので、目的に合わせて選びましょう。

お部屋別・素敵な一室多灯のポイントは?

一室多灯のポイントは、デザイン性のある明かりを1点投入したら、あとはシンプルに抑えること。一室多灯をおすすめしたいお部屋と、その方法をご紹介します。

●エントランス(シーリングライト+スポットライトなど)
お客様が最初に訪れる空間。電球色のシーリングライトを使うと、暖かくウェルカムな雰囲気が生まれ、顔色もよく見えます。また、絵や置き物など見せたいフォーカルポイントをライトアップする明かりを足すと、より華やかな空間に。マンションの設備で間接照明などがある場所に飾ってもよいですし、後置きでテーブルライトを設置してもよいでしょう。

●リビング・ダイニング(シーリングライト+フロアライト+ぺンダントライトなど)
最も一室多灯に向いている場所。家族やお客様が集まるシーンに合わせて、明るく活動的な空間にする/程よい暗さを楽しむ、とメリハリがつけられます。設備の明かりが少ない場合は、フロアライトやテーブルライトを家具としてプラスしましょう。飾った絵や小物をライトアップしたい時は、ライティングダクトレールがおすすめ。レール状になっている照明器具で、スポットライトやペンダントライトをお好きな間隔で取り付けることができます。最近では一般の方でも付けられるものが増えていますが、ちょっと不安…という場合は、販売ショップやお近くの電気店などに相談をしてみてください。

また、ぜひ取り入れていただきたいのが、ダイニングのペンダントライト。特にリビングとダイニングが繋がった間取りでは、デザイン性のあるペンダントライトをテーブルの上に配置すると、素敵な空間のアクセントになります。配線がない場合は、前出のライティングダクトレールなどを利用して。大きなものを一つなら「スケールアウト」で存在感がありますし、小ぶりのものを2、3灯つけるとリズムがでて華やぎます。リビングの天井には昼白色のシンプルなシーリングライト、電球色のフロアライトを置き、ダイニングに電球色のペンダントライトを配置。夜にはフロアライトとペンダントライトだけをつけるのも素敵です。ペンダントライトはテーブルの面から65~85cmの高さに配置すると、いただく食事や人の顔が最も美しく見えます。慣れないと下過ぎるように感じる方も多いですが、あまり上にしてしまうと光が拡散し、せっかくの効果がなくなってしまうので注意しましょう。

●キッチン(シーリングライト+ダウンライトなど)
キッチンも、リビング・ダイニングと繋がっているオープンタイプの間取りが多くなってきました。天井の明かりは昼白色のシーリングライトがおすすめですが、手元を照らすダウンライトがリビング・ダイニング側に向いている場合は、ライトを電球色にすると、空間を美しくつなげることができます。

●ベッドルーム(フロアライト/シーリングライト+テーブルライト)
ホテルの部屋がお手本。フロアライトがあれば、休む空間の光量としては充分ですが、必要であれば電球色のシーリングライトを天井に。また、ダウンライトを設置できる場合は、直接顔に当たらないよう、足元の方に左右2灯つけると落ち着きます。そして、いずれの場合にも用意したいのが、読書などにも使えるテーブルライト。起きてすぐつけられるような場所に配置してください。引っかけなどが怖い場合は、工事が必要になりますが、サイドテーブルのすこし上あたりの壁面にブラケットライトをつけると安全です。また、夜中に起きた時のために、ベッドルームや廊下には、センサーで人を感知して光る足元灯などをつけておくと便利です。

●キッズルーム(シーリングライト+デスクライト+テーブルライト)
勉強と睡眠、2つの用途に合わせた明かりを設置したい空間です。天井には昼白色のシーリングライト、勉強机には目に優しい昼白色のライトを。そして、眠りにつく時のために、目に優しい穏やかな電球色のテーブルライトなどを枕元に置きましょう。また、お子さんが小さいうちは、コンセント差し込み型のライトなどを足元灯としてつけておけば、夜中起きた時などにも安心です。

LED技術の進歩により、明かりも実にさまざまなデザインや用途が楽しめるようになりました。
ただ、中にはもちろん知識や技術が必要になる場合もあります。そんな時には専門家を頼っていただきながら、楽しく明かりを選んでいただきたいと思います。

荒井 詩万

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