土地活用ラボ for Owner

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コラム vol.294
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大和ハウス工業 城東支社「土地活用セミナー」(1)等価交換による複合施設と特定緊急輸送道路沿いの建て替え事例

公開日:2019/07/31

2019年7月13日(土)、大和ハウス工業 城東支社において、不動産オーナーのための新しい土地活用提案「土地活用セミナー」が開催されました。
セミナーでは、大和ハウス工業からの事例紹介に加えて、不動産アナリストの吉崎誠二氏からのコメント、補足があり、非常にわかりやすいセミナーとなりました。東京・城東地域という地域特性を生かした大和ハウス工業の活用事例に、多くの参加者が熱心に聞き入っていました。

大和ハウス工業 城東支社 集合住宅事業部 第一営業所 主任 横山徳治
不動産エコノミスト 吉崎誠二氏

これからご紹介するのは、等価交換の手法を使った事例です。等価交換とは、土地所有者とデベロッパーが共同事業主となり、土地所有者は土地を出資、デベロッパーが建物を建設し、各々の出資比率に応じて土地建物を取得する手法です。土地所有者は等価交換の事業協力者として土地をデベロッパーへ売却し、デベロッパーは開発事業主として一般的にはゼネコンへ工事発注しマンション等を建設します。土地所有者は完成した建物(土地付区分所有建物)のうち、土地評価額(売却金額)に見合う分を取得します。デベロッパーは土地所有者に返す部分を除いた住戸を分譲マンション等として販売し、事業費に充当します。

吉崎:等価交換のスキームは、早くは1980年代くらいから各地でたくさんの事例があります。かつては地面を提供してマンションにするパターンがほとんどでしたが、今はいろいろなパターンがあり、大和ハウス工業の場合、特にいろいろな事例、複合的に組み合わせた事例があります。

大和ハウス工業独自のスキームである「新・等価交換方式」では、大和ハウス工業の専門スタッフが自ら土地所有者の方を始め、借地人の方、借家人の方など全ての地権者様と直接交渉いたします。また、大和ハウス工業は開発事業者でありながら、工事施工はもとより、設計業務・構造計算、さらには建物完成後の管理組合のサポート業務から、地権者様の要望により取得した住戸を賃貸する場合の一括借上げ(サブリース)に至るまで、その業務の全てを大和ハウスグループにて行います。ですから、外部の会社の介入が少なく、様々な経費をお客様の床面積に転化することで、オーナー様はより多くの床を取得することができます。

「新・等価交換方式」で、13階建ての分譲マンション+店舗に建て替え

土地・建物を所有しているオーナー様が事業を営まれていましたが、建物の老朽化と経営上の問題があり、廃業を検討されていました。そこで、税理士の先生を含めて、ご相談がありました。
最初は残債の問題もあり、「売る」という選択肢しかなかったようですが、ご相談をいただいたとき、創業地なので事務所を残したいという社長のご希望がありました。
そこで、大和ハウス工業の「新・等価交換」のスキームを使って提案しました。この方法であれば創業の地である事務所を何とか残せるのではないかと考え、まずはボリューム計算、土地の評価額を出してスキーム化し、残っている床がお客様の求める床面積に足りているかどうかを事業検討し、今回の案として進めました。
最終的に、13階建ての建物の1・2階が店舗で、その上に全部で65世帯、2LDKの分譲マンションに仕上げ、すでに完売しております。結果的に事務所は残さず、オーナー様が所有する賃貸物件になり、今は1・2階を店舗にして運営をしています。

