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スタッフからの現地便り

大山リゾート散策は、せせらぎの音とともに

  • 更新日:2012年04月02日
  • カテゴリ:自然観察
大山リゾート散策は、せせらぎの音とともに

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ロイヤルシティ大山リゾートを訪ねたのは10月下旬。大山の樹々が紅葉し始めた頃でした。

 
■左:コブシ(辛夷)の果実 モクレン科モクレン属
北海道から九州の山野に生育する落葉高木。3~5月、葉の展開前に白い6枚の花弁の花をつける。花には芳香がある。花の下に葉が1枚つく。果実の形が握りこぶしに似ていることから名前がついた。果実が熟すと裂開して赤い種子がぶら下がる。開花は農作業の目安にされる。
■右:ソヨゴ(冬青)の果実 別名フクラシバ モチノキ科モチノキ属
本州中部~九州に分布する常緑小高木。雌雄異株。6~7月、白くて小さな目立たない花をつけるが、長い柄で垂れ下がった実は秋に赤く熟しよく目立つ。葉が風にそよいで音をたてることからついた名。別名は緑の葉を焼くと膨らむことからついた。地方によっては縁起物として扱う。

 現地に着いてまず目に入ったのは、重たそうに実をつけたコブシでした。名前の由来である握りこぶしに似たゴツゴツした果実からは、朱色のタネがたくさん顔を出しています。今回はいろいろな種類の実を見ることができそうです。
 期待を膨らませながら南東に位置するF街区、E街区から歩き始めると、早速、濃い緑色の葉の間から赤い実をのぞかせているソヨゴをみつけました。赤い実が長い柄につく姿は、小さいサクランボのようです。
 
■左:ツルアリドオシ(蔓蟻通し)の果実 アカネ科ツルアリドオシ属
北海道から九州の山地林内に生育する常緑多年草。ツゲに似た葉をつけ地を這う。6~7月、枝先に2個ずつ白い花をつける。2個の花の子房は合着しているので、赤く熟した果実には2つの花のあとがある。常緑低木のアリドオシ(蟻も突き通すほど鋭い刺がある)に似て、地面を這う姿からついた名。
■右:ツルニンジン(蔓人参)の果実 別名ジイソブ キキョウ科ツルニンジン属
北海道から九州の野山や林内に生育するつる性多年草。8~10月、白みがかった緑色で内側に紫褐色の斑点がある鐘形の花を下向きにつける。花には悪臭がある。つるを切ると白い乳液がでる。根が高麗人参に似ていることからついた名。小型で全体に毛があるのはバアソブ(婆ソブ)。ソブは木曽地方の方言でそばかすのことで、花の斑点をたとえた。

 ロイヤルシティ大山リゾートの敷地内には、大山の伏流水が音を立てて流れる水路があります。その縁でツルアリドオシが小さな赤い実をつけていました。さらに進むと斜面に星形の実をみつけました。このユニークな形をしたのはツルニンジンの実です。実の形だけでなくジイソブという別名もユニーク。ジイソブの『ソブ』は木曽地方の『そばかす』の方言で、花に斑点があることからつけられたそうです。小型の種類はバアソブという和名がついています。そばかす顔のジイソブとバアソブ。いつかどこかで出会うことができるのを楽しみにしましょう。
  
■左:アキノキリンソウ(秋の麒麟草) 別名アワダチソウ キク科アキノキリンソウ属 
北海道から九州の日当たりのよい山野に生育する多年草。8~11月黄色い小さな花をたくさんつける。この姿が酒が発酵する時に盛り上がる泡に似ていることから別名がついた。ベンケイソウ科のキリンソウに似た花が秋に咲くことからついた名。
■中:ワレモコウ(吾木香、吾亦紅、割木瓜) バラ科ワレモコウ属
北海道から九州の日当たりの良い山野に生育する多年草。8~9月、花弁のない小さな暗赤色の花を楕円球状につける。名前の由来は、キク科のモッコウ(木香:根に芳香がある)から、神社の御簾などに入っていた紋(木瓜)が割れた形に蕾が似ている事から、吾も紅なりと言ったから、などがある。
■右:ブタナ(豚菜) キク科エゾコウゾリナ属
ヨーロッパ原産の多年草。タンポポに似ているが草丈が高く50cm以上にもなる。6~9月、タンポポに良く似た黄色い花をつける。葉は地面に張り付くように広がり、荒い毛がある。フランス名を訳した「豚のサラダ」からついた名。

 天気がよいと水面に映る逆さ大山を見ることができる大成池(おおなりいけ)の周辺を歩くと、アキノキリンソウが松林の縁で花をつけ、水辺ではワレモコウが風に揺れていました。日当たりのよい池の周りや公園に点々と黄色い花を咲かせているのはブタナです。花はタンポポに似ていますが、タンポポより花茎が長く、スッキリとした印象を受けます。硬い毛がある葉を地面に張り付くように広げるため、草刈りをした後も残り、一面に増えていくようです。
   
