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ロイヤルシティ猪苗代ヒルズ

“暮らす森”を知ろう

SLOWNER WEB MAGAZINE

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「森の暮らし」を支える/感じる

足元も可憐に華やぐ。猪苗代、新緑の頃

ロイヤルシティ猪苗代ヒルズ/2025.07.31

ロイヤルシティ猪苗代ヒルズ

5月下旬、猪苗代湖と磐梯山の間に広がる水田地帯は田植えシーズンを迎えていました。ロイヤルシティ猪苗代ヒルズは、その水田地帯の西側にある丘陵地に位置します。一帯はコナラやミズナラ、カエデの仲間、ミズキなど落葉樹で覆われ、アカマツやスギなどの針葉樹が混在しています。新緑が美しい森では多種類の植物が育っていました。

鮮やかな緑に映える、山野の花々

分譲地内は起伏が少なく歩きやすい道が続きます。歩き始めると灰色の幹をまっすぐ伸ばした高い木が目に入りました。見上げると枝先にクリーム色がかった白い大きな花が上向きに咲いています。大きな葉と大きな花が特徴的なホオノキです。近くの高木にはフジが絡みつきたくさんの花をつけています。日光を好むフジは高木を覆うように紫色の花をつけるので、花の時期は山野の新緑の中でもよく目立ちます。林の縁ではタニウツギのピンク色の花やミヤマガマズミの白い花、レンゲツツジの鮮やかな朱色の花が咲いていました。足元にはスミレやアリアケスミレ、タチツボスミレも見られます。

ホオノキ
葉は長さ40cm以上、花は直径20cmにもなり、日本に自生する樹木で最大級。葉は古くから食べ物を盛る器などに使われる。朴葉味噌が有名

タニウツギ
日本固有の落葉低木。谷沿いや林縁などの日当たりの良い場所に生え、5〜6月にピンク色で漏斗状の花を房状につける。観賞用にも栽培される

レンゲツツジ
晩春から初夏に鮮やかな朱色の花をつける落葉性のツツジ。日当たりの良い場所を好む。有毒なので放牧地では牛馬が食べ残し、群落になる

初夏だから楽しめる、落葉樹たちのにぎわい

明るい空き地で、タンポポの綿毛を小さくしたような綿毛をたくさんつけているのはフキです。フキノトウはフキの若い花茎。花を咲かせながら花茎を高く伸ばし、雌株は綿毛がついた種子をつけます。足を進めると小さなサクランボがなっているのを見つけました。葉柄に毛があるのでヤマザクラより開花が少し遅いカスミザクラのようです。ウワミズザクラにも実がついていますが、細長いブラシのような花が一房だけ残っていました。マルバアオダモの花もそろそろ終わりのようです。
道沿いの草原ではニンジンに似た葉と花をつけたシャクが小さな群落をつくっていました。薄暗い林の中には、多雪地方に多い低木のエゾユズリハが光沢のある葉を見せます。林縁にまとまって生えたチゴユリは小さな花を咲かせ、近くではササバギンランが白い花をつけていました。

フキの綿毛
山野に生えるキク科の多年草。花茎はフキノトウ、葉柄はキャラブキなど山菜として知られる。開花しながら花茎を伸ばす。雌雄異株

ウワミズザクラ
サクラの仲間だが5弁の白い小さな花を細長いブラシのようにつける。4〜6月、他のサクラの花が終わった頃に開花する

シャク
湿り気のある草原などに生えるセリ科の多年草。5弁の小さな白い花を多数傘状につける。葉がニンジンに似ていてヤマニンジンとも呼ばれる

チゴユリ
4〜6月に先の尖った6弁の白い花を茎の先端に1〜2個、斜め下向きにつける。地下茎を伸ばし群落を作る。果実は秋に黒く熟す

ササバギンラン
山野の林内に生育する野生のラン。4〜6月に1cmほどの白い花を数個つける。名前はギンランに比べ葉が細長く、ササの葉に似ていることから

白い花をまとめてつけたコンロンソウなどを見ながら歩いていると、たくさんの長い柄の先に5弁の淡い紫色の花をつけている木がありました。ツリバナ(吊花)という名前通りに花がつきます。花が終わった後は丸い実がぶら下がります。ツリバナの仲間のコマユミも花をつけています。こちらの花は4弁の淡い緑色で目立ちませんが、どちらも秋には葉が真っ赤に染まるとても美しい木です。磐梯山を正面に見ながらウエルカムオフィスに戻る途中、ヤマユリの株を発見。夏には分譲地内のあちらこちらで、白い大きな花と甘い香りを楽しむことができそうです。

コンロンソウ
山地のやや湿った明るい林などに生育する。5〜7月に十文字形の白い花をまとめてつける。草丈は50cmほど。地下茎で繁殖し群生する多年

ツリバナ
長い花柄に花がぶら下がってつくことから命名。丸い果実も下垂し、秋に熟すと5つに割れ朱色の種子が顔を出す。真っ赤な紅葉が美しい

関口 亮子

自然観察指導員/1級造園施工管理技士/グリーンアドバイザー

取材撮影/2025年5月23日

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