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子どもの遊びと学び②「スモールステップ」で親子のブレない絆を作ろう

子どもの発達には個人差があるとわかっていながら、あふれる情報や周りの子どもたちに接すると不安になってしまうことがありますね。「できる・できないの境目なんて親が自在に変えてあげればいいんです。目標を高くしたり低くしたりしながら、飛び越える気持ちよさを味わわせてあげることが大切です」と語るのは、埼玉県内で保育園、発達支援事業所を運営する中村敏也さん。その子自身に合わせた小さな目標を作ることで子どもは自信を持ち、親子の絆も深まる―。子育てのなかに、そんな「スモールステップ」を取り入れてみませんか。

難解な地図に悩むとき「→」がもたらす効果とは

子どもにとって、世の中はわからないことだらけです。持ち前の好奇心がいつも発揮される場面ばかりではないでしょう。大人だって、たとえ迷路を解くのが大好きだったとしても、あまりにも難しくて、いくら考えてもわからなければ、やる気を失ってしまうはずです。でも、もし地図のあちこちに矢印が書き足してあったらどうでしょう。小さな手がかりのおかげで俄然やる気が出てくると思いませんか。親の役目は子どもの生活に矢印を書き足してあげることだと思います。

具体的には、小さな目標「スモールステップ」を作ることです。たとえば、2歳児でパジャマの着脱を練習しているのであれば「一人でパジャマを着る」といった大きな目標ではなく、「ボタンは半分とめてみようか。残りはやってあげるよ」くらいから始めたらどうでしょう。スイスイできれば次のステップへ進んで、できなければ「一個とめてみよう」と下方修正すればいいんです。

就学前、ドリルなどに取り組んでいるお子さんなら、数字がよい目標になります。タイムを計り「すごいね。毎日がんばったから10秒も縮まった」「さすがだね。昨日より点数が上がってるよ」など、客観的なデータを理解できる年ごろですから、大きな自信につながります。ハードルの高さ低さにとらわれず、簡単なハードルをたくさん作ることで、子どもは多くの達成感を得て、自己肯定感を育てていきます。

子どもの発達に応じた叱り方で、親子ともにストレスをなくしていこう

叱るのも叱られるのも嫌なものです。それがもし、あまり子どもに届いていないとしたらお父さんお母さんはなおさらガックリしますね。じつは、3歳くらいまでは自分と他人の区別があまりできず、「自分のやることがすべて正解」くらいの気持ちですから、叱ってもあまり通じません。このころなら、やさしく「ダメだよ」「我慢しようね」と伝えるくらいでいいのです。もう少し成長して、たとえば折り紙を見せたとき「これは折って遊ぶ紙だよ」くらいに説明できるようになったら、だいぶ理論的な思考ができるようになったと判断し、「おもちゃを一人占めしたら、お友だちが悲しいよ」のような言葉を少しずつ理解できるようになっていきます。

成長につれて子どもは善悪の判断ができるようになり、親や先生から教わったことを記憶するようになります。ただ「ダメ」と伝えるのではなく、「これはいいこと?悪いこと?」、「どうしたらいいと思う?」というように子ども自身に考えさせることが必要です。「これは悪いことだから、お父さんに謝ってくる」、「おもちゃを片づけてからお出かけする」と自分で答えを出すようになるでしょう。叱ることもひとつのコミュニケーションですから単に謝らせて終わり、お説教して終わりではお互いにストレスがたまるだけ。子どもがどんなふうに問題を解決するかを見守るまでがひとつのトレーニングです。

就学前に身につけたいのは「自信」と「親子会話の習慣」

よく「就学前にどんなことを身につけたらいいですか?」と聞かれるのですが、私はなにかひとつ「自信」という宝物を持って入学できるといいなと思います。「小学校ってどんなところだろう?」「お友だちはできるかな?」とあれこれ考えている子どもにとって、「僕はかけっこ早いんだぞ」「私は絵が大好き」のように、得意なこと・好きなことは、自分を後押ししてくれる宝物です。簡単な文字や数字の読み書きを親子でいっしょに学んで「小学校に入ったら、こんなことをお勉強するよ。よくできているから、大丈夫だね」といった励ましも自信につながります。

幼稚園や保育園と小学校では生活環境が大きく変ります。子どもは少しずつ自立して、子どものネットワークのなかで遊ぶようになります。親にとって最大の情報源は子ども。今のうちから、一日の終わりに「今日はどんなことして遊んだの?」「楽しかったことナンバーワンはなに?」など、子どもに今日一日を振り返らせる習慣をつけていくとよいと思います。「楽しかった?」「お弁当おいしかった?」のように、「はい」「いいえ」で終わる質問ではなく、話題が広がる問いかけがよいでしょう。親子会話の習慣ができていれば、小学校生活でのトラブルを早期に発見できるメリットもあります。

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