■左:ミツマタ(三叉、三椏)の蕾 ジンチョウゲ科ミツマタ属
東北南部以南から沖縄の日当たりのよい場所に生育する落葉低木。枝が三つ三つと分枝していくことからついた名。中国原産で樹皮の繊維が和紙の原料となるため栽培されていたものが野生化したものといわれる。春、枝先に黄色い30個ほどの小さな花を球状につけ、甘い香りがする。
■左中:ホコリタケの仲間 別名キツネノチャブクロ ホコリタケ科ホコリタケ属
全国の雑木林や草地に生育する。傘はない。直径は2~6cm。白色から黄褐色に変化し、頭部に穴が空き胞子が飛ぶ。この胞子がホコリのように見えることからついた名。ホコリタケの仲間にはヒメホコリタケやチビホコリタケなど何種類かある。
■右中:ショウリョウバッタ(精霊飛蝗、精霊蝗虫) 別名コメツキバッタ、キチキチバッタ
    バッタ科ショウリョウバッタ属
北海道から沖縄の草地に生息し、成虫は7~11月に発生する。暮らす場所によって緑型と褐色型がある。雌は雄に比べ遥かに大きく、日本のバッタで最も大きい。旧暦のお盆(精霊会)のころに姿を見せ、精霊船に形が似ることからついた名。
■右:ノササゲ(野豇豆)の豆果 別名キツネササゲ マメ科ノササゲ属
本州から九州の山地林縁などに生育するつる性多年草。8~9月に淡い黄色の花をつける。葉は3枚セット。豆果は熟すと紫色になり割れ、黒褐色で白い粉をかぶった種子が3~5個顔を出す。野に生え、食用になるササゲに似ていることからついた名。ササゲの由来は莢が物を捧げるように上を向くから、莢が牙に似ているので「細々牙」から、など諸説ある。

 大成池から水が音を立てて流れ出る水路沿いを歩いていると、ミツマタがもう蕾をつけていました。名前の由来の通り、どの枝も3つに分かれています。水路沿いにさらに進むと公園があり、芝の上に白いピンポン球のような物が数個転がっているのが目に入りました。ホコリタケの仲間です。割ってみると中は茶色いスポンジ状。ホコリのように胞子が飛び出すのはもう少し先になりそうです。近くにいたショウリョウバッタは、近づいても逃げなかったので写真を撮ることができました。他にもカマキリや翅が退化して飛べないフキバッタなどを何匹か見かけたので、産卵の場所を探していたのでしょうか。林の縁の枝にはノササゲの豆果がぶら下り、鮮やかな紫色が目を引きました。
 
■左:キクバヤマボクチ(菊葉山火口) キク科ヤマボクチ属
本州(愛知以南)から九州の山地や林縁に生育する多年草。10~11月、淡紫色(まれに淡黄色)の花を球状鐘形につける。葉の裏の白い毛を集め、火打石からの火花を移しとって火種にしたことからボクチ(火口)とついた。
■右:コマユミ(小真弓)の果実 ニシキギ科ニシキギ属
北海道から九州に分布する落葉低木。ニシキギの枝にコルク質の翼ができないものをコマユミと呼ぶ。5~6月に黄緑色の小さな花をつける。9~11月に熟した果実は裂開し、橙赤色の種子が1~2個顔を出す。葉がマユミに似て小さいことからついた名。マユミは弓の材料に用いられたことから。ニシキギ(錦木)の名は美しい紅葉を錦にたとえつけられた。

 続いて西側のM街区からP、FV、K街区へ歩を進めると、アカマツの横にちょっと変わった花をみつけました。ブラシの穂先のような花が下向きについています。ヤマボクチの仲間でキクのように葉に切れ込みが入るのが特徴のキクバヤマボクチです。さらに進むと、赤い小さな実をつけた低木がピンク色に紅葉し始めていました。ニシキギかと近づいてみるとコマユミでした。コマユミは翼がないのでニシキギと区別されますが、赤い実は同じようにつきます。

  
■左:ヨメナ(嫁菜) 別名オハギ キク科ヨメナ属
本州(中部地方以西)から九州の湿り気があり日当たりのよい草地などに生育する多年草。7~10月に淡紫色(ときに白色)の花をつける。若い葉は菜飯など食用になる。やさしく美しいことから嫁菜、女性が好んで摘んだことから嫁菜、など名の由来は諸説ある。
※花の上にいるのはコアオハナムグリ(小青花潜) コガネムシ科ハナムグリ属
 日本各地の野原などに生息する。成虫は花に潜るようにして花粉を食べることからついた名。
■中:ツルリンドウ(蔓竜胆、蔓龍胆)の果実 リンドウ科ツルリンドウ属
北海道から九州の山地の林縁などに生育するつる性多年草。8~9月に釣鐘状の淡い紫色の花をつける。果実は熟すと赤く色づき豆電球のように茎に下がる。つるは紫色を帯びる。リンドウの仲間でつる性なのでついた名。リンドウは漢名のリュウタン(竜胆、龍胆)が転じた。
■右:ツルリンドウの花

