サプリメントやドリンクなど、さまざまな方法で体内に摂取している「ビタミン」。中でも「ビタミンＣ」は、美容と健康のために日々の摂取に余念のない方も多く、日常生活に浸透しています。しかし、実は経口や経皮で摂取するには限界があり、血液の中に直接注入する点滴療法が今注目されています。
特に健康・美容の先進国でもあるアメリカでは、5～6 年ほど前よりビタミンＣの免疫力活性が注目されガンの補助治療として、ビタミンＣを大量に点滴で静脈に投入するビタミン療法が医療機関で採用されています。この療法はノーベル賞を2度も受賞し、ビタミンの父といわれたライナス・ポーリング博士による「メガビタミン主義」に基づいたもの。臨床結果として治療を受けた人の多くに肌トラブルの解消や疲労の回復がみられたことから、アメリカのビジネスワーカーや健康志向の方を中心に、医療だけではなく健康や美容目的で一般に広く浸透しました。
内服では摂取することのできない大量・超高濃度のメガビタミンＣを静脈点滴することで、体内の血中濃度を急激に上昇させるこの療法は、飛躍的に効果が期待できる点滴治療として、日本でも医療・美容の面で活用されています。はつらつとした元気と、透明感ある健康的な肌づくりを促す「メガビタミンＣ点滴」は、疲労回復効果や免疫力向上はもちろんのこと、美肌やアンチエイジングも。有害な活性酸素に対する抗酸化作用が強く、全身の倦怠感や疲労の回復を早め、さらにリンパ球の働きを高めることで免疫力を増強させ、風邪やウイルスによる感染症を予防します。

“健康と美容目的”で投与する量は、がんなどの“治療”に比べて少なく、ビタミンＣ（アスコルビン酸）20 グラム前後です。しかし、レモンに換算すると約800 個分。壊血病の欠乏症状を予防する量として、厚生労働省が定めるビタミンＣの1 日あたり適正摂取量は成人で100 ミリグラム。ビタミンＣ点滴では、この数値の150～250 倍のビタミンC を、約60 分かけてゆっくりと点滴で投与し、身体の内側からアプローチすることで、まんべんなく体内にビタミンＣを届けます。「でも、ちょっとビタミンＣの摂りすぎでは？」と、思う方もいるかもいれません。ビタミンには脂溶性と水溶性があります。ビタミンＡ、Ｄ、Ｅ、Ｋは脂溶性のため、肝臓や体の組織に蓄積されてしまうので、摂りすぎには注意が必要です。しかし、ビタミンＢ１、Ｂ２、Ｃなどは水溶性で蓄積しないと言われています。
ビタミンＣは、点滴で血管からダイレクトに体内をめぐり、必要としている各器官に配分され、充分に行き渡ったところで、尿となり体外に排出されます。点滴の当日は眠りにつきやすく、翌日の寝起きはよく、体がシャキっとした気分に。「疲れが溜まっているな…」と感じる方におすすめです。慢性的な疲れや、だるさを改善したい方には、1～2 週間に一度程度、継続することが健康維持にはよいとされています。
※シロノクリニックでは、防腐剤の入っていないMylanInstitutional 社製の超高純度ビタミンC のみを使用しています。