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日本国・大阪のはじまりの地、上本町。

生國魂神社(いくたまさん) 神職 中村 文隆 氏

大阪最古の神社 いくたまさん

大阪平野一の高台に位置し、新旧の文化の交差地点として栄えてきた上本町。商業施設やターミナル駅を擁し「にぎやかで活気ある街」とのイメージがある一方、このエリアには古来より多くの寺社が存在しています。

中でも「いくたまさん」の名称で親しまれる生國魂神社は、大阪で最古の神社。街の中心からほどなくの所にある境内にお参りすると、大阪一の大きさを誇る本殿と特殊な桃山建築を見ることができます。今回は古代からの神々が鎮座する社・生國魂神社で、神職・中村文隆氏に生國魂神社の歴史と上町台地の関わりについてお話を伺いました。

「神話」と「歴史」の中継点 大阪は始まりの地

「生國魂神社の歴史は、日本の神話や歴史と深いつながりがあります。例えば日本の神話に『イザナギ・イザナミの神が国産みをして日本ができた』というお話がありますが、実はその舞台となっているのが大阪湾。さらに歴史の観点から見ると、第1代の神武天皇が奈良・橿原宮で即位する3年前に上町台地に日本列島そのものの神様を祀ったことが生國魂神社の発祥であり、大阪の始まりとされています。いずれにしても、日本の国は大阪湾が発祥の地、ということになりますね」

古都といえば思い浮かぶのは京都ですが、その歴史は第50代・桓武天皇以降1224年。第1代天皇と共に歴史を刻む上町台地からすれば、京都はむしろニュータウンだというのですから驚きです。大阪から国が生まれていったという中村氏のお話に、なるほどと大きくうなずいてしまいました。

国がどのように生まれたのか? 日本の神話として語り継がれる「物語」と、第1代天皇の誕生による日本統一の「歴史」がスイッチする場所、それが大阪上町台地なのです。

生み育てる神さまのいる街

生國魂神社は2681年の歴史を持つ神社です。約400年前に豊臣秀吉が大坂城を築城する際に、現在の地に移築されました。

《えべっさん》で知られる今宮戎神社は約1400年、全国の住吉神社の総本部である住吉大社は約1800年、日本の神社の中心といわれる伊勢神宮でも約2000年ほどですから、いかに長い歴史であるかがわかります。

生國魂神社には「生島神」(イクシマノカミ)と「足島神」(タルシマノカミ)の1対2柱の神さまが祀られており、「生島」は島が生まれる、「足島」は生まれた島が足りて育っていく、それぞれの働きをあらわしています。島は大地、要するに万物のこと。ご利益に「生成発展」とあることからも、万物を生み育てる神さまということがわかります。

町人文化発祥の地として

江戸時代に入ると、全国の城下町で町人文化が生まれるようになります。中でも城主不在で監視の目がゆるく、当時東アジア最大の流通拠点ともいわれていた大阪は、商人の街として栄えました。

人の往来が活発になると、やがて生國魂神社の境内に諸芸を見せる人が集うようになり、町人文化の芸能がビジネスへと発展していきます。表参道にはたくさんの寄席が作られ、役者や演芸場という専業職が生まれました。それまで貴族や武士のたしなみとして用いられてきた雅楽や能、茶道華道という文化に対し、歌舞伎や文楽は一般町人によって育まれたものだったのです。

全国からまだ形になっていない諸芸が集まり、刺激を与え合いながらより良いものへと育っていった…。まさに「生み育てる」上町台地にふさわしい歴史の一幕です。上方伝統文化発祥の地であることから、生國魂神社の境内には浄瑠璃神社などの芸能上達の神さまが祀られ、9月には上方落語協会による「彦八まつり」が盛大に行われています。伝統文化のルーツを探りに、ぜひ一度足を運ばれてはいかがでしょうか。

「思いをつなぐ」人々の気概

「もともとこの上町台地を中心とする大阪という街は、自分たちの街は自分たちで作るという気概がある街なんです」

中村氏のお話によると、戦時中、生國魂神社は全国の都市部に鎮座する他の神社と同様に空襲で焼けてしまいます。しかし、戦勝国の逆鱗に触れる危険をかえりみず、占領期間中に唯一建て直しを図ったのが生國魂神社でした。戦後も街の再建は進んでいきますが、お祭りが最盛期の活気を取り戻すにはやはりそれなりの時間が必要でした。しかし伝統を再び、との地域住民の想いの燈火は消えることがなく、5年前の生國魂祭(いくたままつり)では、70年振りに500名の行列や馬車や騎馬が旧神域の大阪城まで3・3キロの道のりを進行する御渡りが復活したのです。

自治というと行政が絡むイメージがありますが、本来は「自分たちの生活を自分たちで成り立たせる」こと。その意味でお祭りが地域の活性化に果たす役割は大きいと中村氏は言います。隣人の顔がわからないという都会生活において、多くの地域住民の方が協力してひとつの行事を達成する。お祭りは人と人とが最短距離でつながり合える場とも言えるでしょう。
生み育てる精神の根づく上町台地を舞台に、これからどんな歴史が刻まれるのか、本当に楽しみです。

生國魂神社(いくたまさん) 神職 中村 文隆 氏 (撮影場所:生國魂神社 徒歩12分/約960m)
※掲載の写真は2018年4月に撮影したものです。

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