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PREMIST Life
~ おもちゃの魅力を引き出すカギはコミュニケーション ~

「子どもにおもちゃを渡すことが、『忙しいから一人で遊んでね』とか、『騒がないでおとなしくしていてね』、というメッセージになってはいませんか。ときにはそういう場面があってもよいのですが、おもちゃは誰かといっしょに遊んでこそ、楽しさが広がります」。と話すのは東京おもちゃ美術館内赤ちゃん木育ひろばの石井今日子さん。新しいおもちゃを探さなくても、子どもが目を輝かせるおもちゃはもう家にあるかもしれません。私たち大人の遊びへのかかわり方を考えてみましょう。

すごろく、オセロ、将棋。おなじみのゲームは子どもの発達に寄り添っています。

子どもが最初にできるようになるゲームはすごろくでしょうか。サイコロを振って出た数だけマス目を進めるのですから、大人も子どもも関係なく運だけで勝ち負けが決まります。もう少し大きくなると、オセロができるようになりますね。ルールはごくシンプルですが、奥が深いゲームです。角をとったり、相手の手を予想したり、コツを覚えれば、大人ともよい勝負ができるようになります。ゲームは大人や友だちと同じ土俵に立って、喜んだり、悔しがったりするのが醍醐味です。東京おもちゃ美術館でもゲームに負けた子どもがよく泣いています。パソコン相手に負けてもそこまで悔しくない。人との触れ合いから得られる実感はそれだけ大きく貴重なのです。
 
小学生くらいになると、もっと頭を使うゲーム、たとえば将棋などにチャレンジできます。頭脳勝負ですから、うんうん唸りながら戦います。そして最後は自分から「負けました」と頭を下げて勝負を終えます。ルールという秩序のある世界で、自分がどう振る舞えばよいのか、負けたときはどう心を立て直したらいいのかを、子どもはゲームを通して学んできました。そのとき子どもが夢中になるゲームには、いまその子の発達に必要な要素がきちんと含まれているのですから、遊びの世界は本当にすごいなあと感心します。

おもちゃから生まれる物語。主人公は子どもと大人です。

どんなにたくさんおもちゃが並んでいても、ただ放っておくだけでは子どもはすぐに飽きてしまいます。東京おもちゃ美術館には、おもちゃ学芸員というボランティアスタッフが常駐しています。シニア世代から学生まで、お手玉名人がいたり、ボードゲームの達人がいたり個性豊かです。みなさん、子どもがおもちゃに夢中になるスイッチを押すのがとても上手です。「わあ、すごいねえ」「ここにつみ木を並べてみようか」「強そうな怪獣をつくってみようよ」。大人がよいタイミングで声かけをすると、子どもはうれしくなって、どんどん遊びの内容が濃くなっていきます。
 
見立て遊びやごっこ遊びには必ず物語が生まれます。トラックの荷台につみ木をのせて運ぶ「Tuminy」というおもちゃは、小さいお子さんにとても人気があります。ここでも遊びを盛りあげるのは大人のかかわり。ただ荷物を運ぶだけではなく、「晩ごはんのお野菜届けてくださいな」と注文して、届けてもらったら「どうもありがとう。ハンコをペタッ」と子どもの手に押す真似をしてあげたりすると、子どもは大興奮です。おもちゃを通して子どもは、大人の世界を探検したり、ちがう自分に変身するのでしょう。みなさんも子どもといっしょに物語の主人公になったつもりで、存分におもちゃの世界を楽しんでください。

【東京おもちゃ美術館 おすすめのおもちゃ】
石井 今日子

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