
水源地としても名高い「水前寺成趣園」。その園内に佇む一軒家こそが120年もの間続くのが日本料理店「泉里」です。「料理の根本は食材」というモットーを掲げる老舗は、天然の素材にこだわり、地産地消に力を入れています。その中でも最も大切にしているのが「水」。全国名水百選にも選ばれた「水前寺の湧水」は、日本料理の命であるダシの味わいをより一層引き出し、お吸い物一つとっても口当たりが柔らかく、上品な味に仕上げてくれます。
こちらでは天然の鮮魚のお造りなどが味わえる本格会席から、気軽なミニ会席やランチも用意。さらに、もともと鰻専門店から始まっただけに、地元にも長年のファンが多いウナギ料理もお薦めです。
店の外に広がるのは優雅な水をたたえる日本庭園。手間ひまかけた料理の一つ一つを味わう度に、この水に惚れ込んで茶室を築いた細川公に思いを馳せながら、旬の味を満喫しませんか。
一見するとおしゃれなリストランテ。しかしながら、席についてメニューを開いた時、メニューよりもしっかりと作り込んだ契約農家の方々の紹介ページに驚きます。
海もあり、山もあり、そして何より栄養豊富な湧き水がある地元・熊本に目を向けた宮本さん。食材のために地元の生産農家に出向いて、徐々に信頼関係を築いていったそう。さらに地元の野菜を広くPRをしたいと農家の方々や研究者と協力して阿蘇を「GIAHS(世界農業遺産)」認定に導きました。
そんな情熱溢れる宮本シェフのメニューは、どれも野菜の持ち味を引き出す必要最小限の味付けがモットー。例えば、人気のパスタの一つ「水前寺もやしと水前寺菜のパスタ」では、地元の人もなかなかお目にかかれない「水前寺もやし」と「水前寺菜」を使用。シャキシャキとしたおいしさをシンプルなガーリックオイルで引き出しています。ほかにも、旬の食材を主役にしたコースからカジュアルなランチまで幅広いシーンで味わえます。
地元の人も驚く料理の数々で、熊本の味をまるごと満喫してみては。
豊富で良質な地下水による熊本の清酒ですが、その歴史は意外に短く、その歩みは近代醸造清酒の歴史を表していると言われています。寒冷な気候こそがよい清酒を作ると言われていた時代、温暖な九州であえて清酒造りを確率させた人々の精神が受け継がれているのが、こちらの「熊本県酒蔵研究所」です。そこで初代技師長として迎えられた野白金一氏は、良質な仕込み水となる阿蘇源流からの伏流水を確保するため、当地に酒造蔵を建設、県内における酒質の向上に貢献。現在の「吟醸酵母」の元となる「熊本酵母」を育て、全国でも大半の酒蔵で利用されるようになりました。
そんな"酒の神様"とも呼ばれる野白金一氏の像が見守る中、現相談役の萱島さんを始めとする後継者の方々は醸造酒の技法をさらに追求し、以来、熊本の日本酒は広く全国に知れ渡っています。
今でも11月から3月下旬まで、先人に敬意を払い、そしてよりよい味を届けるため、機械を使わずに丁寧に手仕込みされる純米吟醸や本醸造酒。口に含むとまろやかで馥郁たる香りが広がり、まさに「香露」の名前の通り。この地でしか叶わない一滴に熊本人の気骨を感じます。
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