大和ハウス工業株式会社

DaiwaHouse

ますます多機能化する物流施設、
物流不動産の拡大傾向は今後も継続か

2025/01/24

  • #2024年問題
  • #DPL
  • #BCP

「物流不動産」と呼ばれる物流業務を行うための倉庫や物流センターの需要は、2012年から継続的に増加しています。物流不動産とは、物流施設を建設し、テナント企業から賃貸面積に応じた賃料を得ることでビジネスを行います。この場合のテナント企業は、貨物を所有し、物流事業を行う荷主や、荷主に依頼された3PL事業者、配送事業者になるケースが大半です。

物流不動産は、物流戦略の重要度が高まり、DX化の進展もあり、最適なサプライチェーンマネジメントの実現のために、多くの企業が活用するようになっています。

国土交通省が公表した「物流拠点を取り巻く環境の変化や課題」によれば、全国各地で物流不動産の建設が増加しています。「普通倉庫と大型マルチテナント型物流不動産のデータソースが異なっていることから、あくまで議論のための資料として使用」としながらも、普通倉庫及び大型マルチテナント型物流不動産ともに規模は拡大傾向であり、稼働率も上昇傾向となっています。

物流拠点の規模及び稼働率の推移

出典:国土交通省「物流拠点を取り巻く環境の変化や課題」
国土交通省「倉庫統計季報(普通倉庫は1~3類)」、CBRE提供データ(首都圏、近畿圏:延床面積10,000坪以上、中部圏、福岡圏:延床面積5,000坪以上)より作成(各年6月末時点)

※普通倉庫の在貨面積は貨物の保管量、大型マルチテナント型物流不動産は入居面積。BTS型物流不動産は含まれていない。また、普通倉庫と大型マルチテナント型物流不動産に係るデータには一部重複あり。

中でも、大型マルチテナント型物流不動産は、2000年初頭から大手国内ディベロッパーや外資系不動産開発会社等により、首都圏を中心に近畿圏や中部圏等で開発が進められており、2013年頃から急速に拡大が進みました。ここ数年の入居率は減少傾向にあるものの、2023年の貸室総面積は前年から10%以上の伸びを示しています。

各物流拠点の規模及び入居率の推移(大型マルチテナント型物流不動産)

出典:国土交通省「物流拠点を取り巻く環境の変化や課題」 CBRE提供データ(首都圏、近畿圏:延床面積10,000坪以上、中部圏、福岡圏:延床面積5,000坪以上)より作成(各年6月末時点)

拡大の背景

こうした拡大の背景にあるのは、近年の物流の小口・多頻度化の急速な進展でしょう。貨物総量としては、1990年から2021年にかけて約40%減少していますが、物流件数は、約2倍となっています。貨物1件あたりの貨物量は同年比で、約3分の1まで減少しています。

大きな流れとしては、工場が日本から海外へのシフトによって原材料や部品など工場に関わるさまざまな物の輸送が減少していることや、工業製品自体の小型化によることが大きな要因ですが、それに加えて、ここ十数年のEコマースの進展も大きな要因となっています。Eコマースによって宅配個数が増加し、貨物1件あたりの貨物量の減少と物流件数の増加を後押ししています。

出典:国土交通省「全国貨物全流動調査(物流センサス)」より作成

地域による大型マルチテナント型物流施設(LMT)空室率

首都圏、近畿圏、中部圏、福岡圏においては、地域(条件)による差が広がっている傾向が見えます。首都圏においては、外環道エリア、国道16号エリアでは、空室率は一桁にとどまっていますが、圏央道エリアでは15.4%、東京ベイエリアでは12.4%と二桁となっており、地域による差が存在しています。ただし、外環道エリアは供給量の多さもあり、2023年第3四半期時点と比較すると2.8%から7.4%と空室率は上昇しています。

出典:CBRE「MARKETVIEW | JAPAN LOGISTICS | 2024年第3四半期」大型マルチテナント型物流施設(LMT)空室率

これからの物流不動産に求められる役割、機能

・物流2024年問題解決のための物流施設

2025年となった現在でも、2024年問題への対応は継続しており、むしろ本格的な対応はこれからという印象もあります。物流オペレーションにおける、省人化に向けたDX化やプロセス改善、あるいは、長距離運転の問題解決のための中継物流拠点の設置などが中心となるとは思いますが、人材不足の解決のために、物流施設内においてもコンビニエンスストアやカフェテリア、託児所といった働く人に快適性や利便性をもたらす機能が求められています。

・物流施設と物流オペレーションの一体化によるサービスの提供

物流施設の提供側としても、物流施設(建物)のみの提供から、さまざまな付帯サービスを伴った物流施設の提供も必要となりそうです。

DX化に伴う自動運転やロボティクスなどの設備の提供に加えて、たとえばEコマース企業の入居に備えた、Eコマース事業に必要なフルフィルメントサービスの提供や、事業戦略に応じたオペレーションシステムのコンサルティングサービス、セキュリティ対策など、施設に加えて、さまざまな付加価値を備えた物流施設が増加しそうです。

・気候変動、災害増加等を踏まえた対応

昨今の自然災害や異常気象の増加を受け、物流施設が地域の防災拠点として注目を集めています。そもそも物流施設はBCP(事業継続計画)として、多様な災害に対しても事業が止まることのないように、建物自体の耐震性を高め、非常用電源を設置するなどテナント企業のBCPに対応できる仕様を採用しています。さらに、高速道路の出入り口近辺に位置している物流施設は、災害等非常時の備蓄倉庫拠点の立地として理想的な環境です。また周辺の道路も整備されているところが多く、各所へ迅速な供給や他地域への運送が可能です。大和ハウス工業のマルチテナント型物流施設(DPL)では自治体と連携して安心・安全な地域づくりを目指し、現在、全国17の自治体と防災協定を締結しています。建物共用部を地域住民のための一時避難場所として利用するほか、災害時の支援物資の一時保管や集積所として活用することが可能です。

・冷凍冷蔵食品のマーケット拡大により、冷凍冷蔵倉庫のニーズが高まる

冷凍冷蔵食品マーケットの拡大傾向、食品の品質保持や安全性の向上への関心の高まり、物流効率化への取り組みの進展などもあり、冷凍冷蔵倉庫のニーズも高まっています。しかも、全国で約34%が築年数40年を超えているともいわれており、今後さらに冷凍冷蔵食品のマーケットが拡大すれば、冷凍冷蔵倉庫の需給はひっ迫することが予測されています。

・地域活性化のための物流施設開発

国土交通省の資料「物流拠点を取り巻く環境の変化や課題(2024年10月30日」によれば、地方自治体が物流拠点を誘致した事例も紹介されています。京都府城陽市では、新名神高速道路の整備によるアクセスの良さを活かした物流施設を誘致。関東圏、中京圏、関西圏をつなぐ物流拠点として期待されています。物流施設が地域の活性化にもつながる好事例として、注目を集めています。

このような物流施設の多機能化は、企業の中での物流戦略の位置付けが大きく変化していることの裏付けでもあり、2024年問題の解決も含めて、今後さらに物流戦略の再構築が必要となる企業もありそうです。物流不動産の供給量は安定した増加傾向にありますので、立地条件だけではなく、物流施設の役割を改めて見直した上で、物流施設の選定、運営が必要となりそうです。

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