刺繍ひとつでオリジナルグッズに
誕生日にキャンドルを増やすメモリアル
ポケットなど、刺繍を入れる場所も遊び心で
刺繍ひとつでオリジナルグッズに
誕生日にキャンドルを増やすメモリアル
ポケットなど、刺繍を入れる場所も遊び心で
シューズケースやレッスンバッグ、巾着袋…。入園・入学や新学年で、新しい袋ものなどを準備する時期がやってきました。すべてが手づくりでなくても、お子さまのための小さなモチーフがついていれば、それは世界でひとつの宝物。初めてでもカンタンにできる刺繍のコツを、洋服作家の戸田純恵さんに教えていただきました。
「なかなか時間がなくて…という方こそ、気軽にやってみてください。そんなに難しくないことがすぐわかりますよ」という戸田さん。一度道具を揃えておけばいつでも気軽にできるので、ちょっとした合間ですぐに進められるのも魅力です。
まずは道具の準備。カラフルな刺繍糸を何色か揃えましょう。お子さまの好きな色を一緒に選ぶのも楽しいですね。刺繍糸についている番号は太さを示していて、数字が大きいほど細くなっています。初めての方なら、一般的な25番がおすすめです。
針は「フランス刺繍用」の針を選びます。番号によって針穴の大きさが違うので、セットで買っておくと便利。刺繍枠は布をピントと張って固定するものですが、なくても充分に始められます。
初心者でもカンタンにできるイニシャルから始めましょう。ここでは、いろいろなモチーフに使えるチェーンステッチを使います。
「刺繍糸は6本で1束になっています。70cmくらいに切り、3本を取って針穴に通し、玉結びに。6本の束を2つに分けるだけでもいいのですが、1本1本をバラバラにほぐしてからまとめると、ふっくらとした仕上がりになりますよ」
チェーンの「輪」の大きさがそろわなくてもあまり気にせず、どんどん針を進めていきましょう。
「不ぞろいでもそれが味になるし、チェーンステッチならアラが目立ちません(笑)。角の部分はいったん裏で玉止めして切り、もう一度刺すことから始めるときれいにできます」
刺繍のモチーフには、お子さまが描いた絵もおすすめです。
「小さい絵のほうがカンタンそうですが、細かい作業になるので実はちょっと難しいんです。のびのびと大きく描かれたシンプルな子どもの絵は、とても刺繍しやすいんですよ」
布に直接描くときは、水で消える下絵用のペンを使うと便利です。自分が一生懸命描いた絵が毎日使えるアイテムになれば、お子さまも大喜び! ずっと飾っておきたいアート作品にもなりますね。
目にするたびに楽しくなるカラフルな刺繍は、つくる人もあたたかい気持ちにさせてくれます。ひと針ずつに想いをこめて、オリジナルの素敵なモチーフと一緒に春を迎えましょう。
洋服作家・デザイナー。主に婦人服・子ども服を手掛ける。作品はアンティークの生地やボタンを用い、きめ細やかな刺繍を施したものが多い。至るところに遊び心を散りばめ、手に取った人が幸せな気持ちになれるような服作りを目指して活動中。