
江戸時代、江戸の吉原や京都の島原と並び「天下の三大遊郭」と謳われた、丸山遊郭。その中でも最も長い歴史を持つ「引田屋」本家の建物と約800坪の大庭園を受け継ぎ、長崎県史跡の指定を受けた全国でも珍しい史跡料亭です。鎖国期には、日本で唯一外国人の客人をもてなしたほか、頼山陽など粋を好む文人墨客も数多く逗留、幕末には志士達が出入りし、坂本龍馬が訪れた際に付けた刀傷や直筆の書も残っています。
長崎の政治・文化の中心として様々なドラマの舞台となった邸内で味わえるのが長崎の郷土料理「卓袱料理」。もともとは、唐人の饗応料理として伝わり、中華や南蛮料理の影響を受けて多彩な料理が加わりました。こちらでは創業当時からの伝統を守り、アラの湯引きや豚の角煮、山海の味覚、締めのおしるこまで約15品がいただけます。
ベイサイドエリア出島ワーフ内にあるレストラン。広々としたテラスに出ると長崎港や稲佐山、遠くに女神橋が見渡せるオーシャンビューがお出迎え。青々とした海が清々しい昼から美しい夕暮れ時、そして街の灯りがきらめく夜景と、どの時間帯に来ても素晴らしい景色が食事を盛り上げてくれます。
メニューは「地元の方にも観光のお客さんにも喜ばれるように」との思いから、親しみやすい洋食メニューが中心。長崎で穫れた魚介や野菜をふんだんに使っています。特に食べておきたいのが長崎の食材で作るオリジナルのトルコライス「出島ライス」。主役のコロッケには、内閣総理大臣賞を受賞した「長崎和牛」の中でも長崎市内の8戸のみで飼育されている「出島ばらいろ」のすね肉のミンチに長崎県産のジャガイモ「出島」を合わせています。さらに、海鮮パエリアにトマトスパゲッティと具沢山で、コストパフォーマンスも抜群です。
底板で作られたという立派な看板を掲げる築100年以上の商家を覗くと、店内にはさりげなくステンドグラスがあしらわれ、長崎の「和華蘭」文化を感じる事ができます。185年もの間続くこちらの和菓子店「岩永梅寿軒」の名物は、ほのかに磯の香りを感じる「もしほ草」。その昔、藻塩を穫る際に使われた海藻をイメージし、昆布を練り込んだ求肥に砂糖をまぶしています。ほのかな礒の香りと甘みの絶妙なバランスが好評なのだとか。また、「店頭で出会えたらついている」と言われているほど人気のカステラも見逃せません。キメが細かい生地はしっとりとした食感を引き出すために一晩寝かせているそう。一口いただくとモチモチとした食感と上品な甘さに思わず顔もほころびます。
もともと南蛮菓子としてその原型が伝わり、長崎の菓子職人の手により洗練されて形を成した長崎カステラは、日本が誇る「和菓子」。昔ながらの手焼きにこだわる「岩永梅寿軒」の姿勢には、そんなカステラにかける職人のプライドと情熱が感じられます。
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