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コラム vol.402
  • 不動産市況を読み解く

テレワーク実態調査からみる、賃貸住宅ニーズはどう変わるのか?

公開日:2022/05/31

政府がワーク・ライフ・バランスの一環として推進してきたテレワーク(リモートワーク・在宅勤務)は、新型コロナウイルス感染症の影響により状況が一変し、大企業から中小企業まで多くの企業が取り入れることになりました。緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が解除されても、多くの企業ではテレワークを認め(あるいは推奨し)ており、テレワークは一般化しました。それに伴い、住まいのあり方にも変化が見られます。家に「日常を過ごす自宅」だけではなく、「働く場所」の役割が加わったと言えるでしょう。

増えるテレワーク実施者

2022年(令和4年)3月末に、国土交通省から「令和3年度テレワーク人口実態調査」の結果が公表されました(調査方法はWEB調査、有効サンプル数4万人、就業者対象、2021年(令和3年)10月29日~11月4日に調査実施)。この調査結果によれば、雇用型テレワーカー(企業に勤めるテレワーカー)の割合は、新型コロナウイルス感染症の対策として急増した2020年度(令和2年度)に比べ、さらに約4ポイント増加して27%となりました。
勤務地域別では、どの地域も2021年度に比べて引き続き上昇し、特に首都圏においては、前年度34.1%から42.1%と大きく上昇し、「テレワークが日常化」している実態がうかがえます。

テレワークは恒常化する

雇用型テレワーカーのうち、89.4%が今後も継続する意向があり、理由としては新型コロナウイルス感染症の影響をあげる方が約半数となっています。
注目すべきは、「新型コロナウイルス感染収束後も継続意向がある」の回答が84.0%に達していることです。「通勤時間の有効活用」「通勤の負担軽減」が理由の上位となっています。
一度テレワークに慣れてしまうと、「この方が効率が良い」と判断している企業や被雇用者が多いということでしょう。また、企業側から「テレワークの指示・推奨」を受けた方が7割を超えていることからも、テレワークは新型コロナウイルス感染収束後も、「あたりまえ」の状況になる可能性が高そうです。

テレワークの場所は自宅が8割超

テレワークの継続意向がある雇用型テレワーカーへの質問で、テレワークを実施したい場所は、自宅が約84%で圧倒的でした。最近増えているシェアオフィス(共同利用型オフィス等)は約9%と、まだまだシェアオフィスは一部の方々が使っている場所のようです。
しかし、主なテレワーク実施場所(前述のように約84%が自宅と回答)以外にシェアオフィス等を利用したい方は約49%で、利用意向ありと答えた方も合わせると約58%となっていますので、今後の状況次第ではテレワークの場所としてのシェアオフィスの利用は広まっていくのかもしれません。

なぜ、自宅でテレワークを行わないのか?

次の図は「主なテレワーク場所として自宅を選択しなかった理由」を示しています。
テレワークを行いたい場所としてシェアオフィスを選んだ方が、自宅で行わない理由は「仕事環境(執務部屋、机・椅子、インターネット利用環境等)が良くないから」が約45%、「自宅だとセキュリティ(情報漏洩等)に不安があるから」が約33%、そして「自宅だと家族に気兼ねするから」が約26%となりました。

詳しい調査結果は、下記国土交通省Webサイトよりご覧ください。

「令和3年度 テレワーク人口実態調査 -調査結果(概要)-」

図:主なテレワーク場所として自宅を選択しなかった理由

国土交通省「令和3年度 テレワーク人口実態調査」より

変わる賃貸住宅ニーズ

ここまでテレワークに関する調査結果をみてきましたが、多くの方が自宅でテレワークを行っており、この傾向が続きそうです。
この結果をみれば、今後の賃貸住宅の間取りのあり方にも変化が出てきそうです。単身者向けやカップル向けの賃貸住宅では、テレワーク対応型の間取りに支持が集まりそうです。

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