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2025年04月25日
厚労省検討会・中間とりまとめ
地域特性に応じた介護提供体制構築などを提言
厚生労働省の「『2040年に向けたサービス提供体制等のあり方』検討会」は4月10日、高齢者施策に関する中間とりまとめを行った。高齢化のスピードやサービス需要の変化の違いに着目して地域を分類し、それぞれの特性に応じた介護サービス提供・支援体制を構築することなどを提言した。
介護を要する高齢者の増加とそれを支える生産年齢人口の減少が進む40年に向け、介護サービス提供体制の再構築が急がれるが、その状況は地域によって大きく異なる。このため中間とりまとめは、人口減少・サービス需要の変化に応じて全国を「中山間・人口減少地域」、「大都市部」、「一般市等」の3つの地域に分け、それぞれの特性を踏まえたサービス提供体制や支援体制を構築していく方針を打ち出した。
このうち高齢者人口・サービス需要とも減少する「中山間・人口減少地域」については、サービス提供を維持・確保するための方策として、▽地域の中核的なサービス提供主体に地域に残り続けることや地域の介護事業者との協働化・連携の推進など、一定の条件・特別の役割を付した上で、これらの取り組みを促すインセンティブの付与や配置基準等の弾力化を行う▽訪問介護と通所介護等における配置基準等をより弾力化して人材等の行き来をしやすくする▽訪問系サービスの回数を単位とした報酬体系について、突然のキャンセル等による負担が軽減されるよう、包括的な評価の仕組みを検討するーことなどを提案。
需要急増が見込まれる「大都市部」はICT技術等の活用が課題
高齢者の増加により需要が急増する「大都市部」については、重度の要介護者や独居高齢者等向けにICTやAIを活用した24時間対応の包括的在宅サービスの検討を求めた。「一般市等」は高齢者人口が増減し、サービス需要が増加から減少に転じる見込みであることから、既存の介護資源等を有効活用しながら需給の変化に応じてサービスを過不足なく確保することを課題に位置付けた。
このほか、介護人材確保と介護事業者の経営改善に向けた支援、地域包括ケアにおける医療・介護連携の強化の必要性なども指摘した。中間とりまとめの内容は、社会保障審議会・介護保険部会の次期介護保険制度改正(27年度に施行予定)に関する議論に反映される。
2025年4月10日時点の情報に基づき作成