東3-27-1
写真:株式会社エスエス
大和ハウス工業株式会社
東京本店 東京流通設計部 主任技術者
福本 義忠
YOSHITADA FUKUMOTO
パースを見た瞬間、衝撃を受けました。真っ赤な色で、日本の贈り物文化のシンボルである「折形」からインスピレーションを得た造形美。「かっこいい。このデザインをこのまま形にしたい」と思ったのが第一印象でした。ニューヨークを拠点にする田村先生とは、オンラインでイメージを共有。デザインのプロセスが非常に明快で、強いメッセージ性もある。建築とは違う視点で、私たちには考えもつかない発想がとても新鮮で楽しかったです。
写真:株式会社エスエス
敷地は、線路沿いの細い三角地。この狭さを逆手にとったシャープな研ぎ澄まされたデザインをなんとか実現しようと、施工図を描き起こす前から設計と工事部門が一体になって施工方法を協議しました。最も苦労したのは屋根です。ご要望は「庇(ひさし)を紙のように薄くしたい」。試行錯誤の末、通常、屋根には使わない構造用鋼板を使用することで20mmという薄さにたどり着きました。建築物ではほとんど見られない壁の薄さにもご注目ください。
プロジェクトを振り返って
途中、微妙な色のニュアンスをご相談するため、サンプルをニューヨークへ送ることに。ところがコロナ禍で国際配送がストップ。海外事業部の助けでようやく送れたこともありました。トイレ完成後、田村先生からメッセージが届きました。「驚きのお願いが多かったかと思いますが、いつも穏やかに対応してくださり、とてもスムーズにプロジェクトを進めることができました」。設計や工事、社内のネットワークなど、大和ハウス工業の総合力でご期待にお応えできたと思っています。
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