観光地としても名高い京都最大の花街。八坂神社の門前町として発展した街で、地区内にはお茶屋や料亭はもちろん、南座をはじめとした演芸場もある。南北に走る花見小路通を散策すれば、石畳の道や紅殻格子(べんがらごうし)のお茶屋など、花街情緒を存分に満喫できる。
先斗町は鴨川と木屋町通の間を南北に通るエリア。石畳の狭い通りが特徴で、お茶屋のほか大衆的な飲食店も並ぶ。通りの東側は鴨川に面しているため、夏場には川のよく見える場所に座敷を設けた「川床」が楽しめる店も多い。
宮川町は京都市東山区、鴨川の東に広がる花街だ。しっとりと落ち着いた雰囲気が魅力で、提灯の明かりに照らされた石畳の道には京都らしい風情が漂う。ちなみに、京都の花街それぞれに紋章があり、店先に吊るされた提灯にはその街ごとの紋章が描かれている。
敷居を高く感じてしまいがちな花街だが、常連客でなくても入れる店は多く、中には昼のランチのみOKという店もある。ちなみに外にメニューを掲げている店は、一見さんでも入りやすいので目安にすると良い。また、花街には伝統的なお茶屋だけではなく、気軽に食事を楽しめる料理屋もひしめく。
宮川町にある割烹・会席料理屋「宮川町 水簾」もそのひとつ。元々は奈良で営業していたが、2012年に現在の場所に店を移した。料理長の島谷さんは「花街はレベルの高い料理屋が集まるエリア。街の雰囲気に気後れせず、一度暖簾をくぐってほしい」と話す。
花街でお気に入りの一軒を探してみてはどうだろう。