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私たちの健康を支えてくれる注目の栄養成分、ファイトケミカル。できるだけ多くカラダの中に取り入れて、その力を存分に発揮してもらいたいものです。2回目の今号は、効果的な摂り方について伺いました。

ファイトケミカルを、より効果的に摂る方法は?

ファイトケミカルは、植物が自らを守るために作りだした、色素、香り、辛味、苦味などの天然成分。
前号で詳しくお伝えしたように、人間の健康に役立つさまざまな働きをしてくれます。

[ファイトケミカルの7大作用/主なファイトケミカルと、含まれる食材]
①抗酸化作用/アントシアニン(赤ワイン)、β-カロテン(ニンジン)、リコピン(トマト、スイカ) など
②デトックス作用/セダノライド(セロリ)、クルクミン(ウコン)、スルフォラファン(ブロッコリー) など
③免疫調整作用/ジンゲロール(ショウガ)、β-カロテン(ニンジン)、ルテオリン(ピーマン) など
④がん抑制作用/スルフォラファン(ブロッコリー)、イソフラボン(大豆)、アリシン(ニンニク) など
⑤血管の病気を防ぐ作用/ケルセチン(タマネギ)、セサミン(ゴマ)など
⑥アンチエイジング作用/フィセチン(イチゴ)、アントシアニン(ブルーベリー) など
⑦ストレス緩和作用/α-ピネン(ミョウガ、春菊)、アピイン(パセリ、セロリ) など


ファイトケミカルをより効果的に摂るためには、3つのポイントがあります。

1)加熱して、汁ごと食べる
ファイトケミカルは植物細胞の中にあるため、カラダに取り入れるためには細胞を被っている細胞壁を壊さなくてはなりません。細胞壁を壊す最も簡単な方法は、加熱すること。熱が加わると、ファイトケミカルは外に溶け出してくるのです。熊本大学の研究によると、野菜をゆでて食べると、同じ野菜を生で食べるよりも10~100倍の抗酸化作用があることがわかっています(図1※)。植物を煮た汁にはファイトケミカルがたっぷり含まれていますから、スープや味噌汁、そば湯、鍋など、煮汁を一緒にいただける料理はとても効率的。鍋なら残ったスープを捨てずにおじやを作り、余すことなく食べましょう。

2)日光を多く浴びた野菜・果物を選ぶ 植物は、外で日光を多く浴びているものほど、ファイトケミカルを豊富に含んでいます。露地栽培された旬の野菜や果物を選んで食べるとよいでしょう。また、ファイトケミカルは皮や種などの部位により多く含まれています。無農薬・低農薬のものや、生産者がわかるものを選べば、まるごと食べても安心です。

3)いろいろな種類のものを食べる 一つの種類に偏らず、いろいろな作用を持つ植物を食べる事で、ファイトケミカルの効果はより高まると言われています。食べ方も煮るだけでなく、サラダ、スープ、温野菜、焼き野菜、蒸し物、炒め物などさまざまなバリエーションを加え、よく噛んで食べるようにすれば、飽きずに楽しく続けられます。

第一人者が考案する、「ファイトケミカルスープ」で健康に

煮野菜のスープを常備しておくと、いつでもファイトケミカルを効率的に摂ることができます。そこで、複数のファイトケミカルがバランスよく含まれ(表1※)、しかも1年中手に入る4つの野菜を使った「基本のファイトケミカルスープ」の作り方をご紹介。煮るだけで簡単、作りおきもできるので毎日続けやすい健康習慣です。


【基本のファイトケミカルスープ】

【材料】
●キャベツ・タマネギ・ニンジン・カボチャ…各100g
●水…1L

【作り方】
1)野菜を食べやすい大きさに切ります。
2)切った野菜と水を鍋に入れ、火にかけます。
3)沸騰したら、中火で20分ほど煮込みます。

【飲み方】
・朝食や夕食前に、1回200mlを目安に飲みましょう。
・夏は冷蔵庫で冷やすと、美味しくいただけます。
・味が薄いと感じたら、カレー粉やこしょうなど、香辛料を加えましょう。慣れてくると味覚が鋭くなり、野菜本来の旨味が感じられるようになります。
・残った野菜は温野菜として食べられるほか、味噌汁やシチューの具などに活用できます。
・スープや具は小分けにして、冷凍保存もできます。

体調が悪い時には、基本のスープに加え、症状を和らげるファイトケミカルを含む次のような食材を合わせて食べると、より効果的です。

●風邪をひいたときに摂りたいファイトケミカル
ジンゲロール、ショウガオール(ショウガ)、アリシン(ニンニク)、ヘスペリジン(ユズ、ミカン)、 β-グルカン(キノコ類)、フコイダン(海藻類) など

●花粉症の辛さを和らげるファイトケミカル
ルテオリン(ピーマン)、ヘスペリジン(ユズ、ミカン)、ジンゲロール(ショウガ) など


ファイトケミカルを摂り続けることで、病気に負けない強いカラダをつくっていきましょう。


高橋 弘

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