大和ハウス工業株式会社

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「物流GX」2050年カーボン
ニュートラル実現に向けて、
物流業界はどう取り組むか

2026/01/26

  • #DPL
  • #モーダルシフト
  • #物流GX

2020年10月に「2050年カーボンニュートラル宣言」が発表され、2023年5月には「脱炭素成長型経済構造への円滑な移行の推進に関する法律(GX推進法)」が成立。さらに2026年4月1日からは、一部企業に排出量取引制度(GX-ETS)への参加を義務付けることなどを含む「改正GX推進法」が施行される予定で、GXに関わる動きが加速しています。

物流業界におけるGX、「物流GX」では、どのような取り組みが進んでいるのでしょうか。

GX(グリーントランスフォーメーション)と物流GX

GX(グリーントランスフォーメーション・Green Transformation)とは、石油や石炭といった化石燃料を使ったエネルギーから、太陽光発電・風力発電などの再生可能エネルギーを中心とした社会へ転換する取り組みのことです。また、環境保護の観点だけではなく、社会競争力の向上を目指すために、企業活動を取り組みの対象としているのも特徴です。2050年のカーボンニュートラルを達成するためにも、GXへの注目が高まっています。

そのGXの中で、国土交通省や物流事業者、荷主企業が連携し、CO2排出の削減を目指して進められている取り組みを「物流GX(グリーン物流)」と呼びます。

2023年度における日本の二酸化炭素排出量(9億8,900万トン)のうち、運輸部門からの排出量(1億9,014万トン)は19.2%を占めていることもあり、国土交通省は「国土交通省環境行動計画」を改定し、徹底した省エネ・クリーンエネルギーへの移行、再エネの供給拡大等の国土交通GXを推進しています。また、国土交通省・経済産業省を中心に運営される「グリーン物流パートナーシップ会議」には、大企業だけではなく、中小企業も多く参加しており、表彰制度や優良事例の共有などが行われています。

物流GXのメリット

GXと同様に物流GXにおいても、環境負荷を減らすことが、業務効率を高めることにもつながります。例えば、複数企業による共同配送は輸送回数の削減や積載効率の改善につながり、トラックから鉄道・船舶へのモーダルシフトは、燃料費やドライバーの負担軽減、コスト削減に寄与します。物流GXへの取り組みは、環境負荷の軽減だけでなく業務面、経営面においても多くのメリットが得られることを踏まえると、自社の物流戦略やオペレーションを再考する良い機会となるでしょう。

ビジネスの観点で言えば、効率改善だけではなく、ブランディングや企業評価においてもメリットがありそうです。荷主企業となる大企業の多くはESG経営に取り組んでおり、物流におけるパートナー企業の選定においても、GXへの取り組みがひとつの基準となるかもしれません。企業の将来性を考える上でも、物流GXへの取り組みは重要な経営戦略となりえます。

物流GXの具体的手法

鉄道、内航海運の輸送力増強等によるモーダルシフト

モーダルシフトとは、CO2排出量の多いトラック輸送から、環境負荷の少ない鉄道や船舶を活用した輸送へ切り替えることを言いますが、国も「新たなモーダルシフトに向けた対応方策」をとりまとめ、推進しています。

「モーダルシフト」は、労働力不足の解消・働き方改革という観点からも有効です。モーダルシフトを活用することで、長距離輸送は鉄道で、最寄りの拠点からのラストワンマイルはトラックでカバーできるため、効率的な業務を行うことが可能です。

また、企業間で連携するケースもあります。例えば、アサヒグループとNXグループは、協業体制によるモーダルシフトを強化しました。アサヒロジが貨物発着駅の集配業務を行い、日本通運が貨物駅でトラックと鉄道コンテナの積み替え業務を実施することで、相互の強みを活かし持続可能な物流体制の構築と輸送の効率化を図るとしています。(2023年11月24日(発表)アサヒグループジャパン株式会社、NIPPON EXPRESSホールディングス株式会社プレスリリースより)

大和ハウス工業は、こうしたモーダルシフト施策への対応として、日本貨物鉄道(JR貨物)との共同事業を行っています。「札幌貨物ターミナル駅」構内に立地する「DPL札幌レールゲート」に続き、2025年9月にJR貨物との2棟目となる取り組み「DPL千葉レールゲート」を開発しました。東京都心から約30km圏内の千葉の湾岸エリアに位置するため、「陸・海・空路」に対応する輸送をサポートします。

DPL千葉レールゲート

DXソリューションによる車両利用の効率化

物流倉庫内におけるトラックの長時間にわたる荷待ちや荷役作業は、トラックドライバーへの負荷に加えて、車両の効率的使用、燃料費の問題など、物流GXにとってもマイナス要因となります。国のガイドラインにおいても、発・着荷主事業者および物流事業者が早急に取り組むべき事項として、「荷待ち時間・荷役作業などにかかる時間を適切に把握し、計2時間以内に収めること」と提唱しており、トラックドライバーの荷待ち・荷役時間の削減が求められています。

大和ハウス工業株式会社とキヤノンマーケティングジャパン株式会社は、物流施設におけるトラックドライバーの荷待ち・荷役作業時間を可視化し、改善を支援するシステムを開発し、当システムの効果を検証するための実証実験を実施するなど、物流施設内での効率化に取り組んでいます。

また、大和ハウス工業のマルチテナント型物流施設「DPL」では、すべての施設で「荷待ち、荷役時間の削減」「物流の効率化」に貢献するソリューション「MOVO Berth(ムーボ・バース)」の仕組みを利用できる環境が整っています。

再生可能エネルギーを活用した物流拠点の構築、車両のEV化

物流施設においても、脱炭素を進めることは可能です。屋上に太陽光パネルを設置し再生可能エネルギーの利用を増やしたり、さまざまな省エネ設備を導入したり、持続可能な物流インフラとしての物流施設も増加しています。

自然エネルギーの利用、高断熱化、高効率化によって省エネルギーを実現した上で、太陽光発電等によってエネルギーを創り、消費するエネルギー量を大幅に削減する建築物をZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)と呼びますが、大和ハウス工業では、建てる施設は原則、全棟ZEBとする目標を設定し、創エネ・省エネ技術による脱炭素化を推進しています。DPLシリーズでは、物流施設の屋上に、自家消費型のオンサイトPPAも順次導入しています。

また国は、トラック・タクシーの電動化(BEV、PHEV、FCV等)を支援しています。経済産業省「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」によれば、8t以下の中型・小型商用車について、2030年までに新車販売で20~30%、2040年までに新車販売で100%(合成燃料等の脱炭素燃料の利用に適した車両との合計)を目指しています。現状では、低い普及率にとどまっていますが、特に都市部においては静音対策としても期待されており、今後の動きを注視したいところです。

2050年カーボンニュートラルの実現を目指し、物流GXはこれからも進展がみられるでしょう。環境問題の対策に加えて、労働環境の改善や業務の効率化にもつながることから、物流関連企業における経営戦略として重要なポイントになりそうです。

大和ハウスグループでは、「カーボンニュートラル戦略」を策定し、建物を建てるほど、社会に再生可能エネルギーが増える仕組みを創出し、脱炭素への取り組みを加速させています。

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