お近くのダイワハウス

毎日の栄養、本当に足りていますか?「分子栄養療法」で健康になる

原因不明の体調不良や老化症状に悩む方から、自分に合ったサプリメントを知りたい方、将来の疾患を予防したい方まで…。健康意識の高い方を中心に、いま需要が増えている「分子栄養療法」。受診するメリットや、具体的な進め方について伺いました。

定期検査と栄養素の補給で、⾃分の健康をコントロール

「分子栄養療法」は、海外では1960年代から治療や民間療法に用いられ、日本でもがんやうつ等の精神症状、慢性疲労、アトピー性皮膚炎などの治療において成果を上げている治療法です。
治療の根本となるのは「栄養素をバランスよく摂る」こと。カラダの不調は栄養素のバランスの乱れから起こることもあり、必要な栄養素が適切な量で揃えばカラダの機能は正常に働き、不調の改善や健康維持に繋がっていく、という考え方です。
栄養状態を知るには、まずは自分のカラダがどうなっているかを詳しく知らなくてはなりません。そこで、分子栄養療法ではまず血液検査と尿検査を行い、通常健診では調べないものも含め、60〜100項目もの要素を数値化します(※表1)。この数値から、現在の健康状態はもちろん、栄養の状態やカラダの傾向値など、実にさまざまなことがわかります。

1)本当に必要な栄養素がわかる
栄養素は、カラダの複数の箇所でいろいろな用途に使われているため、過不足があると、その栄養素が関わるいくつかの数値でサインが見られます。たとえば、ALT(GPT)という酵素は、作られる時にビタミンB6と亜鉛を必要とします。⼀方、AL-Pという酵素には、マグネシウムと亜鉛が必要です。この2つの数値が目標値より低い場合は、まず共通する血液中の亜鉛の濃度を確認し、足りていないようなら補充を、足りているなら吸収を妨げている要因、もしくはビタミンB6やマグネシウムの不足を疑う…といったように、段階的な検証を行います。栄養素は不足しているともちろん良くありませんが、摂り過ぎもかえって害になります。この検証を繰り返すことで、本当にカラダが必要としている栄養素が何かを知り、適切な摂取ができるようになります。

2)栄養素の有効な活かし方がわかる
栄養素は単品で活躍するのではなく、チームを組んで初めて効果を発揮します。たとえば貧血改善のために鉄剤だけを飲んでも、胃や肝臓に負担がかかるだけ。鉄が有効に使われるためには、血液中で鉄を運ぶアルブミン(たんぱく質)と、吸収を助ける胃酸やビタミンCが不可欠なのです。診療ではこのようなチーム構成を前提にして栄養素の過不足を見ていくため、今まで無駄に摂っていた栄養素も、より有効に活かすことができるようになります。

3)カラダの得意・不得意がわかる
栄養素を吸収する力、吸収した栄養素を処理する力、栄養素から必要な成分を作る力の強弱は人によって違います。例えば「HOMA-R」は、血糖値を下げるインスリンに対する抵抗性を表しますが、この数値が高い人はインスリンを作るすい臓に負担がかかるため、普通の人よりも炭水化物の摂取量や摂り方に気をつけないと、糖尿病になるリスクが大きいのです。このように自分のカラダの得意・不得意がわかれば、栄養素の摂取量や摂り方を調整して弱点を補い、健康を保つことができます。

失敗

⼀般的な診療は、以下のような手順で行われます。

1)診察・カウンセリング
医師が分子栄養療法について説明。具体的な悩みなども合わせて伺います。

2)血液検査・尿検査
少量の血液と尿を採取します(食後から5時間以上の経過が必要です)。
※月経のある女性の方は、終了後、数日してから検査を行います。
自分のカラダをすみずみまで知りたい方、ホルモン系の問題を抱えている方、神経系のお悩みがある方には、詳細な尿検査の追加をおすすめしています。
★検査費用目安/血液+尿検査:15,000円/詳細な尿検査:50,000円(※医療機関による)
検査結果が出るまで、血液検査で約1 週間、詳細な尿検査で約2〜3週間かかります。

3) 結果報告、カウンセリング
検査の結果をふまえ、カラダの状態や栄養素の摂り方についてカウンセリングを行います。
●栄養素が不足している場合
・そもそも必要な栄養素を含む食材を食べているか(好き嫌い、アレルギーなど)
・食べていても吸収しづらい、栄養素を体内でつくりづらい体質なのかなどを細かく解き明かし、食材や食べ合わせなどで摂れる方法を考えて行います。
※食物アレルギーで食材を摂れない方、吸収しにくい体質の方、摂取量を正しくコントロールしたい方には、サプリメントを処方します。
●栄養素の過剰摂取がある場合
代替食や摂り方(食事の回数・量など)を⼯夫し、摂取を減らすための方法を考えます。

適量な栄養素の補充を続けると、だいたい1ヵ月ほどで体感が変わってきます。

4)カウンセリング・血液検査
3ヵ月後、各栄養素の血清レベルや体調の変化を確認するため、再度カウンセリングと血液・尿検査を実施。食指導やサプリメント処方を、アレンジしながら繰り返し行います。

最初のうちはしっかりと効果を⾒るために、3ヵ月毎の受診・検査がベストですが、日常的な健康のコントロールができるようになってきたら、定期健診の6ヵ月後に検査を入れるなど、半年に1度はカラダの状態を確認できるスパンで取り入れていただければ、健康管理に役立ちます。

伊藤 史子

ページ上部へ

Copyright DAIWA HOUSE INDUSTRY CO., LTD. All rights reserved.