アイスクリームやシャーベットなど、冷たいデザートが恋しい季節です。甘いもののとり過ぎや添加物などが気になる方は、手作りデザートに挑戦してみてはいかがでしょう。旬の果物や野菜を使ってみんなで作れば、体にやさしいことはもちろん、子どもたちの食育にもなりそうです。
アイスクリームの原点は、雪や氷を貯蔵しておいて夏に食べたこと、といわれています。当初はお菓子というより、疲れた体を元気にする「健康食品」という位置付けだったようです。
現在のアイスクリームにつながる「あいすくりん」が日本ではじめて作られたのは、明治2年(1869年)のこと。現在の価値でおよそ8,000円という高級品でした。
今日では、自宅で簡単にシャーベットやアイスクリームが作れる調理器具が出ています。中には、専用の容器を冷凍庫で数時間冷やし、そこに材料を入れてかき混ぜるだけ、というシンプルな構造のものも。ジュースや牛乳がゆっくりと凍ってゆく光景は、子どもたちの興味をひきそうです。
特別な道具を用意しなくても、キッチンにあるもので簡単に作れるシャーベットをご紹介しましょう。用意するのは、チャック式のフリーザーバッグだけ。これにジュースや乳飲料などを入れて冷凍庫で凍らせれば、半日ほどでひんやりシャーベットのできあがり。缶詰のフルーツなどを細かく刻んで混ぜておくと、味や食感に変化がつき、見た目にもカラフルです。
中身の量は、平らに置いたときの厚さで1センチくらいが目安。これなら凍っても手で叩くだけで砕けるので、食べるときにも便利です。金属や固く尖った道具で叩くと、バッグが破れてしまう場合があるので要注意。冷凍庫から出した時点で固くて割れなくても、1〜2分ほど室温に置いておけば、手で砕ける固さになります。
夏は、新鮮なフルーツがたくさん店頭に並ぶ季節です。熟れ過ぎたり、たくさん買い過ぎてしまったフルーツは、フリーザーバッグなどに入れて凍らせるだけで、キュートなシャーベットに大変身。パイナップルやバナナは食べやすい大きさにカットして、ブルーベリーはそのまま凍らせればOKです。
また、食べやすい大きさにカットしたフルーツとジュースを組み合わせた「アイスキャンディー」もおしゃれです。オレンジ・ジュースにはキウイや黄桃、ベリーミックス・ジュースにはバナナや冷凍のベリーミックスなどが好相性。専用の容器がなくても、使い捨てのプラカップや紙コップでも作れます。
好きな材料を選んで、組み合わせて、「我が家の味」を作ってみませんか。
(材料)
ナス 2個、砂糖 大さじ4、塩 少々、レモン果汁 小さじ1、
ミントリキュール(またはミントシロップ) 小さじ1/2
1)ナスはヘタを取り、皮をむく
2)1をラップで包み、電子レンジで加熱(600Wで3分間)
3)2に残りの材料を加えて、ハンドブレンダー(またはミキサー)でピューレ状にする
4)冷凍庫に入れて2〜3時間でできあがり!
暑い季節は、大人も子どももつい食べ過ぎてしまう冷たいデザート。市販のものもいろいろ出ていますが、健康や安全を考えると自宅で手作りするのがいちばん。子どもたちと一緒に作ればコミュニケーションが深まるだけでなく、旬の野菜や果物を知るなど「食育」の一環にもなります。
子どもたちにとっては、夏休みの楽しい思い出にも。ぜひ挑戦してみてください!
料理研究家。会社員を経て、両親が住むスペインへ渡りスペイン料理を学ぶ。帰国後料理の仕事を始め、現在はお料理教室講師を中心に活動中。主な著書「フライパンひとつで作る絶品パエリア」(タツミムック)ほか