

気がつけば2019年もあと2ヵ月。年末の大掃除で慌てる前に、気になるスペースを使いやすく整理してみませんか?キッチンは家族や生活の変化に合わせて、使う調理道具や食器もどんどん変わるもの。
今回は整理収納アドバイザー・望月由貴子さんに、キッチンの整理と収納のコツを伺いました。今の自分たちにあったキッチンスタイルを見つけましょう。
整理の基本は、持っている物の確認から。キッチンの収納に入っている調理道具や食器を広いスペースに並べます。この中でキッチンに戻すのは「日常で使う物」だけ。年に数回しか使わないものは、納戸やウォークインクロゼットなど別の収納場所に移動します。たとえ新品でも、まったく使わない物は手放したほうが家の中がスッキリと片付きます。最近では、中古品の買い取りサービスやフリマアプリを使われている方もいますよね。
そしてこの作業は、キッチンを使う全員で行うのがベストです。使う/使わないの判断は、目指したいライフスタイルで決まります。たとえば、子どもが小さい時に活躍した調理器具やお皿を使わなくなったり、食の好みが変わって使わなくなった道具などもあるでしょう。子どもが料理に参加するようになれば、子ども用の調理器具が増えているかもしれません。たった数年でもキッチンで「日常的に使う物」は変わってしまうのです。
毎日の食事の準備や片付け、ホームパーティーの有無など、目指すライフスタイルにその物が必要かどうかを話し合ってください。一緒に考えることで理解も深まり、よりみんなが使いやすいキッチンに近づきます。
毎日の食事の準備や片付け、ホームパーティーの有無など、目指すライフスタイルにその物が必要かどうかを話し合ってください。一緒に考えることで理解も深まり、よりみんなが使いやすいキッチンに近づきます。
選んだ「日常で使う調理器具」は、システムキッチンに収納しましょう。まずは全員が使いやすい理想のキッチンを思い浮かべます。道具や調味料は飾るのか収納するのか、どんな料理が多く、どの調理器具をよく使うのか、片付けのしやすさは…など、さまざまなシーンを想像して話し合ってください。
イメージが固まったら、いよいよ棚に器具を収納します。収納の基本は料理の導線がスムーズになるようにすること。例えば、鍋やボール、やかんなど、水を使う物はシンクの下に、すぐ火にかけるフライパンはコンロの下に入れると、出し入れがスムーズになります。鍋などの重たい物は腰より下に、プラスチック製の保存容器などの軽い物は吊戸棚に入れるのがおすすめです。
なお、吊戸棚は身長によって取り出しやすさが変わるため、収納には工夫が必要です。片手で持てるサイズのカゴや取っ手がついて持ちやすいカゴにラベルを張って収納するのがオススメです。スムーズに取り出せるサイズと重さ、そして引き出しやすい余裕のある配置を心がければ、高さのある吊戸棚の使い勝手も向上します。
次は食器の収納です。選んだ食器を、さらに「キッチンで盛り付ける食器」と「テーブルで使う食器」に分けてみましょう。コップや取り皿、はしやスプーンなど、リビングにあったほうがテーブルに並べやすいものがたくさんあるはずです。キッチンの食器棚にすべてを収納してしまうと、料理で忙しい時に何度も食器の出し入れが発生して余計な手間がかかります。テーブルで使う物は最初からリビングに収納してしまえば、キッチン内の収納もスッキリして使いやすくなるでしょう。
食器棚の中でお皿が重なって取り出しにくくなっている場合は、棚板を追加して上下に棚を小分けしましょう。さっとお皿が取り出せると、配膳の際のイライラが少なくなります。棚板が足せない場合は、高さを生かしてお皿を立てて収納するのもよいでしょう。さまざまなディッシュスタンドがありますので、食器棚やお皿のサイズに合わせて選んでください。
食器棚も、背の低い人が使いやすいように収納すると、みんながストレス無く使えます。
家族の構成が変わる、赤ちゃんが小学生になって料理をするようになる、食の好みが変わる、高いところのものが取りづらくなる…みなさんの日常がどんどん変わると、必要なキッチンの姿も変わっていきます。何年も同じ使い方をしていると、気がつけば使いにくいキッチンになってしまっている場合もあるでしょう。この機会に、目指すライフスタイルを話し合って、それに必要な「日常で使う道具」を選んでください。みんなで作り上げたキッチンは、きっと楽しく効率的に料理ができる場所に変わってくれるはずです。