診療所開業の意志を決定してから開業に至るまでには、さまざまな手順を踏まなければなりません。大和ハウスのシルバーエイジ研究所は、実績に裏打ちされた総合的な知識、経験、技術力をもって、診療所開業までのすべての手順をトータルサポートします。
地域に根ざした診療活動を通して社会の役に立ちたい、自分の医療に対するポリシーを実現したいなど、開業を決意する理由は様々です。
しかし、訪れる患者さんのニーズは常に“信頼できる医院”であり、“かかりつけ医”としての期待です。
開業に対する明確な理念とそれに基づく構想や事業計画がなければ、これらの患者さんの期待に応えることができません。開業に対する意思の積極的な取り組みが、医院の将来を大きく左右することになります。
すでに土地をお持ちの場合を除いて、開業候補地または開業候補物件を選定する必要があります。開業スタイルや敷地の広さ、資金、地域性などさまざまな要素を考慮して検討します。目安がついたら、その地域の立地調査や人口動態調査、競合調査などのマーケットリサーチを行い、データを収集・分析し、開業に適しているかどうかを判断することになります。
また患者数や収入予測など、経営プランを立てる意味でも重要性が高く綿密なリサーチが必要となります。
開業の基本構想を実現するためには、しっかりとした資金計画を立てる必要があります。開業に必要な資金、医業収入や医業費用、利益見込みなどを算出し、それにもとづく事業計画を作成します。事業計画は、金融機関からの融資を受ける際にも必要です。
ただし土地や建物等の十分な担保がない場合は、融資を受けるのが厳しい状況なので、資金調達のためのスケジュールには多少の余裕を持たせておくことが必要となります。
戸建て開業の場合は、設計に1ヶ月、着工から竣工までは規模にもよりますが、3~6ヶ月ほどを目安にしておくとよいでしょう。工期の狂いなども考慮して開業の時期を延期することがないよう余裕を持った計画が求められます。
開業にあたっては、初期の集客を高めるための広告・PRが必要になります。広告手段は新聞広告、折り込みチラシ、ポスターや看板、タウンページの広告欄などが考えられます。それらの広告内容の検討と広告の制作期間、掲載までに要する期間を踏まえ準備しておきます。
また開業前に地域住民を医院に招いて見学会を開催するのも、開業と医療活動に対する姿勢や考え方を直接伝えることができる有効なPR手段です。
医院を運営していくには、有能な人材を確保することが必要です。面接、選考、採用決定、その後のトレーニング等の期間を考慮し、改行までに十分な余裕を持って募集しましょう。広告手段としては、折り込みチラシや求人情報誌などが考えられますが、これらは申込んですぐ掲載されるものではないので、その期間も考慮した募集のための準備をしておくとよいでしょう。
開業前に職員のトレーニングをしておくことも重要です。看護婦、受付や事務など職種ごとに研修を行いましょう。さらに医師を含めて患者さんへの応対をトレーニングすることもこれからの医療サービス期間として評価を高めるために必要です。
また職員同士のコミュニケーションや開業に関するさまざまな準備の手伝い、医院の設備や配置等に慣れてもらうためにも、採用した職員にはたとえ短期間でも開業前に出勤してもらいましょう。
開業までには、行政や保健診療関連のさまざまな手続が必要になります。
最も重要なのは、「診療所開設届」と「保健医療機関指定申請書」。前者は医療法に基づいて診療所を開設したことを行政に届けるもの、後者は健康保険や国民健康保険で医療を行うために申請しなければならない書類です。
自治体によって締め切りや受理、承認の時期が異なりますので計画に狂いが生じないよう、事前に確認しておきましょう。