2025年1月に完成した、地上7階地下1階建/全150邸の「プレミスト千葉公園」。公園に隣接する豊かなロケーションを活かし、新しいライフスタイルの中で失われた感性やぬくもりを取り戻すという試みが、多くの方々の共感を集めました。第1回目は「プレミスト千葉公園」が掲げたコンセプトについて、企画担当者の伊藤がお伝えします。
進化を続ける千葉公園と共に、新たな歴史を刻む
千葉県の県庁所在地である千葉市。官公庁や商業施設が集まる中心部エリアから徒歩10分圏内にある「千葉公園」は、昭和24年(1949年)以来、市のセントラルパークとして住民に親しまれてきた場所です。約16haの敷地内に、水や緑の美しい自然と、屋外プールや体育館などのスポーツ施設を有する総合公園。さらに2021年のTIPSTAR DOOM CHIBAを皮切りに、2023年にはYohasアリーナ(千葉公園総合体育館)、2026年には芝生広場などが新装し供用開始。周辺にも複合施設や飲食店が誕生し、魅力あるスポットとして新たな賑わいを見せています。
千葉公園に隣接する「プレミスト千葉公園」の開発が始まったのは、公園エリアの再開発と時期が重なる2021年。
伊藤:「企画担当になり、公園の緑量をどうマンションに落とし込んでいこうかとワクワクしたのを覚えています。周辺ヒアリングの中で「公園内の施設や広場が新しくなり、人通りが増えてさらに安心して過ごせるようになった」という声を住民の方から多くいただきました。「こんなマンションを計画している」とお伝えすると、「公園に隣接するマンションはとても良いと思う」というお言葉をいただき、これから地域を盛り上げていくことができる大変良いタイミングで、開発を進めることができました」
計画地となったのは、移転先が決まった「千葉縣護国神社」の跡地。
伊藤:「護国神社は七五三や結婚式などのイベントで多くの方が訪れ、散歩先としても愛されていましたが、擁壁が高く植栽が鬱蒼と茂り、少し怖いイメージを持たれることもあったようです。新しく計画する本マンションは、街に開放感を与えられるような外構計画としたことを評価していただき、周辺からもマンションの計画を歓迎していただけました」
この物件が初担当となった伊藤。胸に刻んでいたのは、「物件のコンセプトをしっかりと持つ」という上司の教示でした。
伊藤:「そのための準備として、まずは周辺調査から始めました。千葉市の図書館に通って歴史の本を調べたり、千葉県・千葉市の人口動向など基本的な情報を集めたり。ほぼ毎週現地に行って通行する方の年代層や車種などを調べ、また分譲マンションを供給する他社やグループの賃貸物件管理会社などからターゲット層をヒアリングして、具体像を絞り込んでいきました。そこから乳幼児ファミリー、2人家族、シニア家族などの家族スタイルと、官公庁や医師、大学関係者の方をターゲットに想定して計画を進めました」
調査から伊藤が導き出したコンセプトは「感性を育むマンション」。
伊藤:「このエリアは千葉公園に加え、千葉市中央図書館や大学、学習塾など学びの場が多い文教地区。体力づくりができる=「体を育む環境」と、知性が養われる=「心を育む環境」を備えています。公園に寄り添うこのマンションで、さらに感性を育むような企画ができれば、住まう方の人生がさらに豊かになるのではないかと思いました。また「感性」というものは、幾つになっても学び続けることで育てられるということを知り、老若男女関係なく「五感」の力を伸ばしていただけるような仕掛けを創ろうと考えました」
また2021年はコロナ禍の最中で、マンションの在り方が改めて問い直された時期でもありました。
伊藤:「新しいライフスタイルの中で必要とされてきた、テレワークやおうち時間の過ごし方といったテーマを、このマンションにも落とし込みたいという気持ちがありました。ただ当時竣工していたマンションは全てコロナ禍以前に計画されたもので、完成した事例はなかったのです。そこでホテルやリゾートなど、別のカテゴリの建築物からインスピレーションを得て、ちょっと遊び心があるような企画を取り入れながら、この物件で何ができるのか?何が求められているのか?を問い続けました」
