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コラム
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財産分与で不動産を分ける際、
確認すべきポイントと方法、注意点

離婚することになると、子どもの養育や年金など、さまざまなことについての話し合いが必要になります。夫妻の財産を分ける財産分与もそうした手続きの一つです。中でも不動産の財産分与は複雑です。今回は、不動産の財産分与をする際の注意すべきポイントについて司法書士で税理士の渋田貴正さんが解説します。

POINT 01 財産分与とは?

財産分与とは、離婚に伴って、一方が他方に対して財産を分けるように請求することです。離婚することになると、出てくる問題の一つで、子の親権に関する問題と並んで離婚時の重要なポイントになります。

家や土地も財産分与をする必要がある

財産分与の対象となる財産は、婚姻後に形成した財産(共有財産)に限られます。共有財産であれば、現金や預貯金、株式などの有価証券のほかにも家や土地など金銭的価値のあるものが幅広く財産分与の対象となります。

財産分与の対象となるもの、ならないもの

共有財産であれば、不動産や動産など幅広く財産分与の対象となりますが、婚姻前から一方が保有していた財産や、婚姻後であっても相続によって取得した財産(特有財産)は、財産分与の対象とはなりません。ここで注意しておきたいのが、どの時点までの財産が財産分与の対象となるのかということです。財産分与は離婚によって発生しますが、法的に離婚する前に、離婚を前提とした別居をする場合があります。この場合は、原則として、別居をするまでに形成された財産のみが財産分与の対象となります。

別居後も家計は共通だったなど特殊な事情がある場合のみ、別居時点では離婚時までに形成した財産で一定の条件を満たすものも財産分与の対象になり得ます。基本的には、別居までの財産が財産分与の対象になると考えておきましょう。

財産分与の種類

ここで、財産分与の種類について考えてみましょう。財産分与には、以下の3つの性質があります。

■(1)清算的財産分与

財産分与の中心となる考え方です。夫妻が婚姻中に作り上げた財産は、夫妻の共有財産であるため、離婚によって清算することになります。基本的には、清算的財産分与については、2分の1ずつ分けるということが行われています。

■(2)扶養的財産分与

例えば、一方が働いて、他方が家事などで専業主婦(主夫)をしていた場合には、離婚により一方の収入の道が絶たれてしまうことがあります。一方が働いていて生活費のほとんどを得ていたとしても、それは他方の家事労働があってこそです。こうしたケースでは、財産分与でも、離婚後の扶養的側面を考慮されることがあります。

■(3)慰謝料的財産分与

特に、一方に原因があって離婚に至るケースでは、その精神的な苦痛を償うための慰謝料を財産分与の額に含めることがあります。

財産分与においては、清算的財産分与をベースに、慰謝料的財産分与の理由があればそれも考慮し、さらに扶養的財産分与も期間を定めて考慮されることがあります。

実際の財産分与の請求については、専門家である弁護士に依頼するなどしてやりとりをすることも多いと思います。ここでは、一般的な考え方として理解をしておきましょう。

POINT 02 不動産の財産分与をするとき確認すべきポイント

財産分与の中でも、最も扱いが難しいのが不動産です。金額が高額になる上に、他方が住み続けるのか売却するのかということで簡単には話が終わらない場合があります。

不動産が財産分与の対象となる共有財産となるケースは、夫妻共同で購入したもの(登記名義が夫妻共有のケース)のほか、婚姻中に一方の名義で購入したもの(登記名義が夫妻いずれか一方のみのケース)も対象となります。婚姻中に相続で引き継いだ不動産は財産分与の対象にはなりません。

まずは、不動産が財産分与の対象となる場合にチェックすべきポイントを確認しましょう。

ポイントその1 不動産の登記名義の確認

登記事項証明書の権利部(甲区)(所有権に関する事項)を見れば確認できます。全国どこの法務局でも登記事項証明書は取得できますし、婚姻中に購入した不動産であれば、登記したときの資料からも確認できます。

ポイントその2 住宅ローンの債務者や残債

住宅ローンの債務者や、住宅ローンがいくら残っているかといったことを確認します。債務者については、登記事項証明書の権利部(乙区)(所有権以外の権利に関する事項)の登記目的の欄を見ればどこ(誰)が抵当権を設定しているのか、また、いくらで抵当権が設定されているかが確認できます。

