流木を使ってアートな感覚を楽しむ
剣山の代わりに小石などを使っても
水を吹きかけて瑞々しさを演出
流木を使ってアートな感覚を楽しむ
剣山の代わりに小石などを使っても
水を吹きかけて瑞々しさを演出
花を飾ろうと思い立つと、まず、飾る場所をすっきり片付けたくなりませんか。新年にふさわしい凛とした空間は、そんなちょっとした気遣いからうまれるもの。お店で売っているブーケやアレンジメントも素敵ですが、時には居住まいを正して、お花を生けてみましょう。
花を飾ることは、お部屋の中に自然の風景を取り入れ、その息遣いを感じることだといわれています。国内には様々な生け花の流派がありますが、まずは特別な決まりごとにこだわらず、背筋を伸ばして、凛とした気持ちで生けてみましょう。
空間づくりのポイントは、花と花器の組み合わせで季節感を表現することです。春なら淡いピンクや黄色の花にシンプルな青白磁。夏はブルー系の花にガラス器を合わせて涼やかに。秋は赤い実がついた枝ものに、籠などを合わせるとシックです。冬は、新春らしい花材を選んで漆器と合わせてみると、お部屋の雰囲気が引き締まります。
落ち着いた時間が取れない時や、花を飾る場所が見つけられない時は、壁面を使った「掛け花」を楽しんでみませんか。身近に咲いている季節の花を挿すだけで、雑多な空間がすっと引き締まって感じられるから不思議です。また、お客様をお迎えする際、玄関の壁に飾っておくと、おもてなしの気持ちが伝わります。
花器は、インテリアショップなどで探すのも楽しいものですが、特別なものを用意しなくても、試験官のように細い空き瓶やプラスチック容器に、和紙などを巻きつけるだけでもOK。花の雰囲気に合わせてイメージを膨らませて、ラッピングペーパーなども活用してみましょう。
日本発祥の芸術といわれる「生け花」は、色鮮やかな花だけでなく、枝ぶりや木の幹の形状、葉や苔などすべてを花材として楽しむ点が大きな特徴です。お手本は、野山の自然な風景の中にあるといいます。一見難しそうに感じるかもしれませんが、アケビや籐などのツルを使うと、空間に広がりが生まれ、思わぬ効果を生むことも。お花屋さんはもちろん、身近なところで面白そうな素材を見つけたら、枝ぶりや曲がり具合などを活かして、大胆かつ自由に生けてみましょう。お部屋にある棚や置物などを、花の一部として生けてみるのも一興。それだけで、いつもと違うちょっとモダンな空間が生まれます。
青山の花店「風庵」前主宰者。現在は「風庵」ほかで「花の教室」を開催。投げ入れの花を自身のスタイルとし、様々なメディアで作品を発表。日本の美を探求する一方、他分野のアーティストとの交流の中で独自の世界を探索。