公園の景観と溶け合う「杜の中の邸宅」
「プレミスト千葉公園」は東・南・西の3棟構成。各棟が個性を放ちつつも一体となって、公園の緑に寄り添う佇まいを見せています。
最も意匠にこだわったのが、南棟のコーナーサッシ。
伊藤:「このコーナーサッシは、JR千葉駅から歩いてくると最初に目に入ってくる場所です。美しく見えるように何度も自分でスケッチを描いて設計会社にイメージを伝え、形状や角度を調整しました。この地の歴史を検証する一つとして、護国神社の「格子」を要素にデザインしています」
伊藤:「建物は、公園に溶け込みつつもランドマークとして際立つよう、色のトーンを少し落としてグレイッシュなイメージにしています。また、最上階はガラスをグレーに、そして軒裏の色を深いブラウンにして上部に重みを持たせ、邸宅としての重厚感を出しました。外観全体が単調とならないよう、マリオンを入れたりガラス手摺のデザインを変えて分節しました。また3棟共通のデザインとして、各棟のコーナーのガラス手摺は同じデザインとし、一体感を持たせました」
68%の住戸でガーデンビューを実現したプレミスト千葉公園。南棟と東棟は千葉公園に直接面しており、中でも東棟は、全室から公園のお花見広場が一望できる景観の良さが特徴的です。
伊藤:「東棟の真中にはブラウンの横ルーバー手摺を配置し、隙間がありながら外から目隠しになるようにしています。バルコニーでも人目を気にせずくつろいでいただけるよう、公園の風や心地よさが抜けていくようなデザインにしました。妻側は、サッシの幅に合わせ色分けをし、陰影が出るよう約30㎜の段差をつけ、建物の表情がよりこまやかに出るよう工夫いたしました」
エントランスへ続くアプローチは勾配とクランクを施し、プライバシー感を持たせながら優雅な雰囲気に。
伊藤:「当初の計画では妻側から直接入っていく形でしたが、入口位置を変え弧を描くような動線としました。アプローチ部分に引きを持たせゆとりある空間としたかったこと、また乳幼児ファミリーのご入居を想定して、小さなお子様がすぐに道路に飛び出さないよう、道路までの距離を長く取りたかったのが理由です」
西棟のサブエントランスには、カーエントランスを設置。
伊藤:「機械式駐車場のレイアウトを車を出しやすい配置に整え、順路に車寄せ風のデザインを作成しました。サブエントランス入口には、「格子」のデザインを組み合わせた館銘板を配置し、ゲートのような演出を施しました」
「格子」のデザインは、マンション内外のさまざまな個所にちりばめられています。
伊藤:「エントランスホールやサブエントランスホールのガラスや壁面、また1階と地下1階の中庭部分にも、敷地全体のアクセントとして格子の線を入れています。なかなか気づかれない部分ではありますが、隅々まで統一感を持たせるよう留意しました」
公園の緑を繋ぐことができるよう、外構計画にもこだわったという伊藤。
伊藤:「感性を育むというコンセプトに則り、五感を刺激する仕掛けが随所で見られる庭を目指しました。設計事務所の植栽担当の方にご協力いただき、四季を愉しめるもの、ちょっと面白く変わったもの、遊び心がくすぐられるもの、というオーダーに合った樹種を数多く選定していただきました。桜や紅葉は数種類を組み合わせ、例えば桜なら4月に咲くものと5月に咲くものを入れて、開花時期を長く楽しんでいただけるようにしています。またバードパスやレインガーデンを設置し、野鳥のさえずりや水の流れる音が心地よい空間を作りました」
緑の環境の中で感性を育む「プレミスト千葉公園」。次回は「公園の緑を引き込み、息吹を感じる居住空間」についてお伝えします。
(第2回へ続く)