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2026年10月30日
厚労省
厚労省の社会保障審議会医療保険部会で次期医療保険制度改革の議論が続く
次期医療保険制度改革に向けた議論が、厚生労働省の社会保障審議会医療保険部会(岩村正彦会長)で続いている。自民党と日本維新の会が7月7日に署名した社会保障改革項目に関する具体的な骨子や政府の骨太方針2026などに基づき、2026年度中に次期医療保険制度改革の具体的な制度設計を行うことになっているためだ。特に、70歳以上の高齢者の医療費の窓口負担の見直しについては、2026年末までに改革工程表を策定することになっており、年末に向けて、政府と与党それぞれの場で議論が本格化していく。
医療保険部会では9月11日に議論が始まり、13項目の社会保障改革項目や骨太方針2026、5月29日に成立した健康保険法等一部改正法の附帯決議など次期医療保険制度改革の前提となる資料を踏まえ、意見交換を行った。10月1日、10月16日には、高齢者の医療費の窓口負担見直しを含めた高齢者医療制度をめぐり議論を行っている。
9月11日の委員の意見を踏まえ、10月1日の医療保険部会で「今後の議論の視点」を了承した。「視点」では、次期医療保険制度改革の検討の進め方の姿勢を確認するとともに、高齢者の医療費の窓口負担見直しと国民健康保険等の基本的な考え方をまとめた。また、▽予防・健康づくりの推進▽健康保険の被扶養者のあり方◇医療DXの推進▽効率的な医療提供体制等を今後の検討項目とする方針も決まった。
高齢者の医療費窓口の負担割合の見直しについては、「低所得者等の必要な受診が確保されるよう適切に配慮することを前提として、原則3割となっている現役世代との間で年齢によらない真に公平な応能負担を実現する観点から検討を行う」とした。
その際、高齢者の就業や健康状態、医療の利用状況、所得・家計などの変化を踏まえ、「必要な受診が確保されるよう適切な配慮措置を講じつつ、(高額療養費制度の)外来特例の在り方や、負担割合の区切りとなる所得の見直し、年齢の引き上げなど窓口負担の抜本的な見直しについて、現役世代の負担軽減の観点からの公費負担のあり方とともに総合的に検討を行う」としている。
現行制度では、医療費の窓口負担割合は70~74歳が原則2割、75歳以上が原則1割となっている。ただし、75歳以上の一定以上所得者は2割、70歳以上の現役並み所得者は3割を負担する。現役並み所得者とは、原則として、同一世帯に住民税の課税所得が145万円以上の70歳以上の人がいる場合をいう。ただし、世帯の収入が一定額未満の場合などは対象から除かれる。
負担割合の区切りとなる所得の見直しについては、3割負担の対象となる現役並み所得者の判定基準の妥当性が論点となる。委員からは、所得水準の変化などを踏まえ、負担能力に応じた公平な負担となるよう基準を見直すべきとの意見が出た。一方、高齢者は慢性疾患などで継続的な受診が必要となる場合が多く、窓口負担の引上げが必要な受診の抑制につながらないよう慎重な検討を求める意見もあった。
年齢の引き上げなど窓口負担の抜本的な見直しについては、健康寿命の延伸などの背景から、窓口負担の年齢区分をそれぞれ5歳引き上げることの提案がある一方で、区切りとなる年齢を一律に引き上げることには慎重な意見があった。また、窓口負担割合で1.5割を設ける細分化の検討を求める意見が出る一方で、制度が複雑化することへの懸念やシステム改修のコストが増大するとの指摘があった。
また、同部会では後期高齢者医療制度における公費負担のあり方を検討することで一致している。これは、後期高齢者医療制度において、現役並み所得者の医療費には公費負担がなく、現役並み所得者が増えると公費負担が減って、現役世代の負担軽減という目的に逆行する結果を招いてしまうからである。同制度への公費投入の方法が検討課題となる。
2026年10月15日時点の情報に基づき作成







