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岩手県雫石町、滝沢市

“暮らす森”を知ろう

SLOWNER WEB MAGAZINE

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自然・風土

名所はすぐそばに。山あいの町の飾らない景色たち

ロイヤルシティ八幡平リゾート/2025.01.22

岩手県雫石町、滝沢市

岩手県八幡平(はちまんたい)市に広がる「ロイヤルシティ八幡平リゾート」。県のシンボル的存在の岩手山(標高2,038m)や秋田県との県境にまたがる八幡平(標高1,613m)といった東北を代表する名峰がすぐそばにある森林住宅地です。八幡平市の南隣、雫石(しずくいし)町も、岩手山をはじめとする奥羽山系の山々や高原に囲まれたエリア。町の約8割が標高300m以上の場所にあり、天然林や田園地帯など、のどかで美しい自然の景色が点在しています。2016年(平成28年)には町制60周年を記念し、町を代表する景勝地を「雫石十四景」として選定。町のあちこちで、美しい景色と出会えます。

「雫石十四景」のひとつ「小岩井農場の一本桜と岩手山」。緑の大地で枝を広げるのは、エドヒガンという天然の桜の一種

真っ直ぐに続く広域農道の木立を抜けると、広い草原と岩手山、そして一本桜だけの風景が突如として広がります。これは「小岩井農場の一本桜」といわれ、毎年春には多くの人で賑わう場所です。小岩井農場が開設したのは、今から約130年前の1891年(明治24年)。木もまばらだった岩手山麓の火山灰地を、丹念に整備した末に開設された農場は、日本の畜産振興に多大な影響を与えました。この草原は明治40年代に小岩井農場が牛を放牧していた場所で、現在は同牧場の牧草地。暑さが苦手な牛を夏の日差しから守るために、この桜が植えられたといわれています。

(写真左)垂直の岩肌を走る落差約30mの「鳥越の滝」
(写真右上)森のあちこちから白い水蒸気が噴出している独特の景色
(写真右下)温泉地の地熱を活用する滝ノ上地熱バイナリー発電所

美しい景色は、秘湯のそばにも

雫石町にはさまざまな種類の温泉があります。秋田県との県境、葛根田渓谷(かっこんだけいこく)の奥にある秘湯、滝ノ上温泉は200年以上の歴史を持つ温泉。辺り一帯は地熱地帯で、森のあちこちから白い水蒸気が噴出し、上流には温泉余剰熱などを利用する地熱発電所も稼働しています。温泉を少し下った場所から渓谷を見下ろすと、険しい岩の間に生じた「鳥越の滝」が出現。赤茶色の岩肌と白い水しぶきと湯けむり、エメラルドグリーンの滝つぼが織りなす自然のコントラストが、山奥の秘境を彩ります。

(写真左)網張温泉が湧く高原から見下ろす雫石盆地 (写真右)紅葉が始まった網張温泉周辺の森

岩手で最も古いといわれる温泉は、およそ1,300年前、8世紀初頭に発見されたという網張温泉(あみはりおんせん)です。岩手山の南麓、標高約750mの高原に湧く温泉で、近くの犬倉山の地熱で温められ、藩政時代から湯治場として親しまれてきました。現在も湯治客はもちろん、スキー客や登山客など高原レジャーファンも訪れる場所に。周辺にはミズナラやブナをはじめ、高山や寒冷地に生えるダケカンバなどの落葉広葉樹林が広がり、秋には圧巻の紅葉が楽しめます。

(写真左)秘湯国見温泉に向かう途中で出会う、森の中の架橋、鹿倉橋
(写真右)県道266号の終点近くにかかる荒沢橋からは清涼感のある小さな沢が見える

かつて南部藩お抱えの湯治場だった国見温泉は、秋田県との県境、秋田駒ヶ岳の中腹にあります。国見温泉の湯はミネラル分が豊富で、全国的にも珍しい緑色の湯です。この温泉に向かう県道266号は森を縫うようなワインディングが続き、秋には龍川山の紅葉と県道で一番大きな橋、鹿倉橋の橋梁が絵になります。県道266号の終点と交差する国道46号を秋田方面に向かうと、現れるのは雫石川の支流、竜川。舟原橋から眺める竜川のうねりと、川の対岸に連なる低い山々は「橋場街道 舟原(ふなら)の紅葉」として、雫石町の秋の名所に数えられています。

滝川の穏やかな流れと河岸の山が素朴な美しさを見せる

馬を愛で、共に生きる人々が残す滝沢市の名所

岩手県は古くから全国有数の馬の産地です。寛政年間(1789年頃)からは特に農耕用の馬が家族の一員として大切にされ、旧盛岡藩領地を中心に、人と馬がひとつ屋根の下で暮らせるL字型の家「南部曲り家」がつくられました。こうした地域の愛馬精神から生まれたのが「駒形神社」、別名 鬼越蒼前神社(おにこしそうぜんじんじゃ)です。端午の節句を農繁期の休息日にして、農耕に勤しむ愛馬を癒やし、馬と一緒に鬼越蒼前神社に参拝する「お蒼前参り」が慣習化。その際に、装束を着させた馬を引くのが流行したことから、現在に続く伝統行事「チャグチャグ馬コ」が生まれました。

(写真上)伝統行事「チャグチャグ馬コ」は、この鬼越蒼前神社が出発点。華やかな装束を着飾った農用馬たちが盛岡八幡宮まで約14kmの道のりを巡行する
(写真左下、右下)南部曲り家 藤倉邸は1895年(明治28年)の建築時からほぼ同じ姿で現存。土間を挟んで母屋と厩舎が続き、馬の世話がしやすい構造になっている

岩手山[現地から約25.2km~25.7km]/小岩井農場の一本桜[現地から約32.2km~32.7km]
小岩井農場[現地から約32.0km~32.5km]/鳥越の滝[現地から約46.6km~47.1km]
滝ノ上地熱バイナリー発電所[現地から約14.2km~14.7km]/葛根田渓谷[現地から約44.8km~45.3km]
滝ノ上温泉[現地から約47.0km~47.5km]/網張温泉[現地から約37.1km~37.6km]
鹿倉橋[現地から約55.9km~56.4km]/荒沢橋[現地から約54.5km~55.0km]
国見温泉[現地から約56.8km~57.3km]/秋田駒ヶ岳[現地から約77.5km~78.0km]
竜川[現地から約44.0km~44.5km]/橋場街道 舟柄の紅葉[現地から約49.0km~49.5km]
駒形神社(鬼越蒼前神社)[現地から約31.2km~31.7km]/盛岡八幡宮[現地から約35.3km~35.8km]
南部曲り家 藤倉邸[現地から約33.1km~33.6km]

取材撮影/2024年10月9日~10月11日

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