

ピカソ、モネ、レンブラント、北斎、写楽。実はこれ、千葉の美術館が所蔵する作家の一例なんです。世界中の名画が鑑賞できるアートの宝庫、千葉。今回はそうした取り組みを紹介するとともに普段なかなか聞けない美術館運営のウラ側にまで迫ります。千葉でのアートをめぐる旅、始まります。

まず紹介するのは、20世紀アメリカ美術をはじめ幅広いコレクションを誇るDIC川村記念美術館。9つのコレクション展示室は部屋の形状から壁の塗料、床、照明の光量まで全て展示作品に合わせたオーダーメイドで、それぞれが異なる美術館のよう。例えば、モネ、ルノワール、ピカソなどヨーロッパの巨匠たちが並ぶ展示室にはカーペットが敷かれ、アーチを描いた天井が印象的なゆったりとした空間設計。また、高い天井から外光が差し込む開放的な空間には、大型の立体作品が並びます。他の作家と同じ部屋に作品が並ぶことを嫌い、自らの絵だけで空間を創り上げたいと切望したというマーク・ロスコの作品のみを展示した空間、ロスコ・ルームは必見。
広報に聞く、現代美術のすゝめ。
「当館では、1000点以上あるコレクションの中から選りすぐりの作品を展示し、関連ある作家や時代を取り上げながら、コレクションへの理解を深めるための展覧会を年に数回開催しています。今年7月から開催されている「静かに狂う眼差し―現代美術覚書」展は、当館の強みである現代美術の流れを堪能できる展覧会です」こう話す広報の早川さんに現代美術を楽しむコツを伺うと「頭で考えず感じるまま鑑賞することでしょうか。美術に正解はありません。美しい、なんとなく心惹かれるなど、感覚的に捉えるだけでいいのです。興味や疑問を抱いたときには、ぜひギャラリートークに参加してみてほしいですね。きっと新たな発見があるはず」とニッコリ。緑豊かな庭園で、のんびりと過ごすことも出来る美術館。ぜひ一度、肩の力を抜いて訪れてみては。

千葉市美術館は北斎、写楽など浮世絵を中心に近世・近代の"版"に強みを持つ美術館ですが、市の小・中学校を対象とした芸術の教育普及にも力を入れています。平成16年からスタートした鑑賞教育はこれまで約2万人が参加。年間を通じて大人から子どもまで参加できる無料ワークショップを実施するなど地域を巻き込んだイベントを次々と企画しています。また、2014年からDIC川村記念美術館、千葉市美術館を中心に北総エリアの美術館5館協業のアートプロジェクトもスタート。アートの視点で観光情報をキュレーションしたガイドブック発刊の他、エリア内の美術館をつなぐ周回バスツアーなど、千葉をアートで盛り上げる挑戦が始まったばかり。これからの取り組みに目が離せません。
DIC川村記念美術館
http://kawamura-museum.dic.co.jp/
〒285-8505 千葉県佐倉市坂戸631
050-5541-8600(ハローダイヤル)
043-498-2131(カーナビ検索用)
【開館時間】
9:30-17:00(入館は16:30まで)
【休館日】
月曜日 ※祝日の場合は開館し、翌平日に休館
年末年始、展示替期間の臨時休館
千葉市美術館
http://www.ccma-net.jp/
〒260-8733 千葉市中央区中央3-10-8
TEL:043-221-2311
【開館時間】
10:00-18:00 (入場は17:30まで)
金・土曜日は、20:00まで開館 (入場は19:30まで)
【休館日】
毎月第1月曜日(祝日の場合は翌日)
年末年始(12月29日-1月3日)