大和ハウス工業が手がけた千葉県船橋市・山手地区※1の複合開発プロジェクト「船橋グランオアシス」。2020年9月、この地に誕生した全571戸の分譲マンション「プレミスト船橋塚田」が目指したのは、大人から子どもまで多世代にわたる方々が集い、豊かな生活を体感できる新たな住まいの形でした。
新しいコンパクトシティの
ランドマーク「プレミスト船橋塚田」
都心へのアクセス、商業施設の充実、緑の景観などの理由から「千葉県居住者が選ぶ住みたい自治体ランキング2019」1位※2を、2017年から3年連続で獲得している船橋市。子どもからお年寄りまで多世代に対応した行政サービスを展開するとともに、安全・安心で緑豊かなまちづくりを推進しています。 中でも注目を集めていたのは、市の高台にある「山手地区のまちづくり」エリア※3の再開発。このエリアの一画である東武アーバンパークライン「新船橋」駅~「塚田」駅間で、プレミスト船橋塚田を擁する大和ハウス工業の複合開発プロジェクト「船橋グランオアシス」が始動したのは、2018年8月のことでした。

2021年3月に完成した複合開発プロジェクト「船橋グランオアシス」(一部)

当時、プレミスト船橋塚田の企画担当者だった倉持 潤はこう振り返ります。
倉持:「船橋グランオアシスの敷地面積は、東京ドームグラウンドの約4.4個分※4。プロジェクトが始動した際、敷地内には小学校と保育園ができることが決まっていましたが、あとは全くの白紙でした。そこで、大和ハウス工業の土地開発部門が中心となり、分譲マンション(プレミスト船橋塚田)、賃貸住宅、戸建分譲住宅、商業施設(フォルテ船橋)など、さまざまな施設の設置を計画。社内の各部門が集結する大規模な街づくりとなりました」
プロジェクトのテーマとなったのは「コンパクトシティ」。生活に必要な機能が近くに集まっている都市を指す言葉です。
  • 企画担当者 倉持 潤

  • 倉持:「住宅はもちろん学校や商業施設などがエリア内にできることもあり、必要なものが揃う機能的で便利なエリアを1から作り上げてご提供できる、という期待がありました。また、船橋グランオアシスは、エリア内の施設や設備すべてに再生可能エネルギーを100%供給※5するという日本初※6の試みが行われる場所。日々の生活で使う電気が環境保護に寄与することも、住まう方のご満足に繋がるのではないかと思いました」
船橋市や近隣住民と協議を進める中で、特に印象深かったのは道路計画だったといいます。
倉持:「近隣住民への説明会で多く上がったのが、「道が狭い」というお声。大規模なマンションや商業施設ができると、「塚田」駅までの道がさらに渋滞するのでは…と心配される方が大勢いらっしゃいました。そこで、敷地に接する道路の道幅を拡幅し歩道を整備。そして、プレミスト船橋塚田と商業施設を挟んだ敷地の真ん中に道路を新設しています。これからマンションに住まう方々と周辺の方々が和やかに共存していけるよう、説明会を重ねながら計画を進めていきました。結果として、地域全体の住みやすさの向上に繋がっています」

逆コの字型に住居棟が並ぶプレミスト船橋塚田。敷地に接する道路を整備、
南側に道路を新設し、駅からのアプローチがより快適になった

2020年9月、地区全体の完成に先駆けて竣工したプレミスト船橋塚田には、「コンパクトシティ」を象徴する“ダッチデザイン”が数多く採用されています。
倉持:「コンパクトシティの代表的なモデルケースとして挙げられるのが、オランダのアムステルダム。小さな都市の中にいろいろな機能が凝縮されており、住みやすい街といわれています。船橋グランオアシスの中心地にあり、これから山手地区のランドマークとなるプレミスト船橋塚田には、シンプルで機能的なダッチデザインのコンセプトを活かした佇まいがふさわしいのではないか、と考えました」
  • 住居棟のファサードはマリオン(縦枠材)を取り付け、
    ランダムに見えつつ調和や繋がりを感じられる印象的なデザインに

