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ロイヤルシティ鹿部リゾート

“暮らす森”を知ろう

SLOWNER WEB MAGAZINE

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「森の暮らし」を支える/感じる

秋風にそよぐ、道南の可憐な花々

ロイヤルシティ鹿部リゾート/2024.01.19

ロイヤルシティ鹿部リゾート

北海道の南端、渡島半島の東部に位置するロイヤルシティ鹿部リゾートは、函館市内から車で約1時間、北海道新幹線の新函館北斗駅からは30分ほどで到着します。太平洋内浦湾に面し、北海道の中では温暖で降雪量が少ない地域です。訪れた日は紅葉には少し早く、ゴリラの横顔のように見える北海道駒ヶ岳はまだ緑の木々に覆われていました。

鹿部リゾートはJR函館本線砂原支線の西を並行する道沿いの美駒平と、線路の東側から海の近くまでの望洋の郷、セキレイの丘、白樺の森など、A~Zまでの街区で構成されています。美駒平は大きな木が少なく開放的な印象のエリアです。線路の東側は、木々が多く落ち着いた雰囲気の場所や海が見える場所、開放的な場所などさまざまな区画がありますが、今回は北東のZ街区からR街区の海に近い道を歩いてみました。
道沿いは木々が多く、とても静かなエリアです。林ではミズナラ、ホオノキ、カバノキや、カエデの仲間などのほか、ドロノキやヤマナラシなどのヤナギの仲間も多く見られます。ヤマナラシは少しの風でもサラサラと音を立てることから山鳴らしと名前がついたそうです。この日は風が強く林全体がザワザワと音を立てていました。

駒ヶ岳に見守られ、道端で春に備える

葉ずれの音に包まれながら歩いていると、綿毛がついた長い果穂が落ちていました。ドロノキの果穂がまだ残っていたようです。ヤナギの仲間は春から夏にかけて綿毛に包まれた種子を風で飛ばし、その様子は柳絮(りゅうじょ)と呼ばれ春の季語になっています。この時期はヤマハハコやエゾゴマナ、アキノキリンソウ、ハンゴンソウ、エゾノコンギクなどキク科の植物の花が目立ちます。ほかの花を探しているとゲンノショウコがありました。種子を飛ばすために反り返った実の様子が神輿の屋根のようなので、ミコシグサという別名がついています。東日本では白色、西日本は紫紅色の花が多いようです。さらに進むとミゾソバやヒロハクサフジなどが花をつけていました。ウドはまだ未熟の赤い実を放射状につけ、まるで線香花火のようです。季節外れのシラタマノキの実とホツツジの花も見ることができました。最後に見つけたヒカゲノカズラは胞子嚢穂(ほうしのうすい)を何本も立ち上げていました。

ドロノキの果穂
別名ドロヤナギ。雌花の花穂は15cmほど。夏に綿毛に包まれた種子を風で飛ばす

ヤマハハコ
夏に白い花をつけるが花弁に見えるのは総苞片(そうほうへん)でカサカサしている。葉裏は白色の毛で覆われる

ゲンノショウコの弾けた果実
古くから民間薬として知られ、ウメに似た花を夏から秋につける。果実は弾けて種子を飛ばす

鹿部リゾートは全体的に平坦な地形なので歩きやすく、春の芽吹きから初夏の新緑、秋の紅葉など季節の移り変わりを肌で感じながら散策するにはもってこいの場所です。エゾヤマザクラの花やカラマツの芽吹き、柳絮など見どころがたくさんありそうです。

ミゾソバ
タデ科の1年草。別名は花の形からコンペイトウグサ、葉の形からウシノヒタイなど

シラタマノキの果実
花はスズランに似た白い壺状の花で夏に咲く。果肉をつぶすと湿布薬のような匂いがする

ホツツジ
北海道南部から九州の山地林縁や岩場に自生する。夏、枝先に白い花を円錐状につける

ヒカゲノカズラ
常緑性シダ植物。スギのような葉をつけ長く地面を這う。名前に「日陰」とつくが日向を好む

関口 亮子

自然観察指導員/1級造園施工管理技士/グリーンアドバイザー

北海道の大自然とひとつになれる、ユニークなサークル

歴史の長い鹿部リゾートでは、オーナーさまのサークル活動が盛んです。中でも、20年の歴史を持つ『鹿部ネイチャリングサークル(通称SNC)』には2023年(令和5年)8月現在、56世帯、85名のオーナーさまが加入。渓流釣り部、キノコ部、ゲレンデスキー部、ゴルフ部、ハイキング部、ミニバレー部、ヨガ部などさまざまに分かれており、複数の部に所属し、アクティブに活動されている方も少なくありません。移住歴の長さも、経験者か初心者かも関係なく楽しまれています。

カヌー部部長の中原兆生さんと妻の祐子(さちこ)さんも、自作のカヌーで活動中。シーズンの始めと終わりにニスを塗るだけとケアも簡単

2017年(平成29年)に発足した「カヌー部」には、現在約20名が所属しています。活動拠点は鹿部リゾートから近い大沼国定公園の大沼湖・小沼湖で、洞爺湖や支笏湖(しこつこ)などへの遠征も行われています。この部の特徴は、二人乗りのカナディアンカヌーやパドルを、地元産の道南杉で手づくりしていること。部員の皆さまは、カヌー経験も木工経験もゼロでしたが、自作のカヌーで湖面からの大自然散策を楽しまれています。「陸地から見る駒ヶ岳や湖も美しいですが、カヌーを漕いで湖面から見ると違う楽しさがある。自然と一体になれるというか、自然の中に溶け込むような感覚がたまりません」と、部長の中原兆生(よしお)さん。北海道の自然をダイナミックに満喫したい新入部員も続々と加入中。出会えて良かったと思える新しい世界が待っています。

カヌー部の活動期間は毎年6月から10月の間。穏やかな湖面で、いつもとは違う目線で自然を満喫できる。「他の森林住宅地のオーナーさまも、興味があったらぜひ乗りに来てください」(中原さん)「湖岸でコーヒーを飲むだけでも楽しいですよ」(祐子さん)

大沼国定公園[約22.2km]/ 洞爺湖[約142.0km]/ 支笏湖[約258.0km]
※現地(鹿部シェアサロン)からの距離となります

取材撮影/2023年10月3日

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