住宅ローンの残債については、住宅ローンの返済明細から確認することができますが、繰り上げ返済などをしているケースもありますので、借入先の金融機関に確認し、場合によっては残高証明書を取得する必要があります。

ポイントその3 財産分与に該当する期間

前述の通り、財産分与の対象となるのは別居時点までです。住宅ローンについても、別居時点での残債をもとに判断します。

ポイントその4 不動産の価値

不動産の価値には、固定資産税の評価額や路線価などさまざまですが、財産分与においては時価を用います。要はその不動産を売却するならいくらで売れるかという金額です。こうした市場価格については、不動産会社に査定してもらうなどして確認することになります。

ポイントその5 分配方法

不動産の財産分与をする際に、最も重要なのがこの分配方法です。分配方法には、売却して現金を分ける方法や、一方が住み続けて他方に不動産の価値の半分の金銭を渡すという方法があります。

どちらのパターンをとるかで財産分与の手続きも大きく変わってきます。この分配方法については、以下で詳しく解説します。

POINT 03 不動産の財産分与の方法

ここでは不動産の財産分与の方法について見ていきましょう。

売却処分して代金を分ける

不動産が財産分与の対象となる場合、その分け方には2パターンあります。一つは売却して、その代金を分割する方法、もう一つは一方が住み続けて、他方はその価値の半分を現金にて受け取るということです。

■①財産分与対象の不動産を売却して、その代金を分割する場合

まずは、財産分与対象の不動産を売却して代金を分割する方法です。この場合は、不動産会社に仲介してもらって、買主を見つけて売却する方法と、不動産会社に直接買い取ってもらうという方法があります。現金化できないと財産分与も行えませんので、どちらの方法で行くのかを含めて、よく不動産会社と相談しましょう。

■②一方が財産分与対象の不動産に住み続けて、他方はその不動産の価値の半分を現金にて受け取る場合

次に、一方が財産分与対象の不動産に住み続けて、他方がその不動産の価値の半分を現金で受け取る方法です。不動産の価値は、時価を用いるのが一般的です。不動産の査定をもとに価格を確定させて、その半分を渡します。ただし、この方法の場合、不動産の売却は起こらないので、不動産の価値について、不動産鑑定士などのプロに直接依頼するといったことも必要になるでしょう。

住宅ローンがある場合の財産分与

次に住宅ローンがある場合の財産分与について考えてみましょう。住宅ローンがある場合、不動産の価値が住宅ローンの残高を上回っている状態(アンダーローン)と、不動産の価値よりも住宅ローンの残高が多い状態(オーバーローン)で事情が異なります。

■アンダーローンの場合

アンダーローンであれば、売却して現金を分け合うパターンでも、一方が住み続けるパターンでも話はそれほど難しくありません。売却するなら、まずは売却代金で住宅ローン全額を返済して、残額を分け合えばよいですし、一方が住み続けるなら、不動産価値からローンを除いた金額を分けつつ、残った住宅ローンは住み続けるほうが返済し続ければよいでしょう。

■オーバーローンの場合

問題なのはオーバーローンの場合です。オーバーローンでは、たとえ不動産を売却したとしても住宅ローンが残ります。住宅ローンが残るということは、通常は抵当権が残っているということです。抵当権が残っている不動産には、普通買い手はつきません。オーバーローンの物件を売却する場合は、オーバー部分については共有財産である預貯金で支払った上で売却をして、売却代金を分け合うということになります。

■どちらかが住み続ける場合の住宅ローン

次に、どちらか一方が住み続ける場合の住宅ローンの取り扱いについても見てみましょう。
この場合、以下のパターンが考えられます。

一方が債務者で、そのまま住み続けるパターン

借りている人がそのまま住み続けるので、特に住宅ローンの問題もありません。財産分与で、金銭的な清算が終われば、後は住み続ける人が住宅ローンを返済していくだけです。

一方が債務者で、他方が住み続けるパターン

住宅ローンを返済する人と、住み続ける人が別のパターンです。この場合は、住んでいないほうが住宅ローンを返済していくことになります。住んでいるほうからすれば、住宅ローンの返済が行われるかということが気になります。万が一、住宅ローンの返済が滞れば家が競売にかけられるといった恐れもあります。