  • 開放感のあるエントランス。
    中庭に向かうサッシには、オランダの運河をイメージした複雑な格子模様のモチーフが

多世代がにぎわい交流が生まれる
「中庭」「パブリックスペース」
プレミスト船橋塚田のあるべき姿として掲げたのは「フェス」というワードでした。
倉持:「プレミスト船橋塚田は、全571戸の大規模マンション。子どもからお年寄りまで、いろいろな年代の方々がともに暮らすことになります。多世代の方に幸せに暮らせるマンションをつくるためには、人の繋がりをつくることが何よりも大切。このマンションに住んでいただくことで、人と人が関わり、新しいコミュニティが生まれるような「フェス」な空間を、マンション内に数多く計画しました」
「フェス」な空間の1つが「中庭」。住居棟にぐるりと囲まれた約2,700㎡の広大なエリアに、デザインガーデンや芝生広場、ステージなどの施設が点在しています。
倉持:「当初、ここには駐車場や駐輪場が入る予定でした。しかし、マンションの中心となるこのエリアには、何か喜んでいただける特別なものを作るべきだ、という想いがありました。目の前に緑が広がるような大きな美しい景観を作ることで、中庭がメインビューになる北棟の居住者様はもちろん、すべての居住者様の満足に繋がるのではないかと考えたのです」
  • のびのびと身体を動かすことができる芝生広場

  • 高低差のある木をリズミカルに配置したデザインガーデン

ただキレイに植栽を入れて終わるのではなく、体験でき、感じられ、積極的に使っていただける中庭にしたかった、と倉持は語ります。
  • 珍しい樹木や、食べられる実のなるハーブなど
    個性豊かな植栽にも触れることができる

  • 倉持:「中庭の東にある芝生広場は、子どもたちが遊んだり寝転がったりして、自然を肌で感じられるような広々とした空間。西のガーデンには植栽をふんだんに入れ、楽しく散策しながら木陰や植栽を体感していただけるようになっています。一区画を株式会社オリエンタルランドのグループ会社であるグリーンアンドアーツさんにお願いし、魅力的なランドスケープデザインを作っていただきました。そして中央にはステージと階段式の観客席を設置。プロジェクターやスクリーンなどで、映画鑑賞も可能です。居住者様だけが入れるプライベートな空間で、車や自転車などが入ってくることもないため、遊んだり、寝転がってくつろいだり、眠ってしまったりしても安全に過ごせる場所になっています。
    また、バルコニーや開放廊下から見下ろすと、大規模にデザインされた庭の全景を楽しむことができます。ご友人やご親戚などが訪れた時にも「すごいね」と褒められる庭として、居住者様から高い評価をいただくことができました」
もう1つの「フェス」な空間がパブリックスペース。エントランスホールの回廊を抜けた先のF棟には、キッチンスタジオ、フィットネスルーム、キッズルームなど、居住者様が自由に使える10の部屋が集まっています。
倉持:「パブリックスペースも、プロジェクトテーマの「コンパクトシティ」から発想を得て、“必要なものが揃う街の通り”をイメージしました。エントランスから繋がる緩くカーブした通路をストリートに見立て、その両サイドにちょっと休めるスペース(セカンドラウンジ)や本屋さん(ライブラリーラウンジ)、クリーニング屋さん(ランドリー)、工具店さん(クラフトルーム)など、便利なお店が並んでいる…。道を行きかう人々がにぎやかに言葉を交わしていくような、活気のある開放的な風景を描きました。よりたくさんの方に使っていただけるよう、わかりやすく立ち寄りやすいエントランスの近くに配置しています」
  • アムステルダムの街路をイメージした、
    多彩な共用施設が集まるパブリックスペース

