大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

入居テナント様、
入居テナント様と
地域のニーズに寄り添い、
2026年度も変わらず
物流施設の開発を続けていきます

2026/04/21

  • #物流効率化法
  • #物流DX
  • #DPL
  • #地域共生

「ハウジング・ソリューション本部」と「ビジネス・ソリューション本部」体制へ再編されて1年。2026年度を迎え、新たな変革と挑戦によって、社会課題の解決を目指す、建築事業本部長 更科雅俊にお話をうかがいました。

物流は企業活動に必要なもの、社会インフラとしてなくてはならない機能

インタビュアー(以下:I)
2026年度、物流施設の提供について、どのような計画をお持ちですか。
更科雅俊(以下:S)
不動産、建築の開発事業においては、昨今、働き手の不足、建設費の高騰、建設業における2024年問題などの影響があり、環境は非常に厳しい状況にあります。
その中においても、物流施設の提供は変わらず大和ハウス工業の事業の柱です。自社による建設に加え、グループ会社にはフジタもあります。さまざまなリソースを活用し、歩みを止めずに、開発を継続して進め、例年と同等に取り組む予定です。 テナント様の需要については、例年と変わりなく、安定して需要があるという肌感覚を持っています。一時期、全体として供給過多で需要と供給のバランスが崩れていたこともありましたが、ここにきて着工棟数が減少していることもあり、需給バランスは落ち着くのではないかと見ています。適切な規模を適切なエリアに供給すれば、需要は間違いなくありますので、継続して取り組んでいく方針です。

I:
エリア戦略としては、どのようにお考えですか。
S:
国内では、全国津々浦々の支店で取り組むという方針は今までと変わりありません。どのような地域にも物流は必要です。当然首都圏が圧倒的に多くなりますが、どの地域においても、適正な規模、適正な条件の物流施設を投入すれば、必ず使ってもらえます。
今はサプライチェーンの国内回帰の傾向があり、生産施設がかなり増えています。工場周辺には、メーカー系の物流施設、倉庫がこれからもまだまだ必要になります。例えば半導体であれば、よりクリーン度の高い物流センターや、さらに重い物を入れる倉庫が必要になるかもしれません。地域に合わせてなるべく最大公約数となる施設をつくり、なおかつ特徴が出せると、入居テナント様にとっても使い勝手が良いものができていくはずです。特定の地域に注力するというより、地域の声を拾って提供していこうと思っています。
I:
業種としてはいかがでしょうか。
S:
冷凍や危険物を扱う倉庫の要望は増えています。法律上これらを厳密に分けて保管する必要もありますので、施設側で対応することも視野に入れて取り組んでいます。
全体で見ると、使用用途の広がりを実感しています。さまざまな需要がありますので、活用の汎用性を考えると、「これしかできない」と限定するのではなく、なるべく多くの使用用途に対応できるものをつくりたいと思っています。
例えば、都市部においては、近隣に迷惑をかけないようにするため、トラックが見えないように建物を覆ってしまう倉庫もあります。さすがに道路から入るところは見えますが、入ってしまえばどこにトラックがいるのか分かりません。その囲いの中で、地域貢献として、施設内にスペースを提供し、地域の方々の交流の場にしてもらうことも可能です。
また、有明でのユニクロ様のように、当初は倉庫を想定していたのが、オフィスになる施設、建物の中に植物工場やハンドボール練習場、稽古場、スタジオなど、思いがけない用途として活用されるケースもあります。倉庫は大空間で、荷重が取れて、階高が高く、しかも駅から歩いて行けるなどのニーズに対応する物件では、私たちも予想しない使い方をされています。
I:
それだけ、施設としての汎用性が高いということでしょうか。
S:
お客様から、「こういう使い方はできないか」と相談を受けることから始まり、「こうやってやればできるのではないか」と、設計を入れて法的なチェックをしたり、図面やパースを描いたりしていくと、「意外とできますね」となって進んでいきます。
今後は、もう少し汎用性を高め、最上階の階高が10mあるといった施設がつくれないかとも考えています。経済合理性から、現状では難しいのですが、実際にそうしたリクエストもあります。物流施設の汎用性の高さを改めて感じます。やはり、テナント様の要望を聞きながら対応するのが、長い目で見て一番良いと思っています。
I:
今年度の竣工予定のDPLで、特に注目されているものはございますか。
S:
上期では、「DPL久喜宮代Ⅱ」が竣工します。これはいわゆるBTS(Build To Suit)と言われる一棟借りで、チルド系では日本でもあまり見ないような先進的な機械が入ります。道路の反対側にはマルチテナント型の倉庫「DPL久喜宮代Ⅰ」があり、これでマルチとBTSが揃うので、このエリアでの地域共生活動とともに、街を挙げて盛り上がるような取り組みをしたいと思っています。
また、「DPL大阪南港Ⅰ」が竣工し、ここにも冷凍・冷蔵の機能が入ります。大阪では、DPL大阪舞洲とこのDPL大阪南港Ⅰが冷蔵倉庫を備えた施設として先駆けてスタートします。2027年1月には「DPL大阪南港Ⅱ」も予定していますので、私たちの冷凍・冷蔵倉庫の取り組みにおける、一つの試金石になると期待しています。

