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代々木深町小公園トイレ

富ヶ谷1-54-1

Creator
坂 茂
建築家
代々木深町小公園トイレ 代々木深町小公園トイレ

写真:株式会社エスエス

大和ハウス工業株式会社
東京本店 東京流通設計部 主任技術者

福本 義忠
YOSHITADA FUKUMOTO

中に入って鍵を閉めると、透明なガラスの壁が不透明になる。完成前からSNSで話題になり、メディアでも取り上げられるなど、大きな反響を呼んだトイレです。私たちも模型を目にしたときは驚きました。初めて坂先生の事務所へご挨拶に伺った時点で、ほぼ完成形に近い模型が既にできあがっていて、調光フィルムで透明・不透明になる仕組みを体感。一緒に行った全員が興奮したのを覚えています。

写真:株式会社エスエス

デザインに対しては細部にいたるまで強いこだわりをお持ちで、施工図を提出してはチェックしていただき、また修正する、その繰り返しでした。一連のやりとりを通じて、納得するまで議論を尽くす大切さを教えていただきました。特にガラスを固定するサッシと庇(ひさし)の接合部は、外観デザインに影響が出るため、部材の再製作なども行って調整。世に出すものには決して妥協されない姿勢が印象に残っています。

プロジェクトを振り返って

坂先生が考案された安全できれいな「透明トイレ」を具現化するには、調光フィルムが重要なポイントでした。そこで、どのメーカーの製品がベストなのか、透明/不透明を切り替えるシステムをどう構築するのか、社内の工事・購買・設備など関連する部署が集まり、あらゆる方向から検討。その結果、調光フィルムを使った日本で初めての公衆トイレを完成させることができ、自社の総合力とモノづくりにかける熱い魂を感じました。

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