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CASE7

介護施設

介護老人保健施設 ピエタ

所在地:
愛知県一宮市
構造:
鉄骨造
延床面積:
4,233m2
竣工:
2021年9月
用途:
介護老人保健施設(100床)、通所リハビリテーション(40名)

40年近くに渡り地域医療を支えてこられたのが医療法人来光会様。同法人では、在宅復帰に向けた包括的なケアに取り組まれており、その核となる拠点が2017年4月に新施設に建て替えられた尾洲病院と1993年開設の介護老人保健施設ピエタです。
今回、超強化型老健としてのさらなる機能強化と職場環境の改善を目的に、移転新築計画を進めてこられました。

尾洲病院様の新病院への建て替え(2017年)についてはこちらでご紹介しています。

計画のポイント

POINT 1施設計画の充実に向けて新たな建設地を確保

既存施設は、尾洲病院に隣接。病院の建て替えの際は駐車場のスペースに建設し、その後は跡地を駐車場として活用されていました。同様の手順で新施設の建設も検討されましたが、慢性的な駐車場不足という課題もあり、近隣地域で適地を探すこととなったのです。その結果、病院から徒歩5分ほどの位置に約1,280坪の土地を確保することができました。

周囲は閑静な住宅地。さまざまなプランの中から、隣地の関係性を重視し、西向きの建物配置となりました。また、療養室への西日の影響を抑えるため、壁面に木目調の格子(ルーバー)が取り付けられており、そのデザイン性も併せ、尾洲病院の横ルーバーとの親和性を図っています。

POINT 2「脱・施設」をコンセプトに、快適さにこだわった空間づくり

介護老人保健施設であるピエタでは、ほとんどの利用者様が短期の入所であるため、たとえ短い期間であっても快適で楽しい療養生活を送っていただけるよう、療養室はもとより共用部分のさまざまな箇所において、住宅や旅館を思わせるような工夫や空間設計が施されています。

療養室は、4床室×22室、2床室×4室、個室×4室の構成。大部分を占める4床室は、移動式の家具を効果的に利用することで、利用者様が落ち着いて過ごせる個室的多床室となっています。

POINT 3スタッフの「働きやすさ」に徹底してこだわる

新施設は、人材確保と雇用維持のため、「働きやすい環境づくり」にもこだわっています。なかでも大きな特徴として挙げられるのが、50床×2フロア(2・3階)の療養室の配置。これにより、人員配置数を抑制でき、作業の負担軽減も図れます。

建物の中央に配したスタッフステーションからは、全ての療養室・廊下の様子がうかがえるだけでなく、各室へのスムーズな移動が可能となっています。

お客様の声

周辺環境・医療ニーズの変遷に対応し、半永久的な地域への貢献を果たす。

医療法人来光会 理事長・病院長・施設長 𦚰田 久 様

1988年(平成元年)の老人保健法の改正によって本格実施となった老人保健施設。1992年には、当法人も老人保健施設ピエタを開設しました。また、2000年には介護保険法の施行により介護老人保健施設となったのですが、病院と在宅復帰の中間施設的な当初の役割も時代とともに徐々に変化していき、いつしか特別養護老人ホームと同様「終の棲家」的な存在となってしまっていました。そんな中、2018年の介護保険法改正で「介護老人保健施設の役割は在宅復帰・在宅療養支援である」と、その在り方がより明確化され、在宅復帰・在宅療養支援機能をさらに推進するべく5つの区分が設定。以来、私たちのピエタは、最も高い基準を満たす「超強化型老健」として、尾洲病院とともに法人全体で取り組む在宅復帰支援の中心的存在を担ってきました。

当法人では、2017年4月に回復期リハビリテーション機能の向上を、施設面からも図っていこうと、病院施設の建て替えを実施。それから4年の月日を経て、新たな病院の運営が軌道に乗ったタイミングで、この度の介護老人保健施設ピエタの移転・新築計画に至ったのです。
新施設のコンセプトに掲げたのは、「旧施設が持つ在宅支援機能をどれだけ向上させるか」ということ。そのためには、利用者様だけでなくスタッフのことを最大限に考えた建物にする必要があると考えました。利用者様のためには2点、「短期の療養でも楽しく快適に過ごしていただける『脱・療養室』的な住宅感覚の施設づくり」、そして「費用面の負担を極力抑えるべく、多床室中心の療養室構成」です。もちろん、多床室でも快適に過ごせるよう、細部に工夫を凝らすことが重要となります。また、スタッフに対しては「働きやすい職場環境の創造」をテーマとしました。
ご縁があり、理想的な立地と規模の土地を入手できたのも幸運でした。以前よりも少し離れてしまいましたが、病院との連携も従来通り行えます。何よりもスタッフの働く意欲が想像以上に高くなっているのを実感しています。実は移転前、利用者様にアンケートを実施したのですが、「いままで以上の医療が必要となった場合、どうしたいか?」との質問に、ほとんどの方が病院ではなく「このままピエタを利用したい」と答えたのです。それは、常勤の医師がいるという安心感と、利用者の皆様の「在宅復帰したい」という思いの表れだと感じました。
今回の施設建設にあたっては、尾洲病院の建築実績に対する満足度から、大和ハウス工業さんにお願いすることにしました。あの時、ずいぶんと長い時間をかけ、ともに心が通じ合うまでに打ち合わせを重ねてきたことは強く心に残っていますから、「老健も大和ハウス工業さんといっしょにつくり上げたい」と思うのは自然なことでしょう。今回もこちらの要望にスピーディに対応していただき、満足いく出来栄えとなって非常に満足しています。特に、2つの建物の外観イメージの親和性は、私たち来光会グループの地域におけるイメージづくりにもつながっていくのではないかと期待しています。

尾洲病院様の新病院への建て替え(2017年)についてはこちらでご紹介しています。

尾洲病院とのデザインの親和性を高める木目調の格子は、直射日光を和らげる効果とともに、地域のランドマークとなりえる建物の高級感を演出しています。

1階の事務室前に設けられたセミオープンタイプの相談室。

広々とした1階のエレベーターホール。間接照明や色使い等で高級感を演出しています。

職員食堂。什器やその配置にこだわることで、食事をするだけでなくリラックスやリフレッシュできる空間となっています。

男性・女性更衣室ともに、気軽に利用できるドレッシングスペースが設けられています。

また、更衣室内には、尾洲病院に採用して好評だったシャワールームも設置されました。

病院と距離が生まれたため、従来は共有していた厨房を新たに設けました。

プライバシーに配慮し、個室感覚で過ごせる4床室。

アクセントクロスと床の色合いで、室内に変化を加えた2床室。小上がりの畳スペースは、利用者様のご家族が自由に使えるようになっています。

4室ある個室療養室。より高級感ある設えが施されています。

施設内の移動もリハビリテーションの一部にしていただけるような仕掛け。「今日は何m歩けた」といった目標となるよう、目標療養室前の廊下には1mおきに色の異なる床材を配しています。

療養室フロアには、機械浴室(計4漕)、一般浴室(2漕)が設置されています。

1階部分に併設された通所リハビリテーション(定員40名)の機能訓練室。

1階部分に併設された通所リハビリテーション。

 

通所リハビリテーションのお風呂。まるで温泉旅館のような雰囲気が演出されています。窓辺では、水辺の生態系を再現したビオトープによる小川のせせらぎや植栽などが楽しめます。

洗い場は、どの位置からも外の景色が楽しめるよう、𦚰田理事長のアイデアであえて斜めに設置しています。

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