



ビールの代用品として戦前から、
親しまれてきたホッピー。
冷やしてそのまま飲んでも、
焼酎をはじめさまざまなリキュール類と
組み合わせても楽しめる、
麦芽とホップでつくられた炭酸清涼飲料水です。
調布でつくられ、今や全国に広がりつつある東京の味。
ホッピーで美味しく酔える名店を
調布・府中に訪ねました。

おすすめは五種盛りと、大阪のキムチ。「胃にもたれない」と常連たちが話すように、軽い食感でいくつも食べられる。
大阪の串揚げの魅力にはまったオーナーが
2011年にたちあげた立ち飲み処
「フジヤマテキサス」。
日本だから富士山に因むという店名通り、
小さな店内には富士山のポスターや写真が飾られている。
ここで飲めるのは、シャリキンと呼ばれる
シャーベット状に凍らせてつくるホッピーだ。
ホッピービバレッジがすすめる焼酎と
ホッピーの黄金比率は1:5だが、
店長の伊藤さんは、
「ホッピーは飲み方が自由なのがおもしろい。
お客さんの飲み方を見ていても、
個性やこだわりが見えます」と話す。
低カロリー、低糖質、プリン体ゼロのホッピーに
合わせていただきたいのが、
活アジ、豚バラ、
赤ウィンナー、プチ トマト、玉ねぎなど
シンプルな素材の串揚げ。
薄く衣をつけ、軽さとコクのある油で食材の水分を
飛ばしきらずに揚げられた揚げたてを、
カウンターに備わる醤油、ソース、ポン酢、
塩、レモンを自分好みの味で頬ばる。
「あつあつの串揚げをきんきんに冷えたホッピーで流し込む。
それがうちではうまい味わい方ですね」と伊藤さん。
立ち飲み処ならではの楽しさや気軽さの中で、
明日の活力に繋げてほしいと願う「フジヤマテキサス」は、
週末には午後3時の開店直後からお客が
ひっきりなしに立ち寄る地域密着の人気店だ。

2016年に2号店であるハワイ店を出したばかり。ハワイで飲食店をやるのが夢だったというオーナーがそちらを仕切る。

基本的に1人で店内を仕切る店長の伊藤さん。ダイレクトにお客さんの反応が伝わるのがおもしろいという。

立ち飲みの小さな店ゆえに1人でも仲間とでも楽しめる。知らない客同士が意気投合して一緒に盛り上がることも多 い。


東京都調布市布田 1-49-3
TEL:042-426-8181
<営業時間>
15:00〜25:00(L.O.24:30)
日曜 15:00〜24:00(L.O.23:30)
<定休日>
月曜、第3火曜休


その日仕入れた鶏肉を手打ちし、備長炭を使って焼き上げる仕事ぶりは、真剣そのもの。
ホッピー、黒ホッピー、55ホッピー。
通称、白、黒、赤の3種を揃える「やきとり さくらい」。
「ホッピーはなつかしさがありますよね。
うちでは、昔からなじみのある年配の方が多く飲んでいます」
と話すのは、 店長の白石さん。
そもそもホッピーは麦芽とホップと水でつくられたビアテイストの炭酸清涼飲料水。
焼酎の割り飲料だ。
ビールよりも飲みやすく、
戦後に生まれてから親しまれてきたため、
昔からの層が飲み続けてきた。
「やきとり さくらい」でもやはりお客の好みで
割ってもらう提供の仕方。
焼酎や日本酒、
ワインなど豊富に揃うにも関わらず、
自由さがいいと
ホッピーを注文する根強いファンがいる。
それに合わせていただけるのは、食感がやわらかく、
風味豊かな山梨県産の健味鶏を使った焼き鳥約15種類。
炭火でふっくらと焼き上がったところを、
沖縄産とフランス産のブレンド塩のみで食す。
「炭の調子、並べ方や焼き方、
どれをとっても毎日同じではないので、
音や手に伝わる感覚など五感を使って丁寧に
仕上げています」と白石さんが話すように、
焼き場では片時も目を離さず手をいれる
丁寧な仕事ぶり。
ホッピーで軽く喉を潤したら
焼酎や日本酒にも手を伸ばして、
焼き鳥や季節の一品料理を楽しみたい。

ささみや皮、はつなどの9本盛り。内容はその日によって替わる時も。

炭の調子や焼き加減、脂の落ち具合など研究を重ねてきた白石さん。

厳選した焼酎は常に30種類以上。ボトルキープもできる。


東京都府中市府中町 1-6-6
TEL:042-360-4775
<営業時間>
17:00〜24:00(L.O.23:30)
<定休日>
不定休
http://www.yakitori-sakurai.co.jp