島根県松江市、出雲市


自然・風土
ロイヤルシティ大山リゾート/2026.02.26

名峰・大山をはじめとする山岳地帯と、島根半島や隠岐諸島などの海岸地帯まで。山と海の景観を有する中国地方西部の国立公園、大山隠岐国立公園。この国立公園の中には、神話の舞台となった島根県松江市や出雲市などもあり、一度は訪れたいビュースポットが点在しています。大陸の分裂や隆起など、大規模な地殻変動によって形成された島根半島の海岸線も独特で、神在月に神迎神事が執り行われる「稲佐の浜」をはじめ、神話の世界を思わせる神秘的な風景が広がっています。
松江市側から望む夕暮れ時の宍道湖。中央には宍道湖唯一の島「嫁ケ島」が見える
ロイヤルシティ大山リゾートから、車で西へ約1時間。松江市と出雲市にまたがる「宍道湖(しんじこ)」は、約1万年前に形成されたといわれています。20以上の河川とつながり、中海や境水道を介して日本海へと流れるため、湖内では淡水魚や海水魚が共存。西日本有数の水鳥の渡来地でもあることから、2005年(平成17年)には『ラムサール条約(特に水鳥の生息地として国際的に重要な湿地に関する条約)』に登録されています。特に季節を問わず美しい宍道湖の夕陽も見もの。日本の夕陽百選にも選ばれている夕景を目当てに、東側の湖岸を中心に多くの人が訪れます。
(写真左上)国宝五城のひとつでもある松江城。明治初めの廃城令の際には、地元豪農らの働きかけで解体を免れた
(写真左下)お堀に架かる北堀橋から松江城を望む
(写真右上)お堀端のなかでも江戸時代の風情が色濃く残る通り「塩見縄手」。武家屋敷や小泉八雲旧居も建ち並ぶ
(写真右下)外観は洋風、屋根は入母屋造桟瓦葺の純和風と明治期の擬洋風建築の特徴が残る興雲閣。2階の大広間や貴賓室など、内観は見学できる
市街地でも、心の深いところに語りかけるような穏やかな風景と出会えます。「松江城」は山陰地方で唯一、江戸時代から現存する天守。国内の現存天守12城のひとつで、国宝にも指定されています。黒を基調にした天守は、石落としや狭間(さま)など実戦本位の設計が特徴的で、千鳥が羽を広げたような屋根の意匠から別名「千鳥城」と呼ばれています。松江城二之丸には、1903年(明治36年)に明治天皇の行在所(あんざいしょ)として建てられた淡緑色の洋館「興雲閣(こううんかく)」も、島根県指定有形文化財として保存。同じ城内で江戸期の城と明治期の擬洋風建築が両方見られる、ユニークな場所でもあります。


(写真左)松江歴史館、暮らしの大広間からの眺め。豊かな常緑樹や中央の短冊石を設えた出雲流の庭園の向こうに、小さく天守閣が見える
(写真右)明々庵に続く敷地からの松江城
松江城の東側には、築城時につくられた「塩見縄手」と呼ばれる町並みが続いています。松江城の東隣に建つ「松江市立松江歴史館」は、武家屋敷風の建物の中で城下町・松江の歴史を貴重な資料や映像、模型などで紹介する博物館。休憩スペースは、松江城天守を借景にした出雲流日本庭園を望む大広間になっています。江戸時代の大名茶人で、不昧 (ふまい)の雅号で知られる松江藩七代藩主、松平治郷(はるさと)ゆかりの茶室「明々庵(めいめいあん)」も、かつて松江藩家老の有澤家本邸に建てられていましたが、現在は塩見縄手裏の高台に移築。茶の湯文化が残る松江では今も、日常的に気負わずお茶を点てる習慣が根付いています。


(写真左) 八重垣神社、木造明神鳥居の扁額
(写真右) 神秘的なエメラルドグリーンの鏡の池。池の正面には稲田姫命を祀る天鏡神社が鎮座
『古事記』や『日本書紀』に記されている出雲神話の舞台は、ここ松江にもあります。有名なヤマタノオロチを退治した素戔嗚尊(スサノオノミコト)と稲田姫命(イナタヒメノミコト)の夫婦が祀られる「八重垣神社」もそのひとつ。稲田姫命をオロチから匿うためにスサノオが八重垣をつくり、さらにこの地で結婚式を挙げたことから、縁結びのご利益があるといわれています。稲田姫命が姿見に使ったという「鏡の池」では、硬貨を載せた和紙を浮かべ、沈む速さと距離でご縁の遅速を占うのが古くから人気。小泉八雲の妻、セツも若い頃に占い、のちに夫となる八雲との運命を暗示していたかのように遠くで沈んだと伝わります。


(写真左)出雲大社拝殿。奥の御本殿の屋根を拝することができるように、御本殿より左にずらして建てられている
(写真右)祭典や結婚式などが行われる、神楽殿の大しめ縄は日本最大級
大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)を祀る「出雲大社(いづもおおやしろ)」。地元で「神在月」といわれる旧暦の10月はもちろん、四季を通じて各地から多くの参拝客が訪れています。出雲大社に続く神門通りから拝殿まで、4つの大鳥居が点在。境内に入ると下り坂の参道が伸び、参拝に向かう人々の心を鎮めます。出雲大社から、神在月の神迎神事が執り行われる稲佐の浜を経て、海岸線を北へ向かって日御碕(ひのみさき)へ。島根半島の岬の先端にあるのは、石造りの灯台「出雲日御碕灯台」。複雑なリアス海岸と対比するような端正な白い灯台が、日本海を見つめています。
1903年(明治36年)に設置された出雲日御碕灯台。高さ43.65mと日本一の高い石造りの灯台で、優れた建築技術と歴史的価値が評価され、国の重要文化財にも指定
大山隠岐国立公園[現地から約3.8km~4.9km]/稲佐の浜[現地から約89.0km~90.1km]
宍道湖[現地から約53.0km~54.1km]/松江城[現地から約48.5km~49.6km]
塩見縄手[現地から約47.1km~48.2km]/小泉八雲旧居[現地から約47.1km~48.2km]
興雲閣[現地から約48.5km~49.6km]/松江歴史館[現地から約46.6km~47.7km]
八重垣神社[現地から約44.1km~45.2km]/出雲大社[現地から約83.2km~84.3km]
出雲日御碕灯台[現地から約97.2km~98.3km]
取材撮影/2025年11月10日〜11月12日
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