熊野磨崖仏(左/不動明王 右/大日如来)
ほとけの里「国東半島」の神仏習合
古来から国東半島にあった山岳信仰の場が奈良時代から平安時代にかけて仏教である天台宗の寺院の形を取るようになり、そこに宇佐神宮を中心とする神道である八幡信仰とが融合し、国東半島では『神仏習合』である「六郷満山」と呼ばれる独特な山岳仏教文化が形成されてきました。
国東半島中央の両子山(ふたごさん)から伸びる谷に沿って出来た六郷【来縄(くなわ、現・豊後高田市)・田染(たしぶ、現・豊後高田市)・伊美(いみ、現・国東市国見町)・国東(くにさき、現・国東市国東町)・安岐(あき、現・国東市安岐町)・武蔵(、むさし、現・国東市武蔵町)の六つの郷】が開け、その寺院群は、学問をするための本山(もとやま)、修行をするための中山(なかやま)、布教をするための末山(すえやま)の三つの群に分れ、合わせて満山と呼ばれていました。これらが「六郷満山」と呼ばれています。この様な由来から、国東半島にはたくさんの石仏、磨崖仏が多く観ることが出来ます。今回はこの代表格である「熊野磨崖仏」をトレッキングし、国宝「富貴寺」を訪ねてみました。
熊野磨崖仏トレッキング 案内所で拝観料を納め、竹杖を借りて山道登ります。鬼が一夜で築いたと伝えられる自然石の石段にかかります。この急勾配の石段を息を切らせながら登ると左方の巨岩壁に刻まれた、日本一雄大な石仏と言われる大日如来と不動明王が現れます。上りと下りをゆっくりとしたペースで約1時間、自然と古の文化に触れてみてはいかがでしょう。 |
穏やかな顔の大日如来 |
九州最古の木造建築「富貴寺」 富貴寺は平安時代に開かれた由緒ある寺院です。なかでも阿弥陀堂(この富貴寺大堂)は、宇治平等院鳳凰堂、平泉中尊寺金色堂と並ぶ日本三大阿弥陀堂のひとつに数えられ、現存する九州最古の木造建築物であり、国宝にも指定されています。 |
国宝「富貴寺」 |
DATA:熊野磨崖仏(約26.7km) [住所]〒879-0853 DATA:富貴寺(約30.1km) [住所]〒879-0841 |
熊野磨崖仏/鬼が一夜で築いたたと伝えられる石段 |
写真撮影:2009年7月