総合物流施策大綱にも対応したDXへの取り組み

I:
テナント企業の需要の変化はお感じになりますか。
S:
現在、世界情勢も含めて不安定な中で、サプライチェーンを切らさないよう自分たちで在庫を持つ拠点をしっかり整備して安定供給を維持するという流れがあります。効果的なサプライチェーン構築のための統廃合も進んでいますし、冷凍や冷蔵といった温度管理を必要とする施設の需要も増えています。多岐にわたってさまざまな需要があり、経営戦略における、物流業務、物流施設の重要性が高まっていると感じています。
I:
「物流統括管理者(CLO)」の選任がまさにこの4月から義務化されましたし、物流戦略が経営に近づいたということでしょうか。
S:
もちろん各企業のスタンスによりますが、かなり経営に近いところで物流をしっかりつくろうという意思を感じます。私たちは各テナント様との接点を最も重視しています。それが最終的には投資家の皆様のリターンにも繋がっていきますので、その源として、建物を使ってもらう人や企業を大切にしています。どのような困り事があり、課題はどこにあるのか。そこに一歩も二歩も先んじて手を打っていけば、選ばれる施設になっていくと思います。
もともと物流は企業活動に必要なもの、社会インフラとしてなくてはならない施設、事業だと思ってきました。それが今やっと注目されて光が当たっていると感じています。私たちももっと前に出て展開していきたいと思っています。
I:
先日、国土交通省から物流に関する施策が発表されました。5年先を見据えたこの施策に対して、大和ハウス工業としての取り組みやお考えを教えていただけますか。
S:
今までずっと言われてきたことを、さらに具体的にしていくフェーズにきているのだと思います。「ものが運べなくなる」という危機感は、2024年問題と言われる頃からありました。省人化やDX化というところで、不動産開発をする立場として、大和ハウス工業がどのようなお手伝いができるか、以前から取り組んできましたが、より具体的に進める必要があると考えています。
倉庫内作業の人手不足についても、グループ会社にはダイワロジテックがあり、そこを通じて出資しているパートナー企業もいますので、連携することで、DX化がより具体的に浸透するフェーズに進みます。今までは、DXの必要性を感じるものの、実際に導入するまでもう一歩という感じでしたが、これからは、より使いやすく、本当に使われるものになっていくと思います。
I:
DXへの新しい取り組み、今後1〜2年で計画していることはございますか。
S:
一つは以前から取り組んでいるHacobu社のソリューションで、バース予約システムをDPLに標準装備しています。CLOは自分たちの荷物がどこで滞留し、待機時間がどれくらいあるのか把握して報告しなければなりません。 バースにカメラをつけて、実際に作業時間がどれくらいかかっているのか、システムだけでは見えないところを可視化する実験にも取り組んでいます。
また、GROUND社と提携して始めた「GWES」という基盤システムのサブスクモデルサービスもあります。一般的に、全国に拠点を持つ企業がDXを導入しようとすれば、大きなイニシャルコストがかかります。また、2,000〜3,000坪のDPLを借りている入居テナント様では、大きな初期投資はリスクもあります。「ランニングで支払える仕組みがあれば導入してみたい」「自分たちに合わなければやめられる」、そうしたニーズを踏まえ、GROUND社と協業して、新しい取り組みとして始めました。