吉崎:上の部分は分譲住宅として売却し、オーナー様は1・2階の床面積をもらって、今は賃料収入を得ているということですね。等価交換のメリットは多そうです。

大和ハウス工業では数多くの等価交換の事業を手掛けています。等価交換の一番大きなメリットは、基本的には資金投資が不要だということです。この事例では、土地の評価で算出した金額を差金としてお渡しして、残った部分で床を取得したことで、逆に借金があった土地建物で解決をしました。東京の場合は建物が建っている状況が多いので、立ち退き費用、解体費用を自己資金でやらなければならない方が非常に多いのですが、その部分に関しても、交換差金というかたちで土地の評価から解体費用をお渡ししました。解体費用、立ち退き費用がだいたいいくらくらいかかるのかを算出した上で、交換差金を先にお渡しして、残った部分で床をお渡しするかたちになりました。
投下する自己資金がゼロで計画できるのが一つの特徴ですが、逆に、取得した床が少ない場合、もう少しほしい場合には、床の買い増しをすることもできます。不動産をもう少し増やして将来何かあったときには売却するなど、機動的な資産売却も十分可能なスキームになっています。使い勝手が大きく広がるやり方だと思います。

助成金を使った、特定緊急輸送道路沿いの建て替え事例

次の事例は、助成金を使った、特定緊急輸送道路沿いの建て替え事例です。緊急輸送道路というのは、震災時に避難や救急・消火活動、緊急物資輸送の大動脈となる幹線道路をいいます。震災の被害を最小化し、早期復旧を図るためには緊急輸送道路沿道の耐震化を進め、建物の倒壊による道路閉塞を防止することがとりわけ重要です。

吉崎:阪神・淡路大震災のときには緊急車両等が通れないことが問題になり、現在、緊急輸送道路は、東京、大阪、名古屋など、大都市圏ではかなり広く巡らされています。

緊急輸送道路に耐震に満たない建物を所有されている方は、耐震構造にするか建て替える必要があるのですが、それぞれの区で助成金を出しているケースが多くなっています。今回の事例では、除却、つまり解体費の助成金を申請して取得しました。

除却(解体費用)の助成金を受けるためには、三つの要件のすべてを満たす必要があります。一つ目は、敷地が特定緊急輸送道路に接する建築物でなくてはなりません。緊急道路には2種類があり、特定とついているものと普通の緊急輸送道路の2種類に分かれます。解体の助成金が出るのは特定がついている道路で、ついていない道路は対象外です。二つ目は、昭和56年5月以前に建築された建物で、さらに区が行っている耐震診断を受けた物件が対象になります。三つ目は、既存の建物が道路幅員のおおむね2分の1以上の高さでないと助成金は受けられません。

店舗+賃貸住宅へ建て替え

物件は特定緊急輸送道路沿いに建つ、築49年の5階建ての賃貸マンション(RC造・エレベーター無しのマンション)で、老朽化が進んでいました。
江東区が特定緊急輸送道路沿道建築物の安全性の評価を出しているのですが、評価はI〜IIIまで分かれており、一番危険性が高いのがレベルI(大規模地震により倒壊する危険性が高い)と規定されています。この物件は、耐震診断の結果、Iという評価でした。また、建て替えによる事業の採算性の心配として、立ち退き費用や解体費用がどれくらいかかるのかという問題がありました。新しく建て替えるにあたっても、既存の建物がRC造で既存杭がかなり深くまで埋まっている可能性があり、どのような建物を建てれば建築コストにも跳ね返らずに計画できるのか、並行して考えながら事業計画を進めました。

結果的には、1・2階が店舗、3・4階が賃貸マンション8世帯という施設となりました。ご入居者もすぐに決まり、テナントもすでに賃貸借契約を結んでいます。1階を店舗にしたいというお客様のご要望があったので、テナントを決めた状態で行えば、収支もしっかりと固定できます。

吉崎:横山さんは、相談に乗られ、賃貸の客付けもして、建築の計画から施工まで行われるので、お客様から見れば、安心ですね。それに、地元にネットワークがありますから、担当しているエリアをよく知っていらっしゃいます。大和ハウス工業は特殊な事例にも十分対応していただけますし、もちろん一般的なものもいろいろ手掛けられていると思います。まずはご相談していただくところから始めたらいいのではないかと思います。

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