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~いま話題のグルテンフリーって?~

科学的な根拠は証明されていないものの、体調改善にダイエットと、いろいろな効果がささやかれている食事療法「グルテンフリー」。その理由や上手な取り入れ方などを伺ってみました。

グルテンフリーで体調がよくなる?

グルテンとは、小麦や大麦、ライ麦など麦類の粉をこねるとできる、たんぱく質の一種。もっちりとした粘り気が特徴で、パンのふっくら感やうどんのコシの元となるものです。乾燥麩のように製造段階でグルテンを除去してしまうものもありますが、基本的に麦類をこねて作るパンや麺類、お菓子や練り物などの食品には、すべてグルテンが含まれていると考えてよいでしょう。
 
グルテンフリーはこのグルテンを摂らない食事療法で、もともとはセリアック病やグルテン過敏症で悩む患者さんのために考案されたもの。これらの病気はグルテンが原因となって起こるため、グルテンを摂らなければ当然ながら症状が改善します。しかし、特にそういった疾患をお持ちでない方が、グルテンフリーを実践して体調が良くなった・ダイエットに成功した、という声はよく聞こえてきます。それにはいくつかの理由が考えられます。

一つは、グルテンアレルギーが緩和されている可能性。グルテンはアレルギーになる可能性が高い物質で、近年は日本でも多くの方が悩まされています。「グルテンが入っているものを食べても、とくに苦しくなるわけでもないし…」と思うかもしれませんが、実はよくあるのが「遅延型」のアレルギー。食べ物のアレルギーには、飲食してすぐに症状が出る「即時型」と、数ヶ月から数年かけて、じんわりと体調不良を起こす「遅延型」のものがあります。即時型は食品とすぐ結びつけられるため自覚しやすいのですが、遅延型は「なんとなく体調が悪い」という感覚で見過ごしてしまいがち。
 
グルテンを控えて
●倦怠感
●便秘や下痢
●鼻づまり
●のどのイガイガ感
●口内炎のような痛み
●肌荒れ・かゆみ
●関節痛
などが改善した場合は、グルテンに対して遅延型のアレルギーが出始めているのかも…。こういった方は、グルテンフリーを実行すると、体調が良くなることが期待できます。

糖の摂りすぎを防ぐ二次効果も?

また、グルテンフリーが体調改善やダイエットに効果があると言われるのは、食べる“糖”の量が物理的に減っているという可能性もあります。グルテンを含む穀物は炭水化物=糖であるため、穀物の摂取を控えめにすれば、必然的に糖の摂取量が減ることになります。
 
また、このところ “糖質制限ダイエット” が話題になっていますが、これは糖の摂取を抑えて血糖値の上昇を防ぎ、脂肪の溜め込みや、ホルモン・インシュリンの過剰な分泌を抑制するというもの。グルテンを含む食品は血糖値が上がりやすいものが多いので、これを雑穀など血糖値が緩やかに上がる食物に変えることで糖質制限のような状態となり、体調がよくなったり体重が減少するということが考えられます。
 
さらに、グルテンを摂らないもう一つのメリットは、食欲が抑えられること。グルテンを含む食品をつい食べすぎてしまうのは、旨味が強いグルテンに食欲を亢進する作用があるからです。これが抑えられるのも、ダイエット成功の一因となっているかもしれません。

このように、グルテンフリーにはいくつか良い点がありますが、疾患や強いアレルギーを持っていない限りは、完全に遮断してしまう必要はありません。ただ、先ほども述べたとおりグルテンはアレルギーを起こしやすいため、強いストレスにさらされていたり、妊娠期や更年期などでカラダの免疫力や体内環境が大きく変化する時に、症状が起こる可能性もあります。
 
●なるべく朝に食べる(夜は消化器官に長く留まるため、腸に悪影響を及ぼしやすい)
●同じものを毎日食べない(主食なら、グルテンを含まないものとローテーションで食べる)
●単体で食べない(肉類、野菜など異分野のものと組み合わせて食べる)
 
などを意識して、ほどよくグルテンフリーを取り入れれば、健康的に過ごすことができると考えられます。
これはグルテンに限らず、全ての食品に言えること。フードアレルギーテストなどで自分が弱い食品やスパイスの種類や適正量を知り、毎日の生活で上手にコントロールしていきましょう。

伊藤 史子

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