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再配達問題とドライバー不足に対応する「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会」国土交通省が取りまとめを公表

2026/02/20

  • #ラストマイル配送
  • #再配達問題
  • #物流DX

「ラストマイル配送(ラストワンマイル配送)」という言葉をご存じですか?
「ラストマイル」とは「最後のマイル」という意味で、もともと通信業界で、事業者の基地局からユーザーの建物までの通信回線を「事業者とユーザーをつなぐ最後の区間」として呼ばれていた言葉です。物流業界においては、大手通販会社が「配送センターからお届け先」の部分を「ラストマイル」と呼び始めたことから広まり、「実際にユーザーの手に渡る」ことを指して「ラストマイル配送」という言葉が使われるようになりました。

再配達問題の解決に向けて

その「ラストマイル配送」が、大きな課題として注目を集めています。中でも特に問題となっているのが、ラストマイルにおける「再配達問題」です。原因としてまず考えられるのが、単身者の増加、共働き世帯の増加によって、荷物の受け取り時間が限定されることが多くなったこと、そして、ドライバーの働き手不足(2015年から2024年でドライバーの人数は約7%減少)でユーザーとドライバーとの接点時間が減少したことによって、荷物をお届けできないタイミングが多くなったことです。
再配達はドライバーにとって労働力の無駄でしかありません。再配達したからといって、運賃が上がることもなく、ドライバーへの負担がさらに大きくなるという悪循環にもつながります。
国土交通省はこの再配達問題に対処するため、関係省庁と連携しながら宅配便の再配達率の削減に向けたさまざまな取組みを進めてきました。この取組みやコロナ禍による消費者の行動変容等もあり、2019年までは15%程度で推移していた宅配便の再配達率は、2025年4月時点で大手宅配事業者3社の合計数値で 9.5%、宅配に関わる大手事業者6社ベースの合計数値で8.4%まで減少しています。ただし、「物流革新に向けた政策パッケージ」では、再配達率を6%にする目標が掲げられており、さらなる取組みが求められています。

<宅配便の再配達率の推移>

(出典)国土交通省「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会 取りまとめ 参考資料集」

再配達問題の背景は?

「ラストマイル配送」における再配達問題の背景のひとつが、Eコマースともいわれるネットショッピングの拡大です。利便性の向上やスマートフォンでの買いやすさもあり、今やほとんどの方がネットショッピングを利用されているのではないでしょうか。
以下に示した経済産業省のデータを見ても、2015年から2024年にかけてEコマース市場の規模は約1.9倍に拡大しています。配送件数が増加するだけではなく、「当日配達」「時間指定」「置き配」など、「ラストマイル配送」に関する選択肢が増え続けています。さらに、2024年問題と呼ばれる時間外労働時間の規制によって、今後さらに深刻な問題になる可能性もあります。

<BtoC-EC市場規模の経年推移(単位:億円)>

(出典)経済産業省「令和6年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」

物流全体の数字を見ても、2021年のデータにはなりますが、物流の小口化、多頻度化が進んでいるようです。1件当たりの平均貨物量が減少していることで貨物総量も減少していますが、物流件数は増加の傾向にあります。

<物流の小口・多頻度化の動向>

(出典)国土交通省「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会 取りまとめ 参考資料集」

「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会」取りまとめ

国土交通省では、2025年6月から有識者をはじめとした物流に関するさまざまな専門家が、「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会」として、ラストマイル配送を取り巻く課題への対応策について議論を重ねてきました。そして2025年11月に、「ラストマイル配送」における課題提起と今後の対策についての取りまとめとして、以下の内容を公表しました。

※詳しい内容はこちらを参照ください。国土交通省「ラストマイル配送の効率化等に向けた検討会 取りまとめ

1.多様な受取方法のさらなる普及・浸透、宅配サービスのあり方の変革

・消費者の行動変容・意識改革

再配達削減のためには、対面以外の受取方法を定着させる必要があります。そのためには、まず、利用者が対面以外の受け取りを「当たり前のこと」として意識を変えることが前提となります。また、意識変革に加えて、送る相手のライフスタイルに配慮した配送日時指定をしたり、即日配送以外(「急がない配送」等を選択)したりなど、消費者行動を変える必要もあるとしています。

・消費者が選択しやすくなる受取環境の整備

受け取り側が不在時でも配達業務が終わる工夫も必要です。住宅においては、既存マンションや戸建てへの宅配ボックス設置促進やオートロックマンションでの「置き配」拡充を進めます。オートロックマンションについては、マンション管理組合等で事前に合意形成を行った上で、受け取る側があらかじめ登録した荷物に限定して入館を可能とする・配達員の身元確認を行う・入館時の記録を残す、などの仕組みを導入することでセキュリティを確保しつつ、複数の事業者間でのシステム連携を支援することで利便性の向上を図るとしています。
住宅以外では、駅や公共施設など、生活動線上への宅配ロッカー設置の促進、そして「標準宅配便運送約款の見直し」も挙げています。現状は対面による荷物の引渡しのみが受取方法として規定されている部分を、宅配ボックスや置き配を標準的な受取方法として約款に明確に位置づける検討を進めるとしています。

2.地域の物流サービスの持続可能な提供に向けた環境整備

地域全体のインフラとして物流を維持するため、配送・小売事業者が連携した共同配送や幹線輸送の集約、共同配送やデジタル化のための事業者ごとに異なる伝票やデータ形式の標準化、また、自治体の関与による公共施設の集配拠点としての活用などを推進するとしています。
また、農山漁村の物流維持も大きな課題となっています。郵便局や農村型地域運営組織(農村RMO)などが連携した共同配送や買い物支援、冷蔵冷凍車などの共同使用、貨客混載の実施要件の緩和、時間単位での自家用有償運送の活用などといった行政手続の弾力化(規制緩和)を挙げています。

3.地域の配送等における新たな輸送手段の活用と次世代産業としての展開

新たな技術の活用についても言及されています。ドローン配送において、「多数機同時運航」の普及やレベル4飛行(有人地帯での目視外飛行)に向けたガイドラインの見直しを進め、ドローン航路の事業性確保(データ販売など多目的利用)を支援するとしています。また、より配送能力の高い(中速・中型など)ロボットの実用化に向け、安全性検証やルール整備についても紹介されています。

このように、日本国内においては、Eコマースの拡大などにより宅配市場は成長しているにもかかわらず、ドライバー数は減少しています。
配送側として、複数の事業者が連携する共同配送や、駅・商業施設・コンビニなどを活用した中継拠点の設置などの仕組化が必要でしょうし、利用者側では、配送に関する意識改革を含め、置き配や宅配ロッカー、宅配ボックス、シェア型ロッカーの利用など、対面以外での受取方法の多様化が必須となるでしょう。
そのためには、AIやデジタル技術による配送業者間のデータの標準化、配送ルートの最適化や動態管理システム、荷物追跡、AIカメラ搭載ロボットの導入など、再配達の削減という課題だけにとどまらない、物流全体の効率化を見据えたソリューションも求められているのではないでしょうか。

大和ハウス工業のマルチテナント型物流センターDPLでは、ドライバーも含めた物流施設で働く人々の働き方改革の実現に向けたさまざまなサービス・ソリューションを、大和ハウスグループおよびパートナー企業のネットワークによって提供してまいります。

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