  • オープンスタイルの大型キッチンを備えたスタジオ。使い勝手のよい広さで、
    ホームパーティーや誕生日、季節のイベントなど、さまざまなシーンに活用できる

  • 「フィットネスクラブNAS」監修による本格的なストレッチマシンとバイクで、
    軽いストレッチから有酸素運動まで自分の状態やレベルに合った運動ができる

  • 「青山ブックセンターが選書し、新刊や雑誌の最新号も揃う。
    ふとした時に立ち寄り、一人掛けのチェアでゆったりと本をめくるひとときを楽しめる

  • 子どもたちが勉強したり、本を読んだりできる空間。
    独立したデスクはテレワーク中のワークスペースとしても使用可能

  • DIYショップ「DIY FACTORY」がプロデュース。使いやすい工具を豊富に取り揃え、
    お子さんの工作や大人の日曜大工に大活躍する作業スペース

  • 寝具・カーテンなどの大物洗いやまとめ洗い、スニーカーの洗濯まで可能。
    クリーニング出しの家事負担が軽減する 
    ※ランドリーの使用は有償

  • 「ボーネルンド」社がコーディネートした、安全に楽しく遊べる“知育”の部屋。
    子どもが楽しく遊べ、大人も見て楽しめるカラフルな空間

  • 丸いテーブルや、座り心地のよいチェアを配置し、「第二のリビング」として、
    気軽に立ち寄り話ができるくつろぎの空間に

  • ダッチデザインのゲストルームは、
    ゲストだけでなく居住者様も泊まりたくなるようなモダンな雰囲気に仕上げた

  • 居住者様の住まいとリンクしながらも、違った魅力を感じていただける空間に

  • 倉持:「洋室だけではなく、和室のゲストルームも作りました。洋室よりも大人数のご宿泊に対応できますし、例えば茶室にするなど多目的に使うことができます。近年、需要の問題から住居部分に和室のないマンションも増えていますが、敷地内に和室を設けることで、子どもたちに日本文化の体験をしてもらうことができます。また、ご年配の方にも使っていただきやすいと思います」
  • 中庭やパブリックスペースだけでなく、敷地の中でも至る所で“繋がり”を作っているという倉持。
    倉持:「例えば、お父さんが住居棟の外周コースをジョギングした後、ジムにそのまま入って体を鍛える。子どもたちがキッズルームで遊んだ後、外に出て中庭を走り回る。キッズルームで遊ぶお子さんを見ながらお母さんがライブラリーラウンジで本を眺める。自分がやりたい一連の動作がスムーズにできたり、家族が近い所にいられたりするなど、心地よく繋がれるよう、マンション全体で導線づくりをしています。また、外構にも四季折々の植栽が楽しめるグリーンコリドー、ポケットパークやベンチなど、散策や休憩、立ち話ができるようなところをところどころで設けました。居住者様はもちろん、近隣の方にも交流を広げていただけるような場所を用意しています」
  • 居住者様の住まいとリンクしながらも、違った魅力を感じていただける空間に

充実した共用部をより楽しく使っていただけるよう、参加型のイベントやワークショップも豊富。コミュニティのプロである「フォーシーカンパニー」が運営をサポートしています。
倉持:「最初の1、2年はこちらからプログラムをご提示し、共用部を使っていただいたり、イベントを体験していただいたりするきっかけをつくります。そして、そこから先は居住者様たちがご自分で、共用部をどう使うと楽しいか、どんなことができるかを考えていただけるようにしています。 大規模な集合住宅では、お隣にどんな方が住んでいるのかわからないことも多く、大人同士、とくに年代の異なるコミュニティが生まれにくい傾向があります。そういった方々が交流する糸口を作るのが私たち。今は昔と違ってコミュニティを作らなくても生きられる時代かもしれませんが、人との交流が人生を豊かにしたり、心おどる発見をさせてくれることがあると思います。プレミスト船橋塚田に住まう多世代の人たちが、このエリアで幸せに暮らしていただけるよう、少しでも後押しをすることができればと願っています」
※1.3 山手地区のまちづくりについて(船橋市公式サイトより)
※2 「SUUMO住みたい街ランキング2019 関東版」リクルート住まいカンパニー調べ
※4 本事業エリア57,456.19m²、東京ドームグラウンド13,000m²で換算。(分譲マンション/571戸、賃貸住宅/中高層223戸、低層39戸、一戸建て街区/26区画、複合商業施設、道路・公園用地の敷地の合計面積)
※5 居住街区のみ。2020年10月より非化石証書(トラッキング付)(※7)を3年間購入。
※6 当社調べ
※7 非化石証書は、再エネ発電等に由来する電気が持つ環境価値(温室効果ガス排出がない等)を切り離し、取引可能にしたもの。トラッキング付とすることで、環境価値由来の発電所を特定できる。
★掲載している竣工写真は、全て2020年8月に撮影したものです。

◆プレミスト船橋塚田の詳細につきましては、下記リンクよりホームページ をご覧ください。