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2023年12月25日
中医協
長期収載品の保険給付範囲見直し案を了承、予算編成過程で正式決定
中央社会保険医療協議会・総会は12月15日、長期収載品(後発医薬品のある先発医薬品)の保険給付範囲見直しの内容を固めた。長期収載品を使用した患者からは後発品の薬価との差額の一部を追加負担として徴収。その水準について現時点では、価格差の1/2、1/3、1/4の3案があり、政府が2024年度の予算編成過程で選択・決定する。
長期収載品を使用する場面での保険給付と選定療養の適用判断は、▽医療上の必要性により医師が銘柄名処方(後発品への変更不可)をした場合などは保険給付▽銘柄名処方の場合であって患者の希望で長期収載品を処方・調剤した場合や、一般名処方で長期収載品を調剤した場合は選定療養▽薬局に後発品の在庫が無いなど後発品の提供が困難な場合は保険給付―などと整理。
選定療養の対象になる長期収載品の範囲は、後発品上市後5年を経過した品目及び、5年未満でも後発品への置換率が50%に達している品目とする。
追加負担の水準では、長期収載品と後発品の価格差の1/2、1/3、1/4の3案を選択肢として提示。長期収載品の薬価を超える負担の徴収や、標準として国が示す水準よりも低い額での徴収、追加的負担を徴収しないー対応は後発品の使用促進という施策の趣旨に反するため認めないこととする。
患者は薬局等で追加負担分と長期収載品の薬価から追加負担分を除いた額の1〜3割(保険給付に対する定率負担分)を合算した費用を支払う。例えば、長期収載品の薬価が500円、後発品の薬価が250円の場合、窓口負担3割の人の現在の負担額は150円だが、見直し後は▽価格差の1/2が追加負担の場合・250円(現行との比較・100円増)▽同1/3・217円(67円増)▽同1/4・200円(50円増)―にそれぞれ増加する。
入院時の食費は患者自己負担を30円引き上げ、670円に
入院時の食費の見直しも決まった。物価高騰による食材料費の増加を考慮した対応で、患者の自己負担(1食当たり)を現行の460円から490円に30円引き上げる。この結果、国が定める食費の総額(食事療養基準額)も640円から670円に増加する(保険給付部分の入院時食事療養費は180円で据え置き)。見直しの施行日は長期収載品の追加負担の水準と同様、予算編成過程で政府が決定する。
2024年12月15日時点の情報を基に作成