 樹々に囲まれた道から周囲が開けた場所に出ました。日当たりのよい空き地ではヨメナの花がたくさん咲き、ハナムグリなどの昆虫が集まっています。ここP街区は樹が多い他の敷地とはひと味違って、大きな樹が少ないので日当たりが良く、家庭菜園や花作りを楽しんでいるお宅が多くあります。そんな庭を見ながらK街区に進み林の中に足を踏み入れると、豆電球のような実をつけたツルリンドウがありました。近くには遅い花をつけた株もあり、花と実を一度に見ることができたのは、思いがけない収穫でした。
 今回、ロイヤルシティ大山リゾート内は紅葉にはまだ早い時期でしたが、アオハダクロキなども実をつけ、さまざまな色や形の実が目を楽しませてくれました。
  
■左:アオハダ(青膚)の果実 モチノキ科モチノキ属
北海道から九州の山地に生育する落葉高木。雌雄異株。5~6月、緑白色の小さな花を数個ずつまとめてつける。果実は葉がまだ緑色の9月頃から赤く熟す。葉は秋に黄葉する。樹皮の表皮をはがすと内皮が緑色なのでついた名。
■中:クロキ(黒木)の果実 ハイノキ科ハイノキ属
本州中部地方から九州の海岸付近に生育する常緑小高木。3~4月雄しべの長い5個に分かれた白い花をつける。11月頃に淡紫色の奇形花をつける株もある。果実は秋に黒く熟す。樹皮が黒っぽいことから名がつけられた。
■右:ウマオイ(馬追)の雌 キリギリス科ウマオイ属
本州から九州に生息し、成虫は8~11月に発生する。夜行性。キリギリスやヤブキリによく似るが、茶色い模様が目まで達し、産卵管が上向きにカーブしている。ハヤシノウマオイとハタケノウマオイの2種類は外見では見分けがつかず、鳴き声で識別する。ハヤシノウマオイは「スイーッチョン」とゆっくり、ハタケノウマオイはせわしなく鳴く。鳴き声が馬子が馬を追う声に似ていることからついた名。

 そろそろ時間になったので現地案内事務所に戻ると、鮮やかな緑色をしたウマオイが出迎えてくれました。気温が下がってきたためか、外壁についたまま動きません。久々に見るウマオイをカメラに収め、帰路につくことにしました。

 大山と聞くと山のイメージが浮かびますが、車を走らせると30分もかからずに海に行くことができます。今回は米子の市街地に向う途中、弓ヶ浜にちょっと寄り道をしてみました。緩やかにカーブした砂浜が遥か先まで続く姿は、まさに弓のようです。夕陽に染まった砂浜の先には大山の姿がありました。残念ながら今回は雲が多かったので、大山がスッキリとは見えませんでしたが、天気がよければ日本海の荒波と白砂青松、そして伯耆富士大山という、素晴らしい景色を見ることができるでしょう。

■大山:日本の渚百選に選定された弓ヶ浜から大山を臨む

 飛ばされそうな強風の中、足元では海浜植物のコマツヨイグサハマニガナ、ウンランなどが、砂浜に張り付くように花をつけていました。この強い風の中でも耐えて花を咲かせている植物の知恵と力に改めて感心しながら浜を後にしました。
  
■左:コマツヨイグサ(小待宵草) アカバナ科マツヨイグサ属
北米原産の帰化植物。荒れ地などに生育し、特に海辺に多い多年草。地面をはうことが多く、あまり立ち上がらない。葉の縁は波状に切れ込むものが多い。春から淡黄色花をつける。花弁はハート型で4弁だが、重なることが多い。昼開花する。マツヨイグサの中でも小型なのでついた名。
■中:ハマニガナ(浜苦菜) 別名ハマイチョウ キク科ニガナ属
北海道から沖縄の砂浜に生育する多年草。海浜植物。4~10月、タンポポに似た黄色い花をつける。地下茎は砂の中を這い、葉と花だけが砂上に出る。茎や葉をちぎると苦い液が出て浜に生えることからついた名。別名は葉の形がイチョウの葉に似ることからついた。
■右:ウンラン(海蘭) オオバコ(←ゴマノハグサ)科ウンラン属
北海道から四国の海岸に生育する多年草。8~10月に淡黄色で中心が濃い黄色の花をつける。葉は肉厚で茎と共に粉白色を帯び、這うように広がる。海辺に生え、ランに似た花をつけることからついた名だが、ランよりキンギョソウに似ている。

※上記写真は全て平成23年10月撮影

担当スタッフ紹介

ガイド写真

自然観察指導員1級造園施工管理技士
グリーンアドバイザー

関口 亮子

群馬県前橋市出身、恵泉女学園短期大学園芸生活学科卒業、現在「むろたに園芸研究所」勤務、設計、草花植栽、園芸講座講師を担当、特に自然風の庭造りを得意とする。

 

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