それでは、「住み続ける人に住宅ローンの債務者を変更すればよいのでは?」という疑問も浮かんできますが、話はそう単純ではありません。

住宅ローンを借りるには審査があります。その審査が通ったのは、収入など債務者個人の状況が基準をクリアしていたからということになります。そのため、債務者を変更するにも、住み続けるほうが新たに審査を受ける必要があります。同じ金融機関で債務者を変更するにも、別の金融機関で住宅ローンを借り換えするにも、審査が通らなければいけません。

債務者変更ができなければ、住み続ける人にとっては、どれだけ住宅ローンの返済がしっかりと行われるかということが重要です。そのため、後述のような公正証書を作成することで、返済を担保するということが行われます。

■夫妻共同で住宅ローンを借りている場合

さらに、夫妻で住宅ローンを借りているケースもあります。それぞれが別々の住宅ローンを借りるペアローンであれば、一方の住宅ローンを他方に引き受けてもらうには、新たに審査が必要です。一つの住宅ローンを夫妻で返済していく連帯債務型であれば、金融機関との契約を変更して単独の債務にしてもらう必要がありますが、これもハードルが高いでしょう。

不動産売却についてはリブネスコラム「不動産売却の流れや手順を知ろう!」をご覧ください。

POINT 04 離婚時の財産分与における注意点

離婚時の財産分与について、そのほか注意しておくポイントをまとめてみました。

(1)財産分与の請求ができる権利は2年間

財産分与の請求ができるのは、離婚成立から2年間です。2年を経過すると、いくら財産分与の対象となる財産があったとしても、請求ができなくなります。ただし、これは請求の話で、離婚成立から2年以内に財産分与を完了させなければならないということではありません。

(2)不動産の連帯保証人になっている場合は返済義務を負う場合も

先ほど、ペアローンや連帯債務について書きましたが、もう一つ注意しておくのが住宅ローンの連帯保証です。連帯保証とは、直接の債務者ではありませんが、もし債務者が返済できなくなったときに、代わりに返済する義務を負わなければならない契約です。

家に住み続ける場合でも、住み続けない場合でも、住宅ローンの連帯保証をしていれば、返済が滞ったら、自分に返済するように請求が来てしまいます。住宅ローンの契約を確認して、自分が連帯保証人になっていれば、財産分与の状況に応じて連帯保証を外すように金融機関に交渉をすることも必要です。

とはいえ、住宅ローンを組む時の審査の一つの条件として連帯保証がありますので、必ず認められるわけではありません。

万が一、自分が連帯保証人として、住宅ローンを支払うことになってしまえば、支払った分を相手に請求(「求償」といいます)することもできます。

(3)離婚協議書を公正証書化する

例えば、一方が家に住み続けて、他方が住宅ローンを支払う場合、住宅ローンの支払いが滞って競売にかけられると、その家に住み続けることができなくなります。このように、いったん決めた財産分与の内容でも、一方が金銭の支払いをストップして、他方が被害を受けるということがあります。

そのため、離婚協議書を公正証書で作成するという方法があります。公正証書とは、公証役場で作成する書類です。公正証書があれば、返済が滞った場合に、裁判を経ずに差し押さえなどの強制執行が可能となります。

まとめ

不動産の財産分与には、売却するのか、どちらかが住み続けるのかといったことから、その財産価値はいくらなのか、住宅ローンが残っていればどうするのかといったさまざまな検討事項があります。

もし、離婚ということになれば、早めに話し合いの場を設けて双方で話し合いましょう。2年という期間の制限もありますが、時間が経過するほどに解決が難しくなることもあります。早め早めに動くことが重要です。

不動産など家族だけでは踏み込みにくい財産分与の話も、専門家のサポートを受けることでスムーズに進むケースもあります。不安を感じるようであれば、弁護士などの専門家や不動産の専門知識を持つリブネスに相談するのもひとつでしょう。

財産分与の基本や注意点については掘り下げて知る必要がありますが、ある程度の知識や流れを頭の中に入れておくと心構えができますし、事前に準備をすることもできます。ぜひ「財産分与ガイドブック―手続きや流れ、注意点まで―」も参考にしてください。

財産分与ガイドブック ダウンロードはこちら

司法書士・税理士 渋田貴正さん
税理士、司法書士、社会保険労務士、行政書士、起業コンサルタント(R)。起業コンサルV-Spirits(https://v-spirits.com/staff)グループ所属。

写真:Getty Images

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