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2024年08月26日
厚労省が補助金の活用呼びかけ
電子処方箋導入率、病院1.84%、診療所3.90%
厚生労働省は8月9日、マイナ保険証の利用促進に関するオンラインセミナーをデジタル庁と共同開催した。この中でオンライン資格確認対応済み施設に占める電子処方箋運用開始施設の割合が全体で13.36%であることが明らかになった。施設種類別の導入率は最も高い薬局が41.11%、病院は1.84%、医科診療所は3.90%(いずれも8月4日現在)。
電子処方箋について政府は、2024年度中に概ね全ての医療機関・薬局への導入を完了することを目標に設定。これを前提に「医療DX推進体制整備加算」の施設基準の要件には25年4月から電子処方箋の導入が追加され、未導入施設は加算を算定できなくなる。
当該加算では24年10月からマイナ保険証の利用率が10%以上の医療機関等では実質的な評価引き上げとなる見直しが予定されており、厚労省はセミナーで加算財源や補助金を活用して速やかに電子処方箋の導入準備を始めるよう呼びかけた。
都道府県助成との併用で病院は最大1/2、診療所は3/4を補助
電子処方箋の導入費用の支援では、23年度補正予算で新たに都道府県による助成を行うための財源が確保済みであることも報告した。現在までのところ、青森県、秋田県、山形県、福島県、群馬県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、富山県、長野県、愛知県、三重県、大阪府、広島県、山口県、福岡県、熊本県―の18都府県での実施が決まっており、対象地域の医療機関では、社会保険診療報酬支払基金が窓口の既存の補助金と都道府県の助成金の両方の受給が可能。導入費用に対する財政支援の割合は病院が最大で1/2、診療所が最大で3/4になる見込みだという。
一方、デジタル庁はマイナ保険証と診察券の一体化のためのレセコン改修費用等の補助金制度について説明した。一体化はマイナ保険証1枚での受診を可能にするための環境整備を目的としたもので、診察券番号の手入力が不要になるなど医療機関の事務負担軽減も期待できる。補助上限額は、診療所が5.4万円、病院は再来受付機等の改修の有無やマイナ保険証の月の利用総件数などの条件に応じて28.3万円〜60.0万円。別に医療費助成受給者証との一体化のための補助金制度を設けていることも明らかにした。
2024年8月9日時点の情報に基づき作成