神宮前1-3-14
写真:株式会社エスエス
大和ハウス工業株式会社
東京本店 東京建築設計部 主任
殷 ゆえ
YUE YIN
原宿の片隅に建つ古き良き一軒家。その建物プランを狭い変形地にどう納めるかが実施設計における最初の課題でした。扉や窓枠のミントグリーンや白いセラミックタイルなど、色や建材は当初からご指定に。塗装の色味は、ステンレスやスチールなどの材料によってブレが出るため、塗装サンプルを現場で並べて色味を統一。コンクリート塗装の外壁は、左官工事に十分な時間をかけることで、凸凹が感じられない精度に仕上げました。
写真:株式会社エスエス
設計者として思い入れがあるのは、小屋組を見せたトラス構造の屋根裏です。コンクリートや鉄骨、ボードなど、構成する部材がかなり多く、矩計図(詳細な断面図)などの作図には通常より時間をかけました。また、梁に付けたシーリングファンの露出配線を隠すため、鉄骨リブに事前に穴を開けて配線を通すなど、できるかぎりの工夫を凝らしました。
プロジェクトを振り返って
原宿竹下通りのすぐ近く、ビルが建ち並ぶ明治通りにポツンとおうちのようなトイレが現れました。工事現場事務所から現場へ向かう時に渡る歩道橋からは、工事の様子を俯瞰でき、トイレの成長が感じられて、とても好きな光景でした。今回、クリエイターのデザインにかける想いや素材へのこだわりに触れ、自身の仕事への意識も変化。実現したい設計やデザインがあれば、積極的に挑戦しようと気持ちを新たにしています。
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