「GWES」のイメージ

作業のボトルネックを見つけると、センター長の代わりに「人をここからこっちに回した方がいい」など、AIが指示を出してくれるオプションプランもあります。センター長が不要になるというわけではなく、センター長をサポートする役割を担うサービスですので、どんどん使って業務効率を上げていただきたいですね。大和ハウス工業のDPLに入るメリットとして認知してもらえると嬉しいです。
I:
社内でのDX活用はいかがですか。
S:
すでにデジタル化は進んでおり、募集状況や賃料は常に提示できるようになっていますが、通常の業務にもっとAIを入れようという動きもあります。データが容易に取れるようになったことで、エリアの賃料の相場、どのような荷主様がいて、どんな施設が合うのか、瞬時に見ることができます。次のステージとして、それをAIで分析してレポートを出すところまでやりたいと考えています。ただ不動産の難しいところが、このエリアにこんな施設がほしくてもその土地がないという、現実とのギャップがどうしてもあります。二つとして同じものがないところが難しさでもあり、面白さでもあります。

BIZ Livness(ビズ・リブネス)として古い施設を生まれ変わらせる

I:
BIZ Livness事業によって、ストック物件の活用もさらに進みそうです。
S:
一つの企業向けに物流施設をつくって、その企業が例えば20年で撤退した時、その建物を潰すのではなく、また次の使い方を考えることが大切です。自分たちの専用性を出したいというニーズと汎用性のハイブリッドで、「未来永劫使える建物をどこまで考えるのか」、それが、建設スキルを持っている私たち建築事業部がやるべきことだと思っています。
BIZ Livnessの事例でも、工場が倉庫になったり、倉庫が工場になったり、さまざまな使い方がされています。そういう意味では、しっかりした建物をつくっておくことが重要です。一方、「先にここをこうしておけば、もう少しうまくできたのに」と思うこともあるので、なるべく最初に投資して、準備しておくことも大切です。それが、大和ハウス工業の長いノウハウの蓄積の集大成になると考えています。
I:
BIZ Livnessの可能性は非常に大きいと思います。
S:
私たちが今まで手掛けてきた多くの建築施設が、巡り巡って活用されています。 DPLだけでなく、お客様の工事で請け負ったものが、改めて統廃合されて不要になったという話も聞きます。それを買わせてもらって、もう一度BIZ Livnessで生まれ変わらせることも、最近は増えてきています。
以前はリース会社と一緒に、事業用定期借地権前提の組み立てをしていました。20年後に更地にして再建築するのが前提でしたが、BIZ Livnessのようなかたちで20年後も続く施設づくりをするのであれば、考え方も変わってきます。
シンガポールでは、古い倉庫をデータセンターに変えるケースもあるそうです。コンバージョンで、倉庫がしっかりした免震の強固なデータセンターに変わる。そういう世界もあるのではないかと思っています。
I:
それを日本でやれたら画期的です。
S:
十分できると思います。建物はそんなに変わりません。仮に、十分な電気が供給されるのに10年〜20年かかると言われている地域があったとしても、しっかりした躯体さえつくっておけば、10年間DPL倉庫として使って、電気がきたらデータセンターに変えることもできます。そういったことも視野に入れて建物をつくりたいと思っています。

