「スマートで安全な物流」の実現のために。
「第4回 大和ハウス工業 スマートロジスティクス オープンデータチャレンジ」の表彰式が開催されました。
2023/11/24

2023/11/24
2023年11月1日、コングレスクエア羽田にて、「第4回 大和ハウス工業 スマートロジスティクス オープンデータチャレンジ」の表彰式が行われました。
「スマートロジスティクス オープンデータチャレンジ」とは、実際の物流システムにおけるデータを公開し、デジタル技術を用いた新たなサービスやアプリケーションの提案を広く募集するもので、最優秀賞:200万円、優秀賞:50万円、特別賞:30万円を提供するコンテストです。
今回の表彰式では、審査員長の坂村 健様(INIAD(東洋大学情報連携学部)学部長、YRPユビキタス・ネットワーキング研究所 所長)(当日は代理人が出席)、審査員の浦川 竜哉(大和ハウス工業株式会社 常務執行役員)、佐藤 清輝様(ロジスティード株式会社 専務執行役員 営業統括本部長)、秋葉 淳一(株式会社フレームワークス 会長)、加藤 篤史様(羽田みらい開発株式会社 SPC統括責任者、鹿島建設株式会社 開発事業本部 事業部長)をはじめとして多くの関係者が出席。
最優秀賞に選ばれた「SSCV® アシスト for Manager」ほか、優秀賞3点、特別賞1点が選出されました。
会場となったコングレスクエア羽田は、「天空橋」駅から直結の「HANEDA INNOVATION CITY」内にあり、この施設は新たなビジネスやイノベーション創出の拠点となることを目指すスマートエアポートシティとして開発されました。羽田空港、JR「品川」駅からの交通アクセスも申し分なく、新たなビジネスの拠点として注目されています。
大和ハウスグループでは、実在する物流施設の実績データを使用したロジスティクスデータ活用コンテストを2016年より開催してきました。
第1回は、「物流オープンデータ活用コンテスト」として、株式会社フレームワークスの物流システムに関連したデータをオープンデータとして公開し、IoT時代における物流への新提案を広く募集。第2回は、「次世代ロジスティクスオープンデータ活用コンテスト」として、「ビジネス部門」「AI部門」「研究部門」の3部門について、さまざまなアイデアを募集しました。
第3回は、「物流ロボットプログラミングコンテスト」として、大和ハウス工業の物流センター「Intelligent Logistics Center」の実績データを使い、物流ロボットを最適に動かすプログラムを広く募集しました。
いずれの回も、多くのご応募をいただき、実績データを活用して、ソリューションを生み出すという新たな取り組みに賛同いただきました。
そして、2023年「第4回 大和ハウス工業 スマートロジスティクス オープンデータチャレンジ」として、実績データには、ロジスティードの安全運行管理ソリューション「SSCV®-Safety」から得られる実際のデータを提供。「SSCV®-Safety」とは、スマートで安全な物流を実現し「事故ゼロ」を目指すソリューションで、本コンテストでは、「SSCV®-Safety」から取得した実在のトラックの位置情報やトラックドライバーのバイタルデータ、さらにはヒヤリハットに関するデータと、その時の映像を応募者の皆様に公開しました。
どれだけ物流業務の自動化が進んでも人の介在は確実に残ります。2024年問題を控えた物流業界では、物流業務に携わる人の健康は非常に大切なテーマです。2023年は人の健康に着目し、ロジスティードの「SSCV®-Safety」データを提供いただくことになりました。また、大和ハウス工業のDPLサービスコンテンツのメニューのひとつとしても、「SSCV®-Safety」の導入を進めています。
物流業界は、刻々と変化しています。特に現在は2024年問題が叫ばれており、働き手不足は、ほとんどの物流企業が抱えている問題です。そこで求められている最大のソリューションは、自動化やロボティクスなどによる省人化、省力化です。
また、コロナ禍と円安の影響によって、多くの企業でサプライチェーン戦略の変更を余儀なくされています。海外からの調達が難しくなり、物流在庫の持ち方が変化してきました。サプライチェーンを見直して、足元にサプライチェーンを厚くする、在庫を持つという動きが増えています。
災害も物流に影響します。地震、局地的な豪雨による河川の氾濫等の水害といった自然災害のほかに、人為的なものとして工場の火災などもあります。それにより工場の生産が止まったり、サプライチェーンにも影響を与えたりします。災害対策の一環としても、部品や中間財、製品も含めて流通がストップしないよう、在庫を持つようになっていくと予想されます。
また、自然災害が多発している現在、地方自治体にとって緊急支援物資をどう貯蔵して、災害発生時にどのように配送するかということは大きな課題のひとつです。物流センターは、備蓄、配送という点でも優れた施設です。大和ハウス工業は、物流センターを活用した災害対策として、各地方自治体との間で防災協定を数多く結んでおり、地域の防災対策に取り組んでいます。
脱炭素を目指す世界的な潮流も、物流業界に大きな影響を与えています。温室効果ガス削減に向けて、環境配慮型物流センターも増加しており、物流センターで作り出した再生エネルギーを、オンサイトPPA(発電事業者が敷地内に発電設備を設置して電気を提供)でテナント企業が電気を使用する仕組みも増えています。
こうした背景の中、さまざまな物流課題に対応するために、大和ハウス工業は、2017年に大和ハウスグループとしてダイワロジテックを設立(商号変更)しました。ダイワロジテック傘下では、フレームワークスを中心に、GROUND、アッカインターナショナルなど、スタートアップの会社を含めて、外部からの知見を幅広く登用する方針が取られ、第3回の「物流ロボットプログラミングコンテスト」で活用された「Intelligent Logistics Center」の設立など、多くのプロジェクトを実現してきました。
このように、大和ハウス工業内部だけではなく、外部の方からもいろいろなアイデアを募るというアプローチが、スマートロジスティクス オープンデータチャレンジのコンセプトにもなっています。
物流業界を取り巻く環境、仕組み、レギュレーションは刻々と変化しており、それぞれの問題はますます複雑化しています。もはや、ひとつの企業だけで物流業界の問題を解決することは不可能でしょう。そして今後はスマートロジスティクス オープンデータチャレンジのように多くの方が持つ知見や発想を取り入れる仕組みが必要不可欠であるといえます。
スマートロジスティクス オープンデータチャレンジの継続は、物流業界の課題を解決するための、ひとつのきっかけとなる存在になりそうです。
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