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ストップしたい!肌の乾燥

秋口から冬にかけて、悩みのタネになりがちなのが肌の乾燥。カサカサお肌は見た目の美容年齢をぐっと上げてしまうだけでなく、さまざまな健康トラブルを引き起こす原因になることがあります。注意したい肌トラブルや乾燥を防ぐ方法について、専門家に伺いました。

放置すると怖い?肌の乾燥トラブル

乾燥肌とは、肌の角質に含まれる水分量が低い、または水分を保持する能力が低い状態のこと。肌の表面にある角質層は主に、いくつかの層になった「角質細胞」と、その角質細胞の間をモルタルのように埋める「角質細胞間脂質(セラミド・脂肪酸など)」の2つでできています。
健康な肌はその2つが水分を維持しみずみずしさを保っていますが、日焼けや睡眠不足、ストレスなどが原因で肌の新陳代謝(ターンオーバー)が乱れると、角質細胞の中の天然保湿因子(NMF)や角質細胞間脂質の中の保湿成分が正常につくられなくなるため、水分を保持するのが難しくなります。また、肌の表面を覆っている皮脂の分泌も乱れるため、肌からさらに水分が逃げていきやすくなります。
秋口から冬の季節は、夏の間に浴びた強い紫外線のダメージからターンオーバーが乱れやすく、加えて湿度が低くなるため、肌の乾燥がさらに進む時期。乾燥由来の肌トラブルで通院する方の数は11~12月頃にピークを迎えますが、今年は特に、夏の天候不順による乾燥トラブルが増えそうです。
というのは、皮膚に赤みや炎症を起こすUVB(紫外線B波)は、曇りの日にはほとんど地上まで届きませんが、シワやシミなどの「光老化」を起こすUVA(紫外線A波)は、常に一定量降り注いでいるもの。天気が悪いからと日焼け止めを塗らないでいると、ダメージが少しずつ蓄積しているかもしれません。

肌が乾燥すると、次のようなトラブルが起こる可能性があります。
◎シワ…乾燥によって肌のキメが乱れ、小ジワができます。放っておくとさらに深いシワに。
◎大人ニキビ…乾燥すると皮膚の柔軟性が低下し、毛穴の排泄が滞るため皮脂が詰まりやすくなります。

また、肌のバリア機能が損なわれるため、下のような症状が起こることも。
◎敏感性乾燥肌…外部からのダメージをうけやすい過敏な肌に。状態が悪化すると、肌の痛み、かゆみ、赤み、皮むけ、湿疹などが起こる乾燥性皮膚炎になります。
◎アレルギー性皮膚炎の悪化…肌のかゆみが出やすくなり、掻きこわしの原因となります。
◎花粉症の悪化…まぶたのかゆみや肌のカサつきなどが強く出るようになります。今秋は特に増加しています。

こういったトラブルや症状には保湿ケアが効果的ですが、化粧品がしみる、肌に赤みがある、皮がむけている、かゆみがあるなどの症状がある場合は、もはや単なる乾燥ではなく、皮膚炎を起こしている場合があります。自己判断で状態を悪化させないためにも、早めに専門家の診察を受けることをおすすめします。

また、乾燥のもう一つの大きな原因が加齢。肌は老化とともにターンオーバーの期間が長くなり、角質層が厚くなります。加えて保湿成分もつくられにくくなるため、どんどん肌が乾燥しやすくなっていくのです。ご年配の方のカサカサ肌は「老人性乾皮症」といいますが、かゆみで患部を掻きこわすと、皮膚炎になってしまう危険性があります。歳を重ねるほど、保湿の意識を強く持っていただくことが大切。冬の季節は特に、保湿剤をしっかりと使いましょう。

「乾燥知らず」の肌になるためには…?

乾燥を防ぐために必要なのは、日頃からの良い生活習慣と保湿ケア。1年を通して実践すれば、美肌づくりにも役立ちます。

●「質の良い睡眠」が美肌を生む
美肌に大切なのは、やはり何といっても睡眠。眠っている間に分泌される成長ホルモンが、肌の正常なターンオーバーを促してくれます。人は睡眠時に浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)を繰り返しますが、成長ホルモンが最も多く分泌されるのは、眠り始めてから3時間くらいのノンレム期。この時間にぐっすり眠れるよう、環境や体調を整えましょう。眠りが浅いと感じている方は、★照明を暗めにする ★適切な温度・湿度設定にする ★音の出るものを寝室に置かない ★眠る前の食事は控える ★アルコールやカフェインを摂らない などを行うと、眠りの質が上がります。また、人の気配ですぐに起きてしまう、中途覚醒があるといった悩みをお持ちなら、医師に睡眠薬を処方してもらうのも一つの方法。6時間以上は睡眠時間をとっていただくと、お肌にも心にもベストです。

●「トラブルが起きない」スキンケアを
肌にとって最もよい状態は、「問題が起こらない」こと。使用しているスキンケアに問題がなければ、継続していただいて大丈夫です。肌トラブルが起きやすい方は、できるだけ余計な成分が入っていないものを選んでください。
◎クレンジング・洗顔
肌に刺激が少ないのは、ジェルタイプのクレンジング。肌をこすらずに指先で軽くクルクルと汚れを浮かせましょう。オイルタイプはトラブルが起こりがちなので、できれば避けてください。洗顔も低刺激の弱酸性がお勧めです。適量をネットなどでたっぷりと泡立て、手に盛った泡で汚れを押し出すようなイメージで洗いましょう。
◎保湿
洗顔後すぐに行いましょう。化粧水は、肌に押し込むようにつけます。乾燥する時期には回数を増やし、肌に水分をしっかりと与えてください。その後は水分を逃がさないように乳液・クリーム類で必ず蓋をします。皮脂が少なく乾燥しやすい目元や口まわりには、オイルなどで部分ケアをしましょう。セラミド入りの製品は、保湿力が高いのでお勧めです。

●入浴は、温度管理とアフターケアをしっかりと
42~3℃以上の熱いお湯は、皮脂が必要以上に落ちてしまいます。38~40℃のお風呂にゆっくりつかれば、皮脂を守るだけでなく安眠にも繋がります。上がった後は、ただちにローションやボディクリームでしっかりと保湿を。すぐにお手入れができない場合は、保湿効果のある入浴剤などを入れましょう。

●部屋の湿度は50~60%に
湿度が下がる冬の季節は、加湿器などで部屋の湿度を50~60%程度に保ちましょう。また、こたつや電気毛布、電気カーペットなどの使用は肌を乾燥させます。なるべく長時間の使用は控えましょう。

吉田 貴子

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