地域との共存も強みのひとつ

I:
地域と密接にやっていくことも、一つの大きなテーマにされています。
S:
昨今、物流施設は生活に必要なものというイメージが浸透してきています。開かれた物流施設として、地域の方々に開放してイベント等を開催すると、地域の方も興味を持っていただけるのではないでしょうか。物流は縁の下の力持ち的なところがあるので、 目の当たりにしてはじめて興味を持つ方もいらっしゃいます。「この建物はこんなことをやっていたのか」「物流ってこんな仕組みになっていたのか」など、知ってもらうことで理解度が高まり、働いている人の顔が見えて、親近感を覚えてもらえます。中に入居するテナント様からも、企業としてのSDGsの取り組み、サステナブルな発想でそういった取り組みをしたいという声も増えています。それが入居するテナント様の企業イメージ向上につながり、実際にそこで働いている人たちの誇りになることも願っています。
こうした取り組みは徐々に広がっており、弊社のメンバーもやりがいを持っています。グループ会社で施設管理を担う大和ハウスプロパティマネジメントと連携し、入居テナント様、そして地域の方々と一緒に施設、地域を盛り上げていきたいですね。

DPL江東深川で開催した「FUKAGAWA MARCHE」での「COCOLAN」の鉢植え体験会の様子

I:
物流センターには防災としての機能もあります。
S:
物流施設は災害に強い建物です。建物は耐震で守れるのですが、荷物を守り、スタッフの怪我を防ぐためには、免震が非常に有効です。医薬品の倉庫であれば、災害があってもすぐに出荷しなければなりませんし、食品も同じです。
また、建物自体が防災的な機能を持っていますので、いざという時は、地域の方に一時避難に使ってもらうことも可能です。そのためには、まずは知ってもらうことです。防災訓練にも参加していただいていますので、その輪をもっと広げていきたいと思っています。
現在、大和ハウス工業は低層での免震も開発しています。免震装置は4階建て、5階建ての高い建物の方が効果ありますが、経済性を考え、低層でも使えるものをオリジナルで研究開発していますので、採用に向けて進めていきたいと思っています。
BCP(事業継続計画)は物流施設にとって命綱であり、インフラだという意識を皆で持たないといけません。すぐに目先の利益を追うのではなく、働く人たち、地域、将来性を考え、免震にチャレンジしたいと思います。
I:
長年取り組まれている、自然環境との共存のお話もあります。
S:
未来に対する施策は、長期の視点と強い意志がないと取り組めないことです。資源のない日本だからこそ、また、これだけの開発をしている大和ハウス工業だからこそ、強い意志と使命感を持ってやらなければならないと思っています。
現在、DPLのほぼ100%で太陽光パネルを乗せています。お客様の建物でもなるべく乗せていただいています。環境エネルギー事業部がビジネス・ソリューション本部にありますので、連携して、蓄電池の取り組みも拡げていきたいと思っています。
I:
海外展開はいかがでしょうか。
S:
アメリカで昨年竣工した5棟は順調にリーシングや売却が進んでおり、道路を挟んだ向かい側で、また同じようなプロジェクトが今年着工します。そこもすでに引き合いがあり、アメリカ経済の強さを実感しています。予想を超えたスピード感と、インフレがあっても、経済条件的に力強さがあります。
人口が増加していることもあり、住宅が売れているのは非常に心強いです。住宅が売れるということは、家具メーカーや関連企業の需要もあります。一方でデータセンターやAIが盛んなので、半導体の装置メーカーなど、さまざまな需要があります。アマゾンを筆頭にEC関連の倉庫の需要もあり、まだまだ期待できそうです。
今はテキサスとヒューストンしかできていませんが、テキサス以外の都市、東海岸や別エリアにもチャンスがあれば出てみたいと考えています。
ASEANにおいては、日系企業の進出は少ないのですが、中国、韓国、台湾などアジアの外資系、あるいはヨーロッパの物流テナントの力強さを感じます。中東の情勢にも影響を受けるので注視が必要ですが、基本的にはやはり物流賃貸倉庫、DPLの開発を進めたいと思っています。慎重に情勢を見極めながら、ASEANでも一つずつ進めていきたいと思っています。

国際情勢を含め、状況の見極めは簡単ではありませんが、入居テナント様、地域のニーズ、需要の高まり、期待の高さを実感していますので、私たちに与えられた役割、使命を改めて問い直し、2026年度も物流施設を中心とした産業用の施設の開発に取り組んでいきたいと考えています。

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