翻訳家・ナチュラルライフ研究家。ローガン『天使は清しき家に舞い降りる』(集英社)の翻訳出版がきっかけになり、天然素材を用いたシンプルな家事に目覚める。その後、日本の風土や生活に見合った安全で手軽にできる掃除を提唱した『ナチュラル・クリーニング』(ブロンズ社 2002年)を上梓、話題を呼ぶ。
「リフォームをした、というと必ず聞かれます。『どこをリフォームしたの?』って。だから屋根と床と窓、と答えると、ほとんどの人が???という顔をするんです」
たぶんそうだろう。リフォームと聞けば、キッチンやリビング、バスルームを連想するし、新しくきれいに生まれ変わった状態を想像するのが普通。
「だから我が家を見ると驚くんでしょうね。外観もそのままだし、新しいキッチンにも変わってないし、ちょっと見ただけでは何をリフォームしたのか分からないから」
佐光さんが行ったリフォームは、これまでのリフォームとは、発想も、目的も、大きく違っている。「古くなったから新しくしようと思ったのではないんです。見た目じゃなく、この家で暮らす私たち家族がからだで感じる住み心地を変えたかったんです」
住み心地を変えるためのリフォームと聞けば、なるほど、と納得してしまいそうだが、住み心地 を変えるために、いったい何を、どう、変えればいいのだろうか。
「私、もともと冷え性で、エアコンが苦手なんです。でもだからといってエアコンを使わず、じっと暑さを我慢するのも無理な話で。しかたなく仕事部屋だけエアコンをつけて仕事をしていると、3人の子どもたちはみんな涼しい部屋に集まってくる」もう子どもたちも小さくはないし、そんな3人が狭いひと部屋にひしめき合えば、イライラがつのるのだと、佐光さん。「でも、すべての部屋をエアコンで冷やせば電気代もバカにならないでしょ。だからあまりお金を使わず、みんながそこそこ涼しく快適に、できれば1カ所に固まらず気持ちよく暮らせるようにするにはどうすればいいか、考え始めたんです」
佐光さんは、重曹やクエン酸を使うナチュラルクリーニングでブームを作ったナチュラルライフ研究家。すぐに業者さんには頼まず、まず自分で家を見直すことから始めたという。それが、佐光さんが提案するリフォームへのプロセスの第1ステップ。「夏ならば、特に暑い部屋はどこか、直射日光や西日が当たる部屋はどこか、家具の配置は風が通るようになっているか。冬ならば、どこからすきま風が入ってくるのか、日当たりのいい部屋はどこか、居室間の温度差はどれくらいか、1日の温度変化はどうか。実際に調べてみると、思わぬ発見がきっとあるはずです」

夏にはやさしい風を届け、冬は逆回しで暖気を対流させてくれるシーリングファン。

窓から室温が逃げるのを効果的に防ぐ蜂の巣状になったハニカムブラインド。





