ロイヤルシティ大山リゾート


「森の暮らし」を支える/感じる
ロイヤルシティ大山リゾート/2026.02.26

大山隠岐国立公園に指定されている中国地方最高峰の大山は、米子市方面からは美しい円すい形に見えることから「伯耆(ほうき)富士」とも呼ばれています。その大山の西麓、コナラやクヌギ、カエデなどの木々に包まれたロイヤルシティ大山リゾートは、紅葉の終盤を迎えていました。シェアサロンの周辺から歩き始めると、足元に真っ赤や黄色に染まった五角形に近い形の葉が。瓜の皮のような黒い縦縞と菱形の皮目が点在する樹皮が名前の由来になったウリハダカエデの葉です。近くには、濃い緑色の葉と鮮やかな赤い果実のコントラストが美しいソヨゴもありました。
ウリハダカエデの落ち葉
葉は五角形に近い形で3〜5裂する。若い木の樹皮がマクワウリの果実に似た縞模様になることからウリハダと名がついた
ウラジロノキの果実
5〜6月に白い小さな花を多数まとめてつける。果実は約1cmの楕円形で秋に赤く熟す
アオツヅラフジの果実
落葉性のつる植物。雌雄異株。夏に黄白色の小さな花を房状につける。果実はブドウ状につく
小さな赤い果実のかたまりをつけているのはナナカマドです。果実は微量の毒成分があるため、野鳥に食べられずに冬まで残りますが、凍ると毒成分は分解され真冬には野鳥の貴重な食糧になります。オレンジがかった赤い楕円形の果実を枝先にぶら下げているウラジロノキは葉の裏に細かい毛があり、白っぽく見えるのが特徴です。アオツヅラフジの果実は白い粉を帯び、まるでブドウの巨峰を小型にしたような姿ですが食べることはできません。足元のヤブコウジは濃い緑色の葉の下に赤い果実をサクランボのようにつけ、薄暗い林床でも目をひきます。


大成池(おおなるいけ)の周辺は木々が多く、落ち着いた雰囲気のエリアです。天気が良いと水面に「逆さ大山」が映る大成池ですが、この日大山は見えず、鮮やかな紅葉を映した穏やかな水面には水鳥が浮かんでいました。くちばしの先端が黄色いカルガモ。頭が緑色のマガモと頭が茶色く胸が黒いホシハジロは冬鳥です。近くでは木を覆うように伸びたヤマノイモに茶色い果実が下がっていました。果実には3枚の翼があり、熟すと裂開し薄い膜を持つ種子が風に飛ばされます。サクラの幹に張りついたキヅタは、黄緑色の小さな花を球状につけていました。
マガモ
冬の間日本に飛来し越冬する。雄の体は淡い褐色で頭は光沢のある緑色。首には細い白色の輪がある。雌は全身褐色に黒褐色の模様で目立たない
ヤマノイモの果実
落葉性のつる植物。何年もかけて地中に長く伸びた芋はジネンジョとも呼ばれ食用になる。葉の根元につく球状の芽(ムカゴ)も食べられる
キヅタ
常緑性のつる植物で冬でも葉があるので冬蔦(フユヅタ)の別名がある。幹や枝の途中から出した根(気根)で木や岩などに這い上がる。アイビーの一種
木々が少ない開けたエリアでは大山の伏流水が音を立て流れる水路横の緑地に点々とセンブリが花をつけていました。古くから民間薬として用いられてきたセンブリは白い花弁に紫色の筋が入る花が美しく切り花としても利用されています。近くのスギの幹に這い上がったツタウルシは黄色からオレンジ色に染まっていました。所々にあるコシアブラの透けたような淡いクリーム色の葉は林の中でひときわ目立つ紅葉です。花の少ない晩秋でも森は木々の紅葉や果実の多種多様な色であふれています。自然界の色の豊かさに驚かされました。
センブリ
秋に白い花を上向きにつける。リンドウ科の二年草。古くから民間薬として利用されてきた。千回抽出し(振り出し)ても苦いことからついた名
ツタウルシ
つるから気根を出して木などを這い上がる。葉は3枚がセットでつき、鮮やかに紅葉する。ウルシの仲間の中でも強い毒性を持つ
コシアブラ
5枚の葉を掌状につけ、秋に黄色から透き通ったクリーム色に紅葉する。若芽は山菜として知られ「山菜の女王」とも呼ばれる
関口 亮子
自然観察指導員/1級造園施工管理技士/グリーンアドバイザー
ロイヤルシティ大山リゾート内の東側に広がる大成池は、大山の伏流水を水源とする灌漑用貯水地。室町末期から江戸初期にかけて開削された井手から流入し、銘柄米の八郷米(やごうまい)が栽培されている下流域の水田を賄っています。池の周辺は、豊かな水辺を好むヤナギの低木林やヨシの群落があるというロケーション。そんな自然の姿を残すために、大山リゾートではオーナーさまとともに生態系に影響する外来植物の抜き取りなどを行っています。その成果もあり、2023年(令和5年)11月の調査では大成池周辺区域で10種、大山リゾート全域で24種の希少な動植物種の生息・生育が確認されました。
大成池を囲む森の向こうに、大山が見える
この結果を受け、大成池の維持管理を担当している丸山生産森林組合とともに、ニジマスなど外来種の駆除を進めるほか、生態系についての勉強会、蜂の送粉活動を促進する巣箱の設置など、オーナーさまをはじめ地域住民と連携した取り組みを実施していく計画を策定しました。こうした取り組みが評価され、大山リゾート内の大成池周辺区域は、環境省「自然共生サイト」の認定評価を取得しました。「自然共生サイト」とは、環境省が、民間の取り組みによって生物多様性の保全が図られている区域を認定する制度。COP15(※1)で採択された世界目標「30by30」(※2)を達成するための対象区域として国際データベースに登録されました。
※1:生物多様性条約第15回締約国会議
※2:2030年までに国土の30%以上を自然環境エリアとして保全するという世界目標


(写真左)大成池周辺は、散歩やウォーキングコースとしても快適
(写真右)お話を伺った丸山生産森林組合 組合長 西村秀幸さん
ダイワハウスは、大成池公園周辺以外のエリアの草刈りや危険木の除去といった管理業務を担当。年2回の大成池の縁や公園の草刈り、公園や道路水路の管理は、以前から大山周辺の環境保全に取り組まれている地元森林組合、丸山生産森林組合さまに担当していただいております。組合長の西村秀幸さんによると「大山リゾートには、あと少しで樹齢百年を迎える貴重な木々も生息しています。住民の皆さんの理解を得ながら、人の手を加えていければ」とのこと。これからも同組合と協力しながら、地域との大切な共有遺産である自然を守ってまいります。
取材撮影/